「逆イールドカーブ」と暗号資産

仮想通貨の最新トレンド

「逆イールドカーブ」が発生し、アメリカ経済の先行きに黄色信号が灯ったとされている。

    *イールドカーブとは・・・
    償還期間が、1ヶ月から30年までの債券の利回りなどの変化を表すもの。

短期利回り(金利):
政策金利の動向を反映

長期利回り(金利):
実体経済のファンダメンタルズ市場の心理を反映

と考えられている。

利回り(金利)の性質上、長期になると、回収のリスクが高くなるため、

短期 < 長期

という関係にある。

そのため、

縦軸:利回り(金利)
横軸:期間

でグラフにすると、右肩上がりの曲線カーブになる。

それが、
ここにきて、市場が将来の景気後退を予測し、長期利回り(金利)が下がったことで、

短期 > 長期

となり、

グラフが、右肩下がりの曲線カーブ=「逆イールドカーブ」となった。

短期の利回り(金利)が、長期の利回り(金利)を上回ると・・・

銀行は、短期金利と長期金利の利ざやが取れないため、貸出を渋るようになり、
企業や個人は、資金調達コストが高くなることから。

企業は、投資を減らし、ストップし、
個人は、投資、消費を減らし、ストップすることになり、

お金が使われず、回らなくなり、経済の失速につながる。

債券の利回りが、

3ヶ月 > 10年

となったのは、2007年以来の、12年ぶり。

「逆イールドカーブ」になると、12ヶ月から24ヶ月ほどで、景気後退が始まるとされている。

2008年9月15日のリーマン・ブラザーズの経営破綻が発端となり、リーマンショックが起こったことで、「逆イールドカーブ」の発生は、景気後退の先行指標になると考えられている。

ダウ平均株価の推移を見ると、2008年のリーマンショック以降では、最も上値が重たい展開になっている。

2018年1月26日に、26,000米ドル台を記録。

そこから調整が入り、9月14日に再び、26,000米ドル台に復帰。

12月21日にかけて再び調整が入り、22,000米ドル台まで下落。

その後、上昇し、2019年3月に入ってから、再び、26,000米ドル台に復帰している。

リーマンショック以降。

2015年後半から、2016年前半に調整はあったものの、ほぼ右肩上がりで推移してきた10年。

そんな中で発生した「逆イールドカーブ」

いつまでも上がり続ける株価というのはないので、株式・債券投資家たちが、シートベルトをギュッと締めるタイミングが訪れるかもしれない。

日本での暗号資産に対する規制

金融庁は、2019年3月15日に、「資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」を発表

・利用者保護の確保、ルールの明確化のため制度整備
・名称を、「仮想通貨」から「暗号資産」に変更
・広告、勧誘規制の整備
・カストディ業者に対して、
 本人確認、分別管理義務などの規制を適用
・風説の流布、価格操作等の不正行為を禁止
・交換業倒産時に、
 顧客資産を優先的に変換する規定を整備
・FXと同様に、金商法上の規制を整備
・ICOへの対応の明確化
・金商法違反時の電子保管データの差し押さえ可

などが盛り込まれている。

これに先立って、大手取引所bitFlyerは、ビットコインのレバレッジ取引であるbitFlyer Lightningにおいて、

最大レバレッジを

15倍 → 4倍

へ引き下げることを発表。

2019年4月22日以降、証拠金の評価額の4倍以上の新規注文は、出せなくなる。

暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)の業界団体である日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)では、

2018年7月に、「証拠金取引に関する規則・ガイドライン」を発表していて。

それに従う形での最大レバレッジの引き下げになる。

日本では、新聞や雑誌、TVなどで、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)が取り上げられる頻度が少なくなり、取引所のTVCMなども流れなくなってしまい。

かつて、ビットコイン(BTC)の通貨別出来高で、約60%を占めていたものが、2019年3月末時点では、わずか1.5%まで減少。
(*テザーUSDの発行量増大などで、環境は同じとは言えないが。)

2019-03-26-19-27-36

日本における暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)熱は、完全に冷めた状態となっている。

暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)の価格が、高値を更新するためには、各国・地域で、制度・規制が整うだけではなく、日本市場が再び熱を取り戻して、日本円が流入してくる必要があると言える。

ビットコイン(BTC)の値動きの傾向

2018年後半から、ビットコイン(BTC)の値動きは、レンジを形成するケースが増えている。

1)
2018年8月上旬から11月上旬まで(約100日間)
5,800米ドル から 7,400米ドルの間(約26.5%の値動き)

2)
2018年12月末から2019年3月末現在まで
3,100米ドル から 4,200米ドルの間(約26.5%の値動き)

価格の波が少なくなり、大きく動くのに、より長い時間が必要となっている。

これまの価格推移を見ても、約100日間で、高値と安値が、約30%ほどで推移しているケースは多くない。

・2012年2月中旬から6月上旬まで(約110日・約24%)
・2015年2月から7月上旬まで(約160日・約30%)
・2015年12月から2016年5月末まで(約170日・約26%)

といったところ。

では、その後、値動きはどうなっているのか?を確認してみると・・・

・2012年2月中旬から6月上旬まで(約110日・約24%)
→ 大きく上昇

・2015年2月から7月上旬まで(約160日・約30%)
→ 上昇 → 下落 → 大きく上昇

・2015年12月から2016年5月末まで(約170日・約26%)
→ 大きく上昇

2019-03-26-22-35-30
2019-03-26-22-35-50
2019-03-26-22-36-02

どれも大きな上昇を伴っている。

けれども、
1)
2018年8月上旬から11月上旬まで(約100日間)

その後は、約30日間に渡って、約46%の下落に見舞われている。

暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)の現在の市況からすると・・・

2017年年末最高値を折り返しとして、反転していると考えられるので、

2)
2018年12月末から2019年3月末現在まで

は、2012年や2015年の通りではなく、2018年のパターンになる可能性のほうが高いのではないだろうか?

仮に、ヨコヨコの期間が過ぎ、約50%の下落になると、1BTC=約1,500米ドルということになる。

なお、毎年3月から4月末のビットコイン(BTC)の値動きはどうなっているか?

    2012年:ヨコヨコ
    2013年:3月上昇、4月中旬大きく下落、その後戻す
    2014年:3月下落、4月中旬から上昇
    2015年:3月下落、4月反発、さらに下落
    2016年:3月ヨコヨコ、4月下旬上昇
    2017年:3月下落、4月上昇
    2018年:3月下落、4月上昇

2015年を除いて、4月は上昇している。

また、以前には、経済危機が到来すると、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)が買われるというお話があったが・・・

2018年4月14日付けのBitMEXのレポートで、

ビットコインの価格相関性:S&P 500 に対し過去最高レベルに

とされているので、アメリカの景気後退により、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)価格も、下落していく可能性がある。

まとめると、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)について、

・規制により資金は、流入<流出
・約100日間のヨコヨコ後は、価格上昇
 (しかし、2018年からは反転しているのでは・・・)
・例年4月は、価格上昇傾向にあり
・景気後退で、価格下落の可能性あり

数ヶ月で見ると、上昇する可能性はあるものの、年単位で見ると、下落するのではないか?ということになる。

    ビットコイン(BTC)の価格とアルトコインの価格の関係は・・・

    ビットコイン:アルトコイン
    上昇  : 上昇 or 大きく上昇
    ヨコヨコ: ヨコヨコ or 上昇 or 大きく上昇
    下落  : 下落 or 大きく下落

大半のアルトコインは、ビットコイン(BTC)の値動きに影響を受けるので、今後の動きの可能性を知るのは、意味があること。

あくまで、これまでのチャート等を見て、想定したお話ではあるものの、可能性として頭の隅に置いておくと、大きな値動きがあった時に対処できるだろう。

追伸

「逆イールドカーブ」により露呈した雲行きが怪しいこれからの経済環境。

いかなり環境が到来しようとも、自分の資産は、自分でのみしか守り、増やせない。

他人の情報を鵜呑みにしたり、他人に任せっきりにしていると・・・

大きな変化によって生じた波に、さらわれてしまいかねない。

日本は、安全で、便利で、快適で、環境が整った国。

けれども、お金に対して、積極的に学習したり、語る機会は少ない。

自分で学習し、考える時間を持たなければ、なんとなくの社会の慣習に流されて、大切な資産を浪費してしまうことも。

大きな動きがあってから、学習し、考えても、もう遅い。

何かしらの兆候を感じ取ったなら、早い段階で、いつ大きな動きがあっても良いように、自分の考えを明確にしておく必要がある。

日本国内だけではなく、海外の視点を取り入れて、総合的に自分の資産を、どのように守るか?増やすか?を考えることが求められる。

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