■ インフルエンザの流行期に、小児科医はインフルエンザ脳炎/脳症に注意を払う必要性がでてきます。医学が進歩しても、その予後が決して良くないからです。, ■ その発生率や臨床像を3シーズンにわたって調査した、オーストラリアの報告をご紹介いたします。, ■ 季節性インフルエンザ関連神経学的疾患 (influenza–associated neurological disease; IAND)についての縦断的研究はほとんどなく、南半球からの研究もほとんどない。, ■ 2013年から2015年までの、Paediatric Active Enhanced Disease Surveillance(PAEDS)ネットワークに編入された2研究、すなわち、インフルエンザ合併症警報ネットワーク(Influenza Complications Alert Network; FluCAN)研究およびオーストラリア小児脳炎 (Childhood Encephalitis; ACE) 研究から、前向きに取得したオーストラリアのサーベイランスデータを抽出した。, ■ さらに、インフルエンザ関連脳炎/脳症(influenza-associated encephalitis/encephalopathy; IAE)における臨床像と、小児のIANDの重症度を述べ、IANDとIAEと関連するインフルエンザ入院率と、IAEの発症率を評価した。, ■ 3回のインフルエンザシーズンにわたり、インフルエンザ入院例中7.6%を占めるオーストラリアからの三次小児病院2施設におけるIAND 54例を特定し、そのうちIAEは10例(入院したインフルエンザの1.4%)だった。, ■ オーストラリアの小児(≦14歳)におけるIAEの年間発生率は、平均1000000人中2.8人だった。, ■ IANDの病像は幅広く、IAE 10例、明らかな急性脳症症候群/単純の熱性けいれん14例、その他のけいれん 16例、急性運動失調 4例、その他の亜急性症候群(横断性脊髄炎 1例、眼球クローヌス・ミオクローヌス 1例 )が含まれた。, ■ IANDの2/3は4歳以下であり、神経学的疾患の既往もしくは重症のインフルエンザに対する他のリスク因子を持っていたのは半数以下だった。, ■ 季節性インフルエンザは、オーストラリアの小児における急性神経疾患の重要な原因である。, ■ 季節的IANDの病像は、2009年のH1N1パンデミックの時期に述べられたものと同様であり、IAEは、高い病的状態やおよび死亡率と関連している。, ✅オーストラリアの小児(≦14歳)におけるインフルエンザ関連脳炎/脳症の年間発生率は、1000000人中平均2.8人だった。, ✅季節性インフルエンザ関連神経学的疾患の2/3は4歳以下であり、神経学的疾患の既往もしくは重症のインフルエンザに対する他のリスク因子を持っていたのは半数以下だった。, ■ 少なくとも、本検討の中で、脳炎/脳症に罹患した児の中に、予防接種例は0であったことは注目すべきと思います(ただし、統計的な有意ではありません)。, ”Consistent with other studies, we found that the majority of children with IAE and IAND had not received seasonal influenza vaccination.”. Clinical Infectious Diseases 2017; 65:653-60. インフルエンザの熱や痛みにパブロンを飲んでも問題ないのでしょうか?インフルエンザとパブロンの関係を現役薬剤師監修のもとわかりやすく解説!パブロンと他の薬の飲み合わせ、予防接種の時の注意まで徹底解説します。 インフルエンザの合併症には、肺炎、中耳炎、関節炎などがありますが、その中でも深刻なのがインフルエンザ脳症・脳炎です。 インフルエンザ脳炎は、重症化すると死に至ることや、重い後遺症を残すことがあります。 5歳以下、特に1歳〜3歳の子どもに発症しやすく、多くの場合はインフルエンザを発症してから1〜2日の間で脳炎の症状があらわれます。 No reproduction or republication without written permission. たとえば、インフルエンザが重症化すると、インフルエンザ脳炎・脳症という状態になることがあります。 このときに、サリチル酸系解熱剤を使用すると、脳の血管を傷つけ、症状が悪化するリスクが出て … Britton PN, et al. インフルエンザ脳炎とは? 「インフルエンザ脳症」は主に幼児から 10代の子供に見られる症状で 発熱後に突然震えや失神、意識障害などに 襲われ、それとともに臓器が機能不全に陥る 恐ろしい病気です。. 冬に流行するインフルエンザ。その合併症のなかで「インフルエンザ脳症」というものがあり、命に危険が及んだり後遺症が残ったりする恐れがあります。今回はインフルエンザ脳症の症状や診断方法、治療法、予防法などをご紹介します。 インフルエンザ脳症とは? 【小児科医が解説】後遺症リスク・死亡率ともに高いインフルエンザ脳症。5歳以下の子供に多いインフルエンザの合併症で、主に発熱から48時間以内に起こります。大人の発症・死亡例もあるインフルエンザ脳症の原因・症状・後遺症・治療法・予防法について解説します。
(他の研究と一致して、IAEやIANDに罹患した小児の大多数が季節性インフルエンザワクチン接種を受けていないことを発見した). 3回のインフルエンザシーズンにわたり、インフルエンザ入院例中7.6%を占めるオーストラリアからの三次小児病院2施設における iand 54例を特定し、そのうちiaeは10例(入院したインフルエンザの1.4%) … The Spectrum and Burden of Influenza-Associated Neurological Disease in Children: Combined Encephalitis and Influenza Sentinel Site Surveillance From Australia, 2013–2015.
今冬はインフルエンザが大流行しているが、太融寺町谷口医院院長の谷口恭医師は、解熱鎮痛剤を使う時は処方薬も含めて、その成分に注意すべきという。, 「風邪の病原体によっては解熱鎮痛剤が症状を悪化させることがあります。たとえば、インフルエンザが重症化すると、インフルエンザ脳炎・脳症という状態になることがあります。このときに、サリチル酸系解熱剤を使用すると、脳の血管を傷つけ、症状が悪化するリスクが出てきます。水疱瘡やデング熱でも同様に重症化する恐れがあります」, この解熱剤は医療機関でよく処方される総合感冒薬PL顆粒、ピーエイ、ペレックスなどにも含まれ、実は市販の解熱鎮痛剤にも含まれている。, インフルエンザなのに医師が安易に“軽い風邪”と診断して処方すると、「場合によっては命にかかわる可能性がある」と谷口医師は指摘する。, 「初期の段階で普通の風邪とインフルエンザ、水疱瘡、デング熱を見分けるのは医師でも困難なことがあります。高熱を伴う風邪の症状には、インフルエンザを含むあらゆる風邪に有効で、赤ちゃんから妊婦、高齢者まで使える『アセトアミノフェン』を第一に考えるべきでしょう」, ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 6091713号)です。. 大正製薬の風邪薬・パブロンシリーズ公式サイト。早めの風邪に効く「パブロンSゴールドW」、症状に合わせて選べる「パブロンメディカル」、効き目の「パブロンエースPro」などをご紹介。風邪に関する情報もご提供しています。 大正製薬の風邪薬・パブロンシリーズ公式サイト。早めの風邪に効く「パブロンSゴールドW」、症状に合わせて選べる「パブロンメディカル」、効き目の「パブロンエースPro」などをご紹介。風邪に関する情報もご提供しています。 たとえば、インフルエンザが重症化すると、インフルエンザ脳炎・脳症という状態になることがあります。このときに、サリチル酸系解熱剤を使用すると、脳の血管を傷つけ、症状が悪化するリスクが出てきます。水疱瘡やデング熱でも同様に重症化する恐れがあります」 【医師監修】インフルエンザでカロナールやロキソニンなどの解熱剤は使えるのでしょうか。インフルエンザのときに飲んではいけない薬、大人と子どもで使用できる解熱剤に違いはあるのか、詳しく解説。
日本アレルギー学会専門医・指導医。日本小児科学会専門医。, 小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するシステマティックレビュー, オーストラリアのインフルエンザ入院例中7.6%を占める三次小児病院2施設におけるインフルエンザ関連神経学的疾患(IAND)とインフルエンザ関連脳炎/脳症(IAE)を特定し、その臨床像を調査した。. 最悪の場合は数時間のうちに死に至る 場合(致死率10%)もあり、 ■ 予防接種がそのまま脳炎・脳症を予防するかどうかは、今回の検討での予防接種数が少ないために検討できていないようですが、重症化を防ぐ可能性は十分あるのではないかと思います。, ✅今回の検討では、インフルエンザ関連脳炎/脳症のうち、予防接種をしていた例はなかった(例数が少なく統計学的有意差はなし)。, 何かございましたら、こちらのメールフォームからご連絡を頂けましたら嬉しく思います。, ◇ 専門は小児アレルギー学。日本アレルギー学会専門医・指導医・代議員。日本小児アレルギー学会評議員。日本小児科学会専門医。, ◇ このブログが、医療者のみなさまの一助となり、最終的には患者さんの幸せにつながりますように。, 小児アレルギー(特にアトピー性皮膚炎・食物アレルギー・気管支喘息)に関する最新英語論文情報を、日本語に要約して紹介するブログです。, こどものアトピー性皮膚炎に対するスキンケア をエビデンスから考える(第1回/全3回), 「小児アレルギー科医の備忘録」管理人。 © Shogakukan Inc. 2020 All rights reserved.