ノロウイルスは、色々な消毒剤に対して高い抵抗性を持つと考えられているウイルスで、一般的に「アルコール(エタノール・イソプロパノール)には効果がなく、塩素系の消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)のみ効果がある」という認識が広まっ はじめに(ガイドライン策定の背景及び目的) (1) ヒトに感染するノロウイルス(以下では単に「ノロウイルス」と記述する。 ノロウイルスにアルコール消毒が期待できない事の理由にエンベロープという物の存在があります。 上の写真はヒト免疫不全ウイルスの模式図ですが、最外周の紫色の膜がエンベロープです。 エンベロープをもたないヒトノロウイルスは、洗剤に含まれる界面活性剤はもとより、塩化ベンザルコニウムのような逆性石けんや消毒用アルコールでも不活化できない。 現在、エンベロープを持たないヒトノロウイルスは、洗剤に含まれる界面活性剤はもとより、塩化ベンザルコニウムのような逆性石けんや消毒用アルコールでは不活化されないと考えられています。
1. ノロウイルスは感染力が強く、アルコール消毒で退治できないという認識が広がっています。塩素系の消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使った消毒で、トイレを感染源としないための対処法をご紹介します。適切な対処法でノロウイルスの感染拡大を防ぎましょう。 手洗いがすぐにできない状況では、アルコール消毒液も有効です。 アルコールは、ウイルスの「膜」を壊すことで無毒化するものです。 <使用方法>濃度70%以上95%以下(※)のエタノールを用いて、よくすりこみます。 ノロウイルスの消毒方法はどうすればいいのか?また、ハイターを使った消毒液の作り方はどうするのか?アルコールなどの薬を使った消毒はどうなのかといったノロウイルス対策についてまとめました。 2. ノロウイルスに対するエタノールの適切な使用方法 (1) 消毒対象物に応じてエタノールの積極的な使用が望まれる場合 ノロウイルス感染者の吐物、糞便等には大量のウイルスが含まれているため、これ らを処理する場合には、吐物等をペーパータオル等で除去した後、汚染場所に次亜塩 ノロウイルスは体外で増やすことができなかったため、これまで消毒効果についての有効な実証実験ができず、ノンエンベロープウイルス(外側がタンパク質の膜でできているウイルス)の特徴からアルコールや界面活性剤等の不活化効果は期待できないとされていました。 一般的な感染症対策として、消毒用エタノールや逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム)が用いられることがありますが、ノロウイルスを完全に失活化する方法としては、次亜塩素酸ナトリウム※や加熱による処理があります。 ノロウイルスは、下痢や嘔吐の症状を引き起こす感染症ウイルス。乳幼児から高齢者まで、幅広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こし、とくに福祉施設、学校、保育園などで発生した場合は、集団発生につながることもある。, ノロウイルス感染症は冬場に多く発生し、11月頃から流行がはじまり、12~2月にピークを迎える。, 感染力が非常に強く、乾燥しても数週間は感染力が失われない。糞便や吐瀉物に含まれるウイルスが乾燥して空気中に散乱し、それを吸い込むことで二次感染を起こす人もいる。, ノロウイルスはヒトにのみに感染する感染症ウイルスだが、つい最近までヒトの体外で増やすことができなかった。そのため、この感染症についての研究はほとんど進んでおらず、不活化の条件や、除染、消毒薬の効果は、その近縁であるウイルスを代替に用いて検証されてきた。, ノロウイルスは、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスのように、宿主の脂質膜(エンベロープ)に覆われていないことから、ノンエンベロープウイルスに属する。, エンベロープをもたないヒトノロウイルスは、洗剤に含まれる界面活性剤はもとより、塩化ベンザルコニウムのような逆性石けんや消毒用アルコールでも不活化できない。, アルコールの抗菌作用を増強させる手段として、pHを下げることが知られており、この酸性アルコールが上記の代替ウイルスを不活化する効果があるとして、日本国内ではヒトノロウイルスにも効果があると謳った商品が販売されている。, しかし、マウスノロウイルスに感染したマウスは下痢症状を示すことはないことから、その性状が実際にヒトに感染するヒトノロウイルスと大きく異なることも考えられ、酸性アルコール製剤が実際にヒトノロウイルスを不活化できるかどうかは不明のままだった。, 研究グループはこれまでに、ヒトiPS細胞株から作製した腸管上皮細胞を用いた、ヒトノロウイルス増殖系を開発し、これを利用して、加熱や次亜塩素酸ナトリウムによってヒトノロウイルスが不活化されることを実証している。, そこで今回の研究では、同様の手法を用いて実験を行い、約200万個のヒトノロウイルス粒子を含む溶液に対して、3倍から9倍の容量の酸性、もしくはアルカリ性アルコールで30秒間処理することで、ヒトノロウイルスがほぼ完全にその感染、増殖能を失うことを実証した。, また、例年の最流行型である遺伝子タイプでは、中性のアルコール処理でもほぼ完全に不活化できることを確かめた。, 研究は、大阪大学微生物病研究所の佐藤慎太郎特任准教授(大阪市立大学大学院医学研究院・ゲノム免疫学・准教授を兼務)らの研究グループによるもの。研究成果は、英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。, また、ヒトノロウイルスは患者の便や吐瀉物といった有機的汚れの中に大量に含まれるが、これら有機物が除染剤の効果を打ち消してしまう。実際に、有機的汚れとして5%の肉エキスを含むウイルス溶液を酸性アルコールで処理した場合、その不活化効果は失われていた。, そこで、酸性アルコールに、タンパク質凝集作用(塩析効果)の強い無機塩として硫酸マグネシウムを0.1%添加すると、5%肉エキスを含むヒトノロウイルスも不活化できることを突き止めた。, アルコールの抗菌や抗ウイルス作用のメカニズムは明らかにされていないが、これら結果は、ウイルス粒子周りの有機物が硫酸マグネシウムによって取り除かれることで、アルコール分子がウイルスに作用できるようになったためと考えられるという。, 今回の研究により、消毒用アルコールでは不活化できないとされていたノロウイルスが、pHを中性域から外したアルコール溶液により、次亜塩素酸ナトリウムと同程度に、ほぼ完全に不活化されることが明らかになった。, このアルコール溶液は、クエン酸や重曹、硫酸マグネシウムといった、食品添加剤のみで調整することができるため、従来の消毒用アルコールと同様に手指消毒薬として用いることもできる。, 酸性、アルカリ性アルコールは食品添加物のみで作製することができ、従来の消毒用アルコールと同様に手指消毒剤として使用することもできる。, また、次亜塩素酸ナトリウムによって変色や腐食を起こすようなものの除染に使用することも可能だ。, さらに研究グループは、エンベロープをもたないウイルスにも効果があると謳われている、日本国内で販売されている4種類の消毒用アルコールのヒトノロウイルスに対する効果を検証した。, その結果、アルコール濃度やpHがさほど変わらないにもかかわらず、2種類に関してはほとんど効果がないことが分かった。これは、それぞれの商品に含まれる添加剤が、アルコールの抗ウイルス効果を阻害しているためと考えられるという。, ヒトノロウイルスは、感染性や消化管内での増殖能が極めて高く、100個程度のウイルス粒子が口に入っただけでも症状を起こす場合がある。, そのため、保育施設や病院、高齢者介護施設などで集団感染が起きやすく、患者から排出された便や吐瀉物などの処理では、大量の次亜塩素酸ナトリウムを用いて徹底的に消毒を行う必要がある。, しかし、次亜塩素酸ナトリウムは皮膚や粘膜に対して刺激が強く、また漂白作用、腐食作用も強いため、手指の消毒や衣服、金属類の除染には用いることができない。, 今回の研究では、中性域を外した消毒用アルコールにも、次亜塩素酸ナトリウムに引けを取らないヒトノロウイルス不活化効果があることが実証された。, 「pHの調整には食品添加物として用いられるクエン酸(市販のレモン果汁でも可)や重曹を用いることができるため、今回の研究成果は、抗ヒトノロウイルス活性をもつ手指消毒薬の開発、検証に役立つことが期待されます」と、研究グループは述べている。, 大阪大学微生物病研究所 「ノロウイルス」はアルコール消毒薬で不活化できる クエン酸や重曹で調整が可能 手指消毒薬としても使える 公開済み: 2020年10月13日 更新: 2020年10月13日 ノロウイルスは体外で増やすことができなかったため、これまで消毒効果についての有効な実証実験ができず、ノンエンベロープウイルス(外側がタンパク質の膜でできているウイルス)の特徴からアルコールや界面活性剤等の不活化効果は期待できないとされていました。 したがって,ノロウイルスに対するアルコール消毒では,十分量の消毒用エタノール(消毒用エタノール液IPなど)を用いて30秒間以上接触させる必要があります。清拭では2度拭き(清拭して,15秒後ぐらいに再度清拭)を行ってください。 Alcohol abrogates human norovirus infectivity in a pH-dependent manner(Scientific Reports 2020年9月28日), 活動報告者 加藤 哲太 所属:(一社)日本くすり教育研究所 活動内容 医薬品教育 実施日 2018年11月5日 場 所 NHK放送センター 実施団体名 NHKラジオ第一「Nらじ」 講 師 加藤哲太(日本くすり教育研究所 […], 厚生労働省は「ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)」の認知拡大と理解促進を目的に、TVアニメ『はたらく細胞』(原作:講談社「月刊少年シリウス」で連載中)とコラボレーションした啓発活動を実施する。 「HTLV […], 一般社団法人 全国がん患者団体連合会(全がん連)はこのほど、「がん教育外部講師のためのeラーニング」と「がん教育における配慮事項ガイドライン」を公開した。 中学校では2021年度から、高校では2022年度より実施が […], 大阪大学の研究グループが、酸性やアルカリ性の消毒用アルコールで、ノロウイルスをほぼ完全に不活化できることを確かめた。ヒトiPS細胞株から作った細胞を用いてはじめて検証した。, 細胞にウイルスを感染させてから3時間後にウイルス液を除き、細胞を洗浄後に残ったウイルス量を測定する(ホワイトバー)。その後3日間細胞を培養し、上清中に産生されたウイルス量を測定する(ブラックバー)。ホワイトバーとブラックバーの差が大きいほど、ウイルスが細胞内で増殖した。, Alcohol abrogates human norovirus infectivity in a pH-dependent manner(Scientific Reports 2020年9月28日), NHKラジオ第一「Nらじ」に出演 薬物乱用による頭痛について解説(2018年11月5日 ), 「がん教育における配慮事項ガイドライン」を公開 中学校では2021年度よりがん教育を実施. (参考2)ノロウイルスに対する消毒薬効果の評価状況等 (別紙)ノロウイルスに対する消毒効果を推定している論文等一覧. 今までノロウイルスに効果のあるのは漂白剤、次塩素酸ナトリウムだけでした アルコール消毒はノロウイルスには効果がないとされてきました しかし、ここに来てノロウイルスに効果があるアルコールが発売されました 冬になると流行するノロウィルス。予防に欠かせない消毒ですが、アルコールはノロウイルスを死滅させる効果はあるのでしょうか?きちんと消毒して感染しないためにも、今回はノロウイルスにアルコール消毒が有効かどうかについて解説します。 以前はノロウイルスの消毒にアルコールは推奨されていませんでした。しかし、最近ではアルコール消毒でも一定の効果があると考えられています。 しかし、ノロウイルスの消毒には、現在も次亜塩素酸ナトリウムを使うことが基本とされてい アルコール消毒ではノロウイルス消毒できません。インフルエンザには効果がありますアルコール消毒ですが、構造が異なるため消毒させる効果はありません。その為、ノロウイルスの感染を防ぐためにはアルコールではなく次亜塩素酸