2020年2月28日2020年4月11日 Copyright (C) 2020 TANTANの雑学と哲学の小部屋 All Rights Reserved. エンベロープウイルスの膜はアルコール消毒剤の作用により破壊することができ、 ウイルスそのものへのダメージが期待できます。 一方で、ノンエンベロープウイルスはエンベロープを持つウイルスに比べ、 一般的な消毒液が 効きにくい傾向にあります。 “エタノール, イソプロパノール, メタノール変性アルコール製剤に関する殺菌効力の検討.”, Fehr, Anthony R., and Stanley Perlman. そうすると、まず、 ノンエンベロープウイルスと呼ばれるウイルスは、エンベロープと呼ばれる細胞の生体膜に由来するリン脂質とタンパク質によって構成される膜構造を持たず、.
ノンエンベロープウイルスの具体的な特徴と代表的な種類とは?小さな球形のウイルスと細長い棒状のタバコモザイクウイルス, エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスはどちらの方がより危険で強力なのか?外界での生存力と病原性の高さの違い, エンベロープウイルスの代表的な種類とは?球形や卵型、糸状や多形性といった様々な形をしたエンベロープウイルスの種類, 「きれいは汚い、汚いはきれい」とはどういう意味か?美の概念の相対性についての示唆と人間の人生における栄華と凋落の変転, 風媒花に分類される代表的な植物の種類とは?裸子植物と被子植物に分類される風媒花の代表的な種類, ティーバッグとティーパックはどちらが正しい?英単語のbagとpackのもともとの意味の違い, カビとキノコの違いとは?両者における菌糸の構造とコロニーと組織体という集合体の形成のされ方の違い, 古代ギリシア人を構成する四つの民族集団とは?アカイア人とドーリア人とイオニア人とアイオリス人のギリシア半島のへの定着, 「分かる」と「理解する」と「共感する」の違いとは?「頭で分かること」と「心で分かること」の違い, 両性花と単性花の違いとは?①両者に分類される植物の具体的な種類の代表例と、被子植物と裸子植物の分類に基づく区別. 5分, コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど様々なウイルス感染症が話題になっています。, 人混みを避けて、手洗いをしっかりするのが予防に重要といわれていますが、手指が触れる場所などを消毒したいというニーズもあると思います。, ウイルスを不活化させる消毒薬としてはエタノールが有名ですが、その効果はどのくらいあるのでしょうか?なぜウイルスがエタノールで消毒できるのか?そのメカニズムやエタノール以外の消毒方法があるのか?について紹介していきます。, 消毒薬というとエタノールが思いつきやすいと思いますが、実は消毒薬にはたくさんの種類があります。, 消毒薬は3種の効能レベルに分類されています。高水準消毒薬が最も強力な効果を発揮します。ちなみにエタノールは中水準消毒薬です。, 消毒薬によって効く病原体と効かない病原体がいます。高水準消毒薬は確かに強力ですが、安全性や使いやすさの面で劣っている部分があります。, エタノール消毒に弱いウイルスにはインフルエンザウイルスやHIVウイルスがあります。一方で強いウイルスにはノロウイルスなどがあります。, エンベロープとはウイルスの外側を覆う膜で細胞膜と同じく脂質からできています。そのため、エタノールのような油を溶かすような液体にさらされると膜が簡単に破壊されてしまいます。ほかにも石鹸にも弱いです。, 消毒用のエタノールというと70%濃度が最も有名かと思いますが、実は70%が一番殺菌力が高いわけではありません。, もともと70%が殺菌力が高いというのはブドウ球菌で試験した実験から得られた結果です。しかし、実際は殺菌したいウイルスの種類や条件によって有効なエタノール濃度は異なることが報告されています。, その研究によると言われてみれば当たり前のようですが、吐しゃ物など水分量が多い場所での使用に関しては95%エタノールのほうが高い殺菌効果が期待できます。逆に乾燥した痰など水分量が少ない試料に対する消毒に関しては水分が多めな50%エタノールで消毒効果が高くなることが報告されています。, エタノールの消毒効果は直感的にはエタノールの濃度が100%に近い、濃いほうが消毒効果が強そうに思えますが、実際は75%前後が最も効果が高いといわれています。, 純粋なエタノールの殺菌効果があまり高くないのは、たんぱく質を変性させる力が小さいためと考えられています。ウイルスが細胞の中に入り込めるのはウイルスの表面にある「タンパク質」が働いているからです。エタノールはこのたんぱく質を変性(壊す)することによって感染力を失わせます。このたんぱく質の変性効果は水が少し入っているほうが高いといわれています。ですから、少し水が入ったエタノールのほうが効果が高いのです。, エタノールなどのアルコールは脱脂効果(脂質を溶かす)があるため、脂質からなるエンベロープを持つウイルスに対しては、これを破壊することにより殺菌効果が得られます。, 一般的にエンベロープを持たないウイルス(ノンエンベロープウイルス)に対してはエタノールなどのアルコール消毒薬の効果は薄いとされています。ノンエンベロープウイルスにはノロウイルスなどがあります。, したがって、ノンエンベロープウイルスに対しては別の消毒薬を利用する必要があります。, マウスノロウイルスを使用した場合は、次亜塩素酸ナトリウム(200ppm、30秒)等の塩素系消毒薬が有効であることが分かっており、さらに70%エタノールなどのアルコール消毒薬もウイルスを不活化可能であることが報告されています。, 消毒薬にはエタノールだけでなく、イソプロパノールや変性アルコール(メタノール)などがあります。, 病原体によって異なりますが、エタノールよりもイソプロパノールなどのほうが殺菌力が高いとされています。しかし、毒性に関してはエタノールが一番安全性が高いです。, インフルエンザウイルスはエタノールによる消毒が有効なウイルスですが、コロナウイルスには有効でしょうか?, コロナウイルスはインフルエンザウイルスと同じRNAウイルスに分類されるウイルスです。, 感染予防のためには、せっけんを使った手洗いと70%以上のアルコールで消毒が有効です。0.05~0.5%次亜塩素酸ナトリウムも有効です。, コロナウイルスは毎年冬季や春先に流行する風邪の15~30%を占めると言われている一般的なウイルスです。, しかし、コロナウイルスにより引き起こされるSARS(重症急性呼吸器症候群)など、単なる風邪では片づけられない重篤な症状を引き起こすものもあります。新型コロナウイルスやSARSに限らずコロナウイルスは新生児や高齢者、持病持ちの人にとっては肺炎などを引き起こす危険があるので、感染の予防が重要です。, こめやんは理学博士です!化学の面白さと学ぶメリットを少しでも伝えるために日々頑張ります!
「消毒」は、菌やウイルスを無毒化することです。「薬機法」(※1)に基づき、厚生労働大臣が品質・有効性・安全性を確認した「医薬品・医薬部外品」の製品に記されています。 「除菌」は、菌やウイルスの数を減らすことです。 前回の記事でも書いたように、ウイルスはその本体となるウイルス粒子の構造や形態という観点からは、, エンベロープと呼ばれる膜構造を持つエンベロープウイルスとそうした膜構造を持たないノンエンベロープウイルスと呼ばれる二つのグループへと分けられることになり、, インフルエンザウイルスやコロナウイルス、HIVウイルスやエボラウイルスなどのように人間に対して病原性を示すウイルスは、どちらかというとは前者のエンベロープウイルスに分類されるウイルスの方が多いと考えられることになります。, 後者のノンエンベロープウイルスは具体的にどのような特徴を持つウイルスのグループであると考えられ、そうしたノンエンベロープウイルスに分類される代表的なウイルスの種類としてはどのようなウイルスが挙げられることになるのでしょうか?, ノンエンベロープウイルスと呼ばれるウイルスは、エンベロープと呼ばれる細胞の生体膜に由来するリン脂質とタンパク質によって構成される膜構造を持たず、, カプシドと呼ばれるウイルスの表面にあるタンパク質の殻がむき出しの状態になった比較的単純な粒子構造をしていると考えられることになります。, こうしたノンエンベロープウイルスと呼ばれるウイルスは、構造が単純である分、外界にいる時にはかえって消毒や不活化させることが難しいと考えられ、, エンベロープウイルスの場合と異なり、そうしたエンベロープと呼ばれる脂質膜の弱点にあたる界面活性剤やエタノールなどといった一般的な消毒薬に対する耐性が強いウイルスが多く、, 具体的な薬品としては、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤などに使われている次亜塩素酸ナトリウムといった比較的特殊な薬剤などを用いなければ容易に破壊することができないと考えられることになるのです。, こうしたノンエンベロープウイルスと呼ばれるウイルスのグループには、具体的にどのような種類のウイルスが分類されることになるのかといういと、, 風邪や咽頭炎の原因となるアデノウイルスや、胃腸炎や食中毒の原因となるノロウイルスやロタウイルス、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスやA型肝炎ウイルスなどのウイルスの種類が挙げられることになります。, こうしたノンエンベロープウイルスと呼ばれるウイルスは、前述したようにエンベロープと呼ばれる複雑な形状をとることもある膜構造を持たないため、, 大部分のノンエンベロープウイルスは、正20面体の構造をしたタンパク質の殻にあたるカプシドがむき出しになった全体としては単純な球形の形状をしていることが多いと考えられることになります。, ウイルスの大きさ自体も、直径100ナノメートルほどの球形のエンベロープウイルスにあたるインフルエンザウイルスやコロナウイルス、, さらには、天然痘ウイルスなどのように全長200~300nmにもおよぶ大型のウイルスも存在するエンベロープウイルスと比べて、比較的小型のウイルスが多いと考えられ、, アデノウイルスの場合は直径80ナノメートル、ロタウイルスの場合は直径70ナノメートル、ノロウイルスにいたってはさらに小さく直径30ナノメートルほどの球形の形状をしていると考えられることになります。, こうしたノンエンベロープウイルスと呼ばれるウイルスのなかにも、球形の形状をとらないウイルスの種類もわずかながら存在していて、, タバコなどの葉にモザイク状の斑点をつくり葉の成長を悪くする植物の感染症であるタバコモザイク病の原因となるタバコモザイクウイルスなどは、, 長さは300 ナノメートルほどで直径は18 nmほどの細長い棒状の形状をしたエンベロープを持たないウイルスとして位置づけられることになるのです。, こうしたノンエンベロープウイルスと呼ばれるウイルスの具体的な特徴と、ノンエンベロープウイルスに含まれる代表的なウイルスの種類について、, ノンエンベロープウイルスは、エンベロープと呼ばれる膜構造を持たずに、タンパク質の殻にあたるカプシドがむき出しになった単純な構造をしたウイルスのグループにあたり、, アデノウイルスやノロウイルス、ロタウイルスやヒトパピローマウイルス、A型肝炎ウイルスなどのように、大部分のノンエンベロープウイルスは比較的小さな球形の形状をしているものの、, タバコモザイクウイルスなどのように、一部のノンエンベロープウイルスのなかには、細長い棒状の形状をしたウイルスの種類も存在すると考えられることになるのです。, 次回記事:エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスはどちらの方がより危険で強力なのか?外界での生存力と病原性の高さの違い, 前回記事:エンベロープウイルスの代表的な種類とは?球形や卵型、糸状や多形性といった様々な形をしたエンベロープウイルスの種類.