ただ、患者さんによって病状は異なりますので、必ず主治医の先生と相談しましょう。, 血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなった“高血糖状態”が続く糖尿病を長く患っていると、全身の血管だけでなく腎臓もダメージを受けてしまいます。糖尿病が10年近く続くと、尿の中に普段は出てこないアルブミンが混じってしまうことがあります。アルブミンは血液中にあるたんぱく質の主成分で、これが尿に漏れ出すとたんぱく尿となります。初めはアルブミンもごく微量な濃度で出ているので特殊な検査で調べます。しかし、微量のまま長く放置しているとアルブミンの量が増えて、そのうち普通のたんぱく尿になります。それ以降はたんぱく尿が短期間に増加し、大量のアルブミンが尿の中に失われるために血液中のアルブミンが不足することになります。むくみや息切れなどの自覚症状が出るようになります。たんぱく尿が大量に出ると、腎機能も低下し、初めて血清クレアチニンが高くなります。この状態を糖尿病性腎症といいます。 (監修)山田 幸宏/2016年2月刊行/
〔第Ⅱ期〕代償性腎不全期, ○ 治療 腎臓には、①身体に不要な老廃物(窒素代謝産物など)を排泄する、②水と電解質の量を一定に保つ、③酸塩基平衡を保つ、④ホルモンを分泌する、⑤ビタミンDを活性化する、という働きがあります。腎不全では、これらの働きが障害されます。, 腎不全には、腎臓の機能が急激に低下する急性腎不全(急性腎障害)と、徐々に腎機能が低下する慢性腎不全があります。一般的に、急性腎不全は予後は良好ですが、慢性腎不全は予後不良です。, 急性腎不全(急性腎障害)の原因は、原因の存在部位により、①腎前性、②腎性、③腎後性、の3つに分けられます(図1)。, 血液が腎動脈を経て糸球体に流入するまでに起こる障害です。血液は腎臓の糸球体で濾過され、ボウマン嚢(のう)を経て尿細管に入り、生体に必要な水と成分が再吸収され、残りが尿として排泄されます。出血や脱水、著しい心機能の低下により、腎臓への血流量が低下すると、十分な尿が生成されません。, 腎臓そのものの原因で、糸球体の障害と尿細管の障害があります。糸球体の障害とは、糸球体毛細血管の基底膜や内皮細胞の障害です。これらの障害により血液が濾過されにくくなり、糸球体濾過量が低下します。尿細管の障害とは、尿細管の変性、壊死、閉塞などです。尿細管が変性・壊死すると、生体に不要な水・電解質、窒素代謝産物を再吸収してしまいます。また、尿細管が完全に閉塞した場合は、糸球体濾過液がボウマン嚢を通過できなくなり、糸球体濾過量が低下します。, 腎盂以下の尿路の原因で、尿路結石、膀胱・尿道の閉塞などがあります。尿路が閉塞されると、腎臓で生成された尿が流れなくなり、糸球体での血液の濾過が滞るようになります。, 慢性腎不全の原因は、腎性です。原因疾患で最も多いのは、糖尿病性腎症、次いで慢性糸球体腎炎です。, 急性腎不全(急性腎障害)は、ほんんどの場合、尿量の減少(乏尿あるいは無尿)が数週間続きます。そのため、本来なら尿中に排泄される窒素化合物(尿素、尿酸、クレアチニンなど)、電解質、水分が血中に貯留します。その結果、高窒素血症、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、浮腫、高血圧が出現します。, 代謝性アシドーシスとは、血液のpH(水素イオン濃度)が酸性(pH<7.40)に傾いた状態のことです。水素イオンの排泄低下と、重炭酸イオンの再吸収低下により起こります。, 腎臓では、赤血球造血作用があるエリスロポエチンを分泌していますが、腎機能が低下すると、エリスロポエチンの分泌量が減少するため、貧血になります。, 急性腎不全(急性腎障害)は適切な治療を行えば、多くの場合は腎機能は回復します。ところが悪化すると、尿毒症の症状が出現します。, 腎臓には1分間に約1,200mLの血液が流れ込んでくる。この血液が、糸球体と尿細管を経て尿になる。その過程は以下の通りである(図2)。, 1つの腎臓には、約100万個のネフロンという最小機能単位がある。ネフロンは腎小体(マルピーギ小体;ボウマン嚢と糸球体)と尿細管からなる。糸球体は毛細血管が毛糸玉のように集まったもので、毛細血管壁が濾過フィルタになっている。, 糸球体に流入した血液は、糸球体毛細血管を流れる間に特定の物質が濾過される。この濾過液が、尿のもとになる原尿である。原尿に含まれる物質(毛細血管壁を通過する物質)は①水分、②栄養素(ブドウ糖、アミノ酸)、③電解質、④タンパク質の代謝産物である窒素化合物(尿素、尿酸、クレアチニン)、⑤有機酸(リン酸、硫酸)である。一方、通過しない物質は、血球、タンパク質、脂肪などの大きな分子の物質と、マイナスに荷電したの物質である。, 原尿は、ボウマン嚢に集められ、近位尿細管へ流出する。原尿の中には、身体に不要な物質だけではなく、必要な物質(水分、栄養素、電解質)も多く含まれており、尿細管を通過する間に、それらの体に必要な物質が血液に再吸収される。, 尿細管を通過した結果、栄養素はほぼ100%、水分は約99%再吸収され、残り1%の水分と不要な物質(尿素、尿酸、クレアチニンなど)が尿として排泄される。原尿は1日に150〜180L生成され、尿として排泄されるのは1.5〜1.8L(原尿の1%)である。, 体液のpH(水素イオン濃度)は、正常では7.40と弱酸性である。7.40より酸性に傾くことをアシドーシス、アルカリ性に傾くことをアルカローシスという。どちらも、代謝上の問題によって起こるものと、呼吸性の問題によって起こるものがあり、代謝性アシドーシス、呼吸性アシドーシスなど呼ぶ。アシドーシス:pH<7.40であり、アルカローシス:pH>7.40である。, 消化器症状(食欲不振、悪心・嘔吐)、循環・呼吸器症状(高血圧、心不全、不整脈、呼吸困難)、精神・神経症状(全身倦怠感、意識障害、けいれん)が、尿毒症の症状です。, 尿素窒素やクレアチニンなどの老廃物が排泄できなくなり、こられの全身症状が出現します。なお、最近は血清クレアチニン濃度を用いて推算糸球体濾過量が腎機能を表す指標として用いられています(表1)。, eGFR〔mL/min/1.73㎡〕=血清クレアチニン(mg/dL)-1.094×年齢-0.287 サイオ出版. 一方、慢性腎不全の看護では、 症状が進行して人工透析になるのを防ぐ、遅らせることを目的に、 塩分や水分の摂取制限、安静、食事内容の工夫など 《食事療法》, ・腎機能障害によってタンパク質由来の老廃物である尿素やクレアチニンなどをうまく排泄できなくなるため、タンパク質の制限を行う。, ・食塩は、高血圧と浮腫予防のために制限するため、血圧や浮腫の状態をみながら塩分量を決定する。, ・さまざまな制限が加わることによって、カルシウムや鉄、亜鉛、銅、ビタミンなどの不足に至る場合もあるので、食材や調理法の工夫をし、バランスを考えた食事が必要。, 《運動療法》 慢性腎不全は、腎機能の低下を遅らせるほかに治療がなく、保存的な治療が主になります。患者さんの慢性腎不全の状態を把握し、看護をしていくことが大切ですね。そのためにも、看護の観察ポイントをお伝えしたいと思います。 1日だけ高熱も出ました。 1回量と排尿回数による24時間排泄量の推測、24時間蓄尿、日中の尿量と夜間尿量の違い。, ・呼吸
慢性腎不全 上記の治療の他にも、 高血圧 や 貧血 など、さまざまな症状に対しての薬物治療が行われます。 腎不全の末期になると対症的な治療のみでは対応できず、人工透析や 腎移植 が必要となります。
(監修)山田 幸宏/2016年2月刊行/
森下記念病院では慢性腎臓病(ckd)・腎不全の保存期から終末期まで、腎臓病専門医として患者さんに寄り添う温かい医療を提供しています。このページでは慢性腎臓病(ckd)と腎不全について説明してい … !function(d,s,id){var js,fjs=d.getElementsByTagName(s)[0],p=/^http:/.test(d.location)? 糸球体腎炎とは、腎臓の糸球体に免疫メカニズムによる炎症が起こり、血尿などの症状が現れる病気の総称です。, 糸球体腎炎には様々な種類があります。他に病気がなく、腎臓だけが障害されている場合を原発性糸球体腎炎、膠原病などの病気に伴って起こる場合を続発性糸球体腎炎といいます。, 原発性糸球体腎炎は、急性糸球体腎炎と慢性糸球体腎炎があります。急性糸球体腎炎は短時間に発症するもの、慢性糸球体腎炎は、徐々に発症し、急性増悪を呈しながら進行するものです。急性糸球体腎炎は、成人もかかりますが小児に多く見られます。, 原因菌で最も多いのは、A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)です(表1)。そのほか、ブドウ球菌、肺炎双球菌、流行性耳下腺炎ウイルスなども原因になります。, 細菌やウイルスに感染すると、生体内で抗体が産生され、免疫複合体(抗原と抗体が結合した複合物)が形成されます。免疫複合体は糸球体の血管内皮細胞に沈着し、補体の活性化や様々な化学伝達物質の遊離が起こります。, 毛細血管が毛糸玉のように集まったもので、毛細血管壁は血液の濾過フィルタとなる。毛細血管壁は、内側から内皮細胞、基底膜、上皮細胞で構成されている(図1)。, 連鎖状に連なるグラム陽性球菌で、鼻咽頭、口腔、腸管などに常在する。血液寒天培地上で培養すると、完全な溶血で透明な輪ができる(β溶血)。また、連鎖球菌の分類ではA群に属する。化膿性連鎖球菌、A群溶連菌、溶連菌と呼ばれている。溶血毒、発熱毒素を産生する。, 慢性糸球体腎炎には、免疫複合体、血小板などの血液凝固系の異常、糸球体濾過の過剰などが関与しています。, 慢性糸球体腎炎には、①メサンギウム増殖性糸球体腎炎、②膜性腎症、③膜性増殖性糸球体腎炎があります。, ①メサンギウム増殖性糸球体腎炎:糸球体の毛細血管の間にあるメサンギウム細胞の増殖が起こります。さらに、メサンギウム領域に免疫グロブリンA(IgA)が沈着したものをIgA腎症といい、慢性糸球体腎炎の40〜50%を占めています。, ③膜性増殖性糸球体腎炎:毛細血管の基底膜内にメサンギウム細胞の増殖と免疫複合体の沈着が起こり、肥厚します。膜性腎症と膜性増殖性心球体腎炎は、糸球体毛細血管の選択的濾過が不十分になるため、ネフローゼ症候群を起こしやすくなります。, 糸球体のそれぞれの毛細血管は、毛細血管壁でつながっている。その間を埋めているのがメサンギウム基質である。メサンギウム基質の中のメサンギウム細胞は、毛細血管を固定し、糸球体濾過量を調節する役割を果たしている。(図1参照), 急性糸球体腎炎の特徴的な検査所見は、尿の異常(血尿、タンパク尿、尿量減少)、糸球体濾過量の低下、浮腫、高血圧などです。, 血尿は、肉眼でわかる肉眼的血尿として現れることもあります。タンパク尿はほとんどの場合に出現しますが、0.5〜1g/日程度で、ネフローゼ症候群のように多くありません。, 糸球体濾過量(GFR)は、クレアチニンクリアランス(Ccr)の値を用います。クリアランスとは、血漿中に存在するある物質が、1分間に糸球体から濾過される血漿の量を表しています。, 血漿中には様々な物質が存在していますが、その中のクレアチニンは、筋肉の代謝過程で生成されるタンパク質の代謝産物で、正常な状態では、糸球体で濾過されたあと、尿細管でほとんど再吸収されません。そのため、糸球体の濾過能力を見るのに適しているのです。, Ccrの基準値は、男性90〜120mL/分、女性80〜110mL/分です。すなわち、1分間に70〜130mLの血漿からクレアチニンが濾過されるということです。, 糸球体毛細血管壁は、血液の濾過フィルタの役割を果たしています。正常な状態では、タンパク質や血球は通過せず、水分、ブドウ糖、電解質、窒素化合物などは通過します。, 急性腎不全では、糸球体毛細血管が炎症を起こすため、内皮細胞の腫大・増殖、基底膜の肥厚(ひこう)、上皮細胞の足突起の融合、といった異常が生じます。, その結果、本来なら通過しないタンパク質や血球が通過し、タンパク尿、血尿が出現します。血尿は、毛細血管の断裂にもよります。また、本来なら通過する窒素化合物などが通過できなくなり、糸球体濾過量の低下や尿量が減少します。尿量の減少は、内皮細胞の腫大・増殖により毛細血管の内腔が狭くなり、血流量が減少することも原因です。, 浮腫、高血圧ともに、糸球体濾過量の低下により、体内にナトリウムと水分が貯留するために出現します。浮腫は、初期には顔面や眼瞼(がんけん)に出現することが多く見られます。, 慢性糸球体腎炎の特徴的な検査所見は、急性糸球体腎炎とほぼ同じで、血尿、タンパク尿、糸球体濾過値の低下、浮腫、高血圧などです。, それぞれの程度は、IgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎によって異なります(表2)。また、潜在期と進行期によっても異なります(表3), 急性糸球体腎炎の治療にあたっては、急性期は、腎血流量を増やし腎臓に負荷をかけないために、ベッド上安静となります。, 食事療法も重要で、十分なカロリーを摂取してもらう一方、塩分(ナトリウム)、水分、タンパク質が制限されます。カリウムも制限されることがあります。, 塩分と水分の制限は、浮腫や高血圧を改善するためです。タンパク質は、尿素窒素やクレアチニンなどの老廃物を生成するため、摂取を制限します。カリウムを制限するのは、高カリウム血症になると心筋に影響を及ぼし、不整脈になる危険性があるためです。, また先行している感染症には抗菌薬、浮腫には利尿薬、高血圧には降圧薬が与薬されます。おもな症状が改善されて腎機能が正常になれば、徐々に離床が進められ、食事制限も緩やかになります。, 急性糸球体腎炎、慢性糸球体腎炎を含む腎疾患の生活指導と食事指導は、日本腎臓学会の腎疾患患者の生活指導・食事療法に関するガイドラインに準じて行われることが多い。, 慢性糸球体腎炎では、病期や症状に応じて、生活指導、食事療法、薬物療法が行われます。, 生活面では、腎臓に負荷をかけないように、過激な運動は避けるよう指導します。食事療法では、塩分(ナトリウム)、水分、タンパク質、カリウムが制限されます。, 糸球体の病変が著明な場合は、糸球体の炎症を抑えるために、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬が使用されます。また、浮腫には利尿薬、高血圧には降圧薬が使用されます。, 急性糸球体腎炎患者への看護において、発症初期は、安静と保温が重要です。患者自身が安静と保温の必要性を理解できるように説明し、食事、排泄、洗面などがベッド上で行えるように援助します。, 慢性糸球体腎炎患者の看護においては、慢性的に経過するため、運動制限、食事制限、定期的な受診、服薬などが無理なく続けられるように援助することがポイントになります(表4)。, [出典]
慢性糸球体腎炎患者への看護のポイントは? 慢性糸球体腎炎患者の看護においては、慢性的に経過するため、運動制限、食事制限、定期的な受診、服薬などが無理なく続けられるように援助することがポイントになります(表4)。 ① 体液の工場制の崩れを最小限にして生命の危機を予防できる。
・ 浮腫 慢性腎臓病(CKD)は、chronic kidney diseaseの頭文字をとったもので、慢性に経過するすべての腎臓病を指します。尿や血液、腹部超音波やCTなど病院や健康診断で行う検査で腎臓の機能に異常が見られ、その状態が3カ月以上続いている場合に診断される病気です。世界でもトップレベルの長寿国となった日本ですが、その一方でCKDは増え続け、成人の8人に1人が該当するといわれています。さらにメタボリックシンドロームとの関連が深く、誰にでもかかる身近な病気になっています。ここではCKDがどんな病気なのか詳しくご説明します。, CKDは慢性に経過する全ての腎臓病のことです。日本国内の患者数は1,330万人と推測され、新たな国民病とまで言われています。糖尿病や高血圧などの生活習慣病や慢性腎炎、加齢などさまざまな原因で腎臓の機能が低下してしまった状態がCKDです。例えば糖尿病になると、腎臓の中の血流バランスが崩れ、繊細な糸球体に過度な圧力がかかり、ダメージを受けます。尿にタンパク質が混じるようになり、この状態が長く続くと、糸球体が少しずつ壊れていき、十分に尿をつくることができなくなってしまいます。その結果、余分な水分や塩分、老廃物が体内に蓄積されてしまうのです。, 腎臓の働きを判断するのに利用する代表的な数値が、血清クレアチニン値で、血液中のたんぱく質の濃度で調べます。数値の高い人は腎機能が低下していると考えられます。もう一つはeGFR(推算糸球体ろ過量)という指標で、腎臓が1分間にどの程度、尿のもとを作ることができるかが分かります。これは数値が低い人ほど腎機能が低下しています。この2つの指標と尿中のたんぱく質から腎臓の状態を評価します。つまり、血清クレアチニン値が高いほど、またeGFRが低いほど、腎臓の働きが低いと診断されるのです。健康な人なら100ml/分/1.73m2 なので、eGFRが60だと、腎臓機能は健康な人の約60%に低下していると考えられます。, 直近で受けた健康診断や人間ドックで検査結果があれば、ご自分のeGFRとたんぱく尿の数値を基に、どの枠に当てはまるのかを調べてみてください。よく分からない場合は、健診を受けた機関や病院の医師に相談してみましょう。, ⇒進行するにつれ、夜間の尿が増えたり、疲労感、貧血、むくんだりする症状が出てきます, CKDの初期には自覚症状が全くないことがほとんどです。それが患者を増加させている原因とも指摘されています。腎臓は一定のレベルまで悪くなってしまうと、自然に治ることはありません。自覚症状がないだけに知らないうちにどんどん進行してしまうのです。 進行すると現れる症状としては、夜間の尿が増えたり、立ちくらみや貧血を起こしたり、手足のむくみや疲労感、息切れなどがあります。ただ、こうした症状を自覚するようなら、すでにCKDがかなり進行して重度腎不全になっている可能性が考えられます。, 症状がないからといって診察や治療を受けなかったり、生活習慣を改めなかったりすると、気付かないうちに腎臓の状態が悪化することがあります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかっていると、CKDを発症する可能性が高まるといわれています。そのため生活習慣病の原因となる肥満や喫煙、過度の飲酒、ストレスなどにも注意が必要です。また、腎臓は加齢とともに機能も低下しまうので、高齢者ほどCKDを発症する確率が高くなります。, 高血圧が長い期間続くと、腎臓の中の血管が固まって細くなり、腎臓機能が低下する病気に「腎硬化症」があります。尿検査で異常がなかった高齢者で、ほかの理由で血液検査を受けた際に血清クレアチニンの値から見つかることがあります。腎硬化症からくるCKDの患者さんはゆっくりと腎機能が低下するのが一般的で、血圧が下がり過ぎたり、脱水、腎臓の血流を悪くしたりする薬の影響で、急に低下することがあるので注意しなければなりません。高血圧は高コレステロール血症や糖尿病など、動脈硬化を引き起こす生活習慣病を予防することが重要になります。血圧を下げる目安は高血圧のあるCKDの患者さんで、下記の通りです。
たんぱく尿が出ている場合、130/80mmHg未満 原因疾患:糖尿病性腎症が最も多く(約41%)、ついで慢性糸球体腎炎、腎硬化症、多発性嚢胞腎、慢性腎盂腎炎などが多い。ループス腎炎、痛風腎などもみとめる。 ・ 薬剤についてのコンプライアンス(服薬遵守)を高めていく必要がある。, 《看護問題》
・運動することにより、糸球体の濾過量が減少する。さらに、エネルギーの消耗を抑え、体タンパクの分解を抑えることが必要であるため、安静や活動制限が勧められる。 病期によって異なる。食事制限や、運動制限、薬物療法、透析療法、腎移植が主な治療法である。 たんぱく尿が出ていない場合、140/90mmHg未満、 慢性糸球体腎炎患者への看護のポイントは? 慢性糸球体腎炎患者の看護においては、慢性的に経過するため、運動制限、食事制限、定期的な受診、服薬などが無理なく続けられるように援助することがポイントになります(表4)。 ・ 血圧のコントロールのための薬剤、浮腫のコントロールのための薬剤、電解質異常に対する薬剤、貧血治療薬、さまざまな症状をコントロールするための薬剤と、非常に多くの薬剤を使用し、病期が進むに従って種類が多くなる。 All Rights Reserved.