5.インフルエンザワクチンの歴史 インフルエンザウイルスが発見される(1933年)前の1919年3月9日(スペインかぜの流行時)の大阪毎日新聞は「感冒ワクチン」製造を当時の北里研究所が着手したと報道している(図4)。 インフルエンザワクチンの歴史 福 見 秀 雄 (受付:昭 和60年8月13日) 序 説 私はもう大分以前からインフルエンザの研究史につい て書いて置こうと思い立った.し かし思い見るとインフ ルエンザの研究は今もなお世界の各地で進行形のままで インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスに対するワクチンである。本記事ではヒトを対象とする。インフルエンザウイルスは変異型が多いため、主に冬季に流行する季節性インフルエンザワクチンの対象とするウイルス株は毎年変更される。ただ、インフルエンザワクチンは、そのワクチンに含まれていないインフルエンザの型に感染した場合にも、ある程度インフルエンザの重症度を低下させることができるともされている 。不活化ワクチンと弱毒性ワクチン(生ワクチン)とがある。摂取経 … ヒトのインフルエンザウイルスがSmith、AndrewsとLaidlawによって初めて分離されたのが1933年で(2)、直ちにワクチン開発のための研究が始まった。最初は生ワクチンの研究が世界各国で実施され、欧米、ソ連と日本の研究者が中心となってインフルエンザウイルスの弱毒化が試みられた(3)。有望だと思われた生ワクチンもあったが、多くは反応がないか強すぎたため途中であきらめられた。日本では奥野良臣(筆者の父)のグループが精力的に研究を行い、優れた生ワクチンを完成させた(4)。1 …
インフルエンザにはどのような歴史があるのでしょうか?インフルエンザワクチンや抗インフルエンザ薬、検査、予防接種などそれぞれの歴史があります。長いインフルエンザの歴史を見ていくと、驚くべき発見がたくさんありました! ・ワクチンの歴史 ・ワクチンの義務化 ・ワクチンに関する見方 ・ワクチンの危険性 ・インフルエンザワクチンについて ・過去のインフルエンザ大流行とワクチンの関係 ・私たちの知らないワクチンの裏側 ・戦争で使用されるワクチン ・生物兵器としてのワクチン ・エイズワクチンの動き � こすインフルエンザウイルスは鳥インフルエンザウ イルスに由来することが多いために,鶏が被害を受 けて鶏卵を確保することも困難になる可能性が高い. インフルエンザワクチンは,その長い歴史の割に は細胞培養法への移行が遅かったと言える.その試 インフルエンザの流行の歴史 人での流行の歴史は、1900年のH3N8型、1918年のn1h1型(スペイン風邪)、1957年のh2n2型(アジア風邪)、1968年のh3n2型(香港風邪)、1977年のh1n1型(ソ連風邪)、そして2009年のh1n1ウイルスという順になります。 世界的な流行や一部地域での流行をパンデミックと … インフルエンザワクチンの歴史 福 見 秀 雄 (受付:昭 和60年8月13日) 序 説 私はもう大分以前からインフルエンザの研究史につい て書いて置こうと思い立った.し かし思い見るとインフ ルエンザの研究は今もなお世界の各地で進行形のままで 「予防接種法」では誕生した当時、天然痘(てんねんとう ※別名:痘瘡(とうそう))、百日咳(ひゃくにちぜき)、腸チフスなどの12疾病が対象となりました。失われていく命と社会全体を守るべく、接種は「義務」とされ、怠ると罰則を用いる“義務接種”として位置付けられていました。しかし、やがて社会状況の変化にともない、制度の変更が度々行われていくことになります。 変更を行う理由となった主な原因は、1976年ごろに社会問題化した予防接種による健康被害(主に副作用によるもの)や、 … 第二次世界大戦後の混乱期、多くの人々がさまざまな感染症で命を落としたことを受け、日本では1948年に「予防接種法」が制定されました。当時、猛威をふるっていた感染症は社会的な損失を拡大させたため、予防接種法は早急に制定する必要があったのです。そして、そこから予防接種制度は現代にいたるまで、最善に向かうべく変更を重ねてきました。その変化と歴史的経緯を、川崎医科大学小児科学教授の中野貴司先生にご説明いただきました。, 「予防接種法」では誕生した当時、天然痘(てんねんとう ※別名:痘瘡(とうそう))、百日咳(ひゃくにちぜき)、腸チフスなどの12疾病が対象となりました。失われていく命と社会全体を守るべく、接種は「義務」とされ、怠ると罰則を用いる“義務接種”として位置付けられていました。しかし、やがて社会状況の変化にともない、制度の変更が度々行われていくことになります。, 変更を行う理由となった主な原因は、1976年ごろに社会問題化した予防接種による健康被害(主に副作用によるもの)や、感染者数の減少などです。それにより、“罰則なしの義務接種”へと変わり、接種後の健康被害における救済制度もつくられました。, さらに患者数が激減した1994年には、“義務規定”から“努力規定(予防接種を行うよう努める)”へと変更され、予防接種への強制力が無くなりました。これについては、予防接種の健康被害における判決(予防接種禍訴訟)の経験も大きく影響しています。そしてその影響は、日時を定め実施されていた「集団接種」が、かかりつけ医が個人の健康状態をチェックしたうえで接種する「個別接種」へ変更されるまでに及びました。このとき、予防接種制度が大きく変化したといえるでしょう。, また、2001年以降は、高齢者インフルエンザ集団感染などの発生で予防接種における分類が定められました。小児を対象とした一類疾病(のちの「A類疾病」)は強い感染力による流行を阻止するため “努力義務(行うよう努める)”があるとされます。一方、65歳以上の高齢者を対象とした二類疾病(のちの「B類疾病」)は発病・重症化防止が目的なので、予防接種は個人の判断に任せるというものです。, 「予防接種法」が成立されたことで予防接種が普及し、ワクチンが天然痘の根絶など、感染症を制御・撲滅させる大きな力となり貢献を重ねてきました。日本でも、1961年にはポリオ(急性灰白髄炎・きゅうせいかいはくずいえん)の国内駆除を成功させています。, そんななか、予防接種以外に有効な予防手段が発見されたため、腸チフス・パラチフスは1970年に対象疾病から除外されるという変化もありました。それに対して、胎児や子どもを守るべく、風疹(ふうしん)・麻疹(はしか)などは1976年に予防接種するべきものとして追加されています。, それから保健医療が進歩し、人々の生活水準も高まって衛生面が格段に良くなったことで、感染症による被害が激減しました。その変化は、昭和後期から平成へ、そして21世紀に入り、ますます顕著に現れました。, しかしながら、2001年以降、高齢者のインフルエンザ集団感染や新型インフルエンザ(A/H1N1)の発生、また、後述する「ワクチン・ギャップ」などの課題が発生し、対象疾病の追加や臨時接種、加えて予防接種制度の見直しが行われるという経緯を辿ります。, 近年になり、日本はワクチン・ギャップ(先進諸国と比べてワクチンの種類が少ないこと)が問題視され、その見直しが行われました。それにより、2013年4月には「A類疾病(前の一類疾病のこと)」にHib感染症・小児の肺炎球菌感染症・ヒトパピローマウイルス感染症が追加され、「B類疾病(前の二類疾病のこと)」においては法令で対象疾病が追加できるという柔軟な対応が可能になりました。, また、予防接種によって一定の症状があらわれたことを、医師が厚生労働省に報告する義務「副反応報告制度」も定められ、予防接種を計画的に評価したり、検討する仕組みが整いました。これについて厚生労働省は、少なくとも5年に1度検討し、必要に応じて対応するとしています。, 現在においても引き続きワクチン・ギャップを解消するための取り組みは行われており、2014年10月には水痘(すいとう ※別名:水疱瘡(みずぼうそう))が「A類疾病」に、高齢者の肺炎球菌感染症が「B類疾病」に追加され、2015年1月にはB型肝炎を小児に接種する方向性も了承されたとのことです。, 日本小児科学会 小児科専門医日本感染症学会 感染症専門医・指導医 ICD制度協議会 インフェクションコントロールドクター, 1983年、信州大学医学部卒業。三重大学・国立病院機構三重病院小児科などでの勤務、ガーナ野口記念医学研究所・中国ポリオ対策プロジェクトへの派遣など経て、2010年7月より現職。日本小児科学会認定専門医、日本感染症学会認定専門医・指導医、JICA青年海外協力隊「ポリオ対策」技術専門委員。, 内科外科精神科神経内科脳神経外科小児科整形外科形成外科皮膚科泌尿器科産婦人科眼科耳鼻咽喉科リハビリテーション科放射線科歯科麻酔科, 新型コロナウイルス感染症と付き合っていくための"新しい生活様式"とは〜まだマスクの着用は必須なの?個人が気をつけられる具体策は?〜, がん患者や家族の新型コロナウイルス感染症への不安〜不安を抱えたがん患者に対して家族ができることは?〜, 社員に新型コロナウイルス感染症の疑いが出たらどうするの?~企業が行うべき感染対策とは~, 広島大学病院 内視鏡診療科 教授、 広島大学大学院 医歯薬保健学研究科内視鏡医学 教授, 川崎医科大学医学部 小児科科学主任教授 、川崎医科大学附属病院 小児医療センター小児科部長, 鳥取大学 医学部病態情報内科 教授、鳥取大学医学部附属病院 第一内科診療科群(循環器内科、内分泌・代謝内科) 主任診療科長, まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。, 「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。, 「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。, お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。, 本サービスにおける医師・医療従事者などによる情報の提供は診断・治療行為ではありません。, 本サービス上の情報や利用に関して発生した損害などに関して、弊社は一切の責任を負いかねます。.