暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)をやりとりする上で、現状欠かせない存在が取引所です。
取引所のアカウントを作成して、ウォレットに送り、残高に反映されたら、取引が可能になります。
秘密鍵を含む全ての管理を取引所に任せることになるので、取引所がハッキングなどをされると、返ってこない可能性があります。
DEX(Decentralized Exchange)という、分散型取引所では、秘密鍵を自分で管理する形で取引ができます。
ただ、DEXはまだ普及段階であり、取引量が多くないことから、取引手数料が高いケースがあります。
(*OTC(Over the counter)というサービスがありますが、取引量が20BTC以上など、大口での取引で、持ち逃げされるリスクというのも、サービスによっては、存在しています。)
そんな中で、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)の取引革命とされているのが、アトミックスワップ(Atomic Swap)です。
アトミックスワップ(Atomic Swap)
アトミックスワップ(Atomic Swap)は、取引所など第三者を介することなく、当事者同士で、異なるブロックチェーン上の暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)のやりとり・交換ができるものです。
Aさん:ビットコイン、Bさん:ライトコインをそれぞれ交換するというケースでは・・・
Aさん:ビットコインをマルチシグアドレス1へ送る
Bさん:ライトコインをマルチシグアドレス2へ送る
Aさん:マルチシグアドレス2を開き、ライトコインを手に入れる
Bさん:マルチシグアドレス1を開き、ビットコインを手に入れる
マルチシグアドレスは・・・
2つ以上の公開鍵が登録されていて、対応する一部もしくは全部の秘密鍵の署名により、取引が成立するアドレスのこと。
アトミックスワップ(Atomic Swap)では、マルチシグアドレスを開くために、特定のハッシュ関数の入力と署名が必要になります。
お互いにハッシュ関数が同じものを使っている必要があるので、全ての暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)で可能にはなりません。
この仕組みは、HTLC(Hashed Time Lock Contract)と呼ばれていて、特定のハッシュ関数の入力がなかったり、決まった時間内に取引が成立しないと、元の持ち主に暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)が戻るようになっています。
取引所など第三者の介入なしに、不正取引のリスクを取ることなく、取引できてしまいます。
ただ、2019年2月時点での問題点としては、限られた暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)のみで利用でき、さらにオンチェーンでの取引となるため、処理に時間と手数料がかかることといった点になります。
ビットコイン(BTC)、ライトコイン(LTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、クオンタム(QTUM)、モナコイン(MONA)、バージ(XVG)、ヴァートコイン(VTC)、ヴィアコイン(VIA)、ディークレッド(DCR)で利用可能であり、コモド(KMD)、ブロックネット(BLOCK)でもアトミックスワップ(Atomic Swap)を使用するプロジェクトがあります。
より多くの人に、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)が普及していくと、アトミックスワップ(Atomic Swap)の需要も大きくなっていくことが予想されます。