出国税とマイナンバー制でがちがちに

アーカイブ

個人富裕層が自国を出国し、非居住者となる際に、保有する資産(株式など)の含み益に課税する制度=出国税の導入が日本で検討されています。

出国税は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、オランダ、カナダ、オーストリア、フィンランド、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、ニュージーランド、オーストラリアなどの国で導入されています。

各国により違いはありますが、例えば、

アメリカの場合は、国籍離脱・永住権放棄時に有する資産一般の未実現のキャピタルゲイン

ドイツ・カナダの場合は、出国時に有する資産一般の未実現のキャピタルゲイン

が課税対象となっています。

日本のキャピタルゲインについての規定

日本の場合は、租税条約で、株式等のキャピタルゲインについて株式等を売却した者が居住している国・地域に課税権があるとされています。

つまり、含み益を抱えた状態=利益を確定しない状態で、キャピタルゲイン非課税の国に渡航し、その後に売却することで、税負担をなくすことが可能です。

キャピタルゲイン非課税国の1996年と2012年における永住権が認められている日本人の数を比較すると、

    ニュージーランド:2,517人→8,444人
    スイス     :2,375人→4,719人
    香港      :1,017人→2,151人
    シンガポル   :813人→1,852人

    と16年で2倍以上になっています。

(財務省の資料より)

 

マイナンバー制の導入

マイナンバーは、社会保障と税についての共通番号で、各国民に割り当てされ、平成27年10月(2015年)に住民登録されている住所に12桁の番号が書かれた通知カードが郵送されてくる予定となっています。

制度の目的は、

1)所得・行政サービスの受給状況の把握
2)行政手続きの簡素化され、利便性が向上
3)情報照合、転記などの行政効率化

とされていますが、マイナンバーを、2018年から銀行の預金口座と結びつける方針で、所得の把握だけではなく、金融資産の元本捕捉ができるようになります。

・海外へ移住する場合には、出国税
・国内に居住する場合には、マイナンバー制

で、全ての資産を捕捉し、徴税対象とすることが可能となります。払うものはしっかりと支払い、その上で資産を運用するという考えがますます必要となる時代が待ち構えています。

 

photo credit: dfirecop via photopin cc

タイトルとURLをコピーしました