金融取引での手数料とリスクを削減するために、仮想通貨を用いて、顧客と販売店の間での「価値交換」行うシステムとして、カナダ造幣局(Royal Canadian Mint)によって、2012年から進められていたプロジェクト。
2016年1月12日に、nanoPayを運営しているLoyalty Pays Holdingsへ売却されたと発表があった。
ミントチップ(MintChip)とは?
各国の法定通貨を仮想通貨に変換するツールで、仲介組織なしに、オンラインでもオフラインでも、当事者間で即座に金融取引ができるという特徴がある。
カナダ造幣局(Royal Canadian Mint)が関わっていたので、マネー・ロンダリング防止(AML)ノウ・ユア・カスタマー(KYC)などのコンプライアンスを遵守する形になっていた。
ミントチップ(MintChip)とビットコイン(Bitcoin)との違いは?というと、
・政府関連組織によって作られた唯一の仮想通貨プラットフォームである
・暗号で守られた”Secure Asset Store”により構築されている
・特許技術であるオフラインでの機能によって保護されている
・詐欺など異常を検出できるように組み立てられている
・将来的に暗号機能をアップグレードできるようになっている
という点が挙げられる。
最初の仮想通貨だからこそ、欠点があると言われているビットコイン(Bitcoin)。その欠点を補いながら、政府組織により開発されたということで、注目を集めていた。
各国政府による規制に伴って、ビットコイン(Bitcoin)の流通量と価格が下落すると、ミントチップ(MintChip)の開発も失速していくこととなり、開発に着手してわずか2年で資産が売りに出されてしまっていた。
今回、Loyalty Pays Holdingsへ売却されたことで、商用化ステージに進めるとされている。
1カナダドル=1ミントチップ(MintChip)とされており、ミントチップ(MintChip)をやり取りするためには、ミントチップ(MintChip)アカウントが必要となる。
ミントチップ(MintChip)とアップルペイ(Apple Pay)の違い
ミントチップ(MintChip)は、仮想通貨アップルペイ(Apple Pay)は、アプリケーション
という違いがある。
アップルペイ(Apple Pay)アップルの端末から、クレジットカード・デビットカード・ギフトカードなどの情報を利用し、商品を店舗から購入できるアプリケーションになる。
2013年10月に、ビットコインのATMロボコイン(Robocoin)が世界で初めて設置されたのが、カナダのバンクーバーだった。
ちなみにカナダでは、マネー・ロンダリング防止法、対テロ資金法の下で規制されているものの、仮想通貨が認められており、ビットコインの収入は、カナダドルに換算されて、課税対象となる。2015年に入り、上院議員からなにかしらの規制が必要であるという発言が出ている。
ナノペイ(nanoPay)とは?
nanoPayは、支払いを合理化させるためのプラットフォームで、摩擦のない=”Frictionless”ショッピングの機会を提供している。
具体的には、
・アプリやウェブサイトに利用することで、領収書を送ったり、クーポンを発行が可能になる
・顧客データや支払い情報を含め、1つのトークンで管理されるので、ワンタッチでの支払いが可能になる
・顧客の購入データと顧客情報の全てを知ることができる
という特徴がある。
アップルペイ(Apple Pay)に似ている部分があるが、ミントチップ(MintChip)を買収したことで、ナノペイ(nanoPay)に安全な支払いのための技術が導入されることに。
5つの仮想通貨に関する特許を持ったナノペイ(nanoPay)アプリが近日中に公開予定で、ミントチップ(MintChip)ユーザーは、自身の銀行口座からナノペイ(nanoPay)アプリに送金が可能となり、アプリが入ったスマートフォンをタップするだけで、店舗で支払いが可能となる。リリース当初は、カナダドルだけに対応し、順次対応通貨の種類は増えていく予定となっている。