リップル(Ripple/XRP)のトレンドと今後の動向に関する考察

仮想通貨の基礎知識

リップル(Ripple/XRP)とビットコイン(Bitcoin)が同じだと思っているメンバーがいるかもしれません。

今、友人に説明すると、「結局、ビットコインでいいのではないか?」と引っかかる人が多いです。

たしかに、仮想通貨に取り組むにあたり、取引量の多さ、使い勝手などからすると、最初に手にするのは、ビットコインが間違いないです。

そこで、なぜリップルが注目されているのか?購入する上で知っておかなければならない注意点を含めお伝えします。

なぜ、リップルに注目しているか

リップルは、今世の中に生まれている1,000種類以上の仮想通貨とは別物です。

リップル(Ripple)とは・・・Ripple Labs Inc(リップル・ラボ)が提供する決済ネットワーク
リップルのXRPとは・・・Ripple Labs Inc(リップル・ラボ)が発行している暗号通貨で、リップル社が提供している決済の仕組み上で使われる通貨

リップル(Ripple)は、お金をこっちに行ったり、ここからここへ為替を変えたり、取引を円滑に行うための、世界で一番優秀な決済ネットワークです、銀行が次々と採用を表明しています。

リップルのXRPというのは、例えば日本円から米ドル、米ドルからユーロに両替する時に、リップルを通過するために、一瞬だけXRPになるという「ブリッジ通貨」の位置づけです。

リップルネットワークの「ブリッジ通貨」として作られたXRPは、利用するたびに、消滅する仕組みとなっているので、基本的には価格の変動がないとされています。

銀行がリップル(Ripple)ネットワークへの参加を続々決めているので、すぐにリップル(Ripple)が消滅する可能性は低いと考えられます。

Rippel Labs社CEOのクリスラーセン(Chris Larsen)氏は、

「今後Rippleネットワークが決済手段として普及する中で、暗号通貨XRPは、長期的に同社に素晴らしい価値をもたらしてくれる」

と述べています。

ちなみに、2017年1月になり、クリスラーセン(Chris Larsen)氏は、HSBCの技術諮問委員会に参加することになりました。

リップルコインという表現が用いられる場合がありますが、それは、XRPを指しているものと考えられます。

リップルの仕組みを簡単に説明

リップルの仕組みを簡単に説明しておくと、

・Ripple Labs Inc(リップル・ラボ)という開発・運営元があること

・借用書、預かり証をやりとりすること

の2点です。

ビットコインの場合は、運営元がなく、P2Pとブロックチェーンの技術によって支えられており、やりとりの度に、全てが記録されていく形です。

たとえば、10ビットコイン(BTC)をAさん→Bさん→Cさんに送った場合は、AさんからBさんへ10BTC、BさんからCさんへ10BTCという形で記録されます。

一方リップルは、電子化した借用書(IOU= I owe you)の形でやりとりされるので、Aさん→Bさん→Cさんに送る場合でも、実際に移動するのは、AさんからCさんだけで問題ないよね。AさんからBさん、BさんからCさんは省略できるよね。という発想になり、IOUの数字だけを動かす形になっています。

そのため、短時間で低い手数料でのやりとりができます。また、取引の際に使用されるリップル内での仮想通貨であるXRPは、取引の都度、破棄される仕組みなので、2重使用の問題がなく、取引承認の時間が極めて短い。また、通貨、金、仮想通貨などどんな通貨、資産でも送ることが可能となっていることも特徴の1つです。

リップル(XRP)を購入するには?

Rippleの公式サイトで、XRPの購入先として紹介されているのが、大手取引所の「BitStamp」「GateHub」「Kraken」です。取引所でアカウントを作成して、入金した後に、購入できるようになります。BitstampでのXRP購入方法は、下記サイトで詳しく紹介されています。

リップルを購入する際に、必ず知っておかなければいけないこと

リップルを購入したあと、換金できない可能性があることは知っておかなければなりません。

リップルは、どういった経路で購入されているか?というのが追うことができます。

リップルには、公式と非公式のものがある。リップルを展開する人・組織を「Gateway」と呼び、その「Gataway」がRipple Labs Incに発行する借用書を供託している場合は、公式とされています。

その他のものは全て非公式であり、借用書としての価値を持たずに、現金化できない可能性を含んでいるのです。

Gatewayの信用がある状態だと、売却することが可能になりますが、Gatewayに信用がない場合には、取引拒否される可能性があり、また、Gatwayが破綻してしまったら、そのRippleは無価値になってしまいます。

価格と取引量を目安にGatewayを選択して、リップルを購入するのは良いけれど、出口をしっかりと見据えておく必要があります。

リップルを取り巻く議論

リップルとXRPについては、様々な議論がされています。その論点を少し挙げてみると・・・

・リップルのシステム自体には、価値があるが、XRPは別物で、価格が上がるかはわからない。
・リップル社が、XRPを全て発行しているので、中央集権組織が存在している。
・銀行がリップルのシステムを導入しても、XRPは使われない。
・リップル社のシステムがすごいと考えるなら、XRPではなく、リップ社株式を買うべき

銀行がリップルネットワークに参加しているということは、ビットコインなどの仮想通貨が既存の銀行ネットワークを使わず取引できるという点で大きく異なります。

こういった議論に対して、リップルが公式サイトで6つの迷信に対してのアンサーを掲載しています。

6つの迷信は、

1)迷信1:
Ripple Consensus Ledgerは中央集権型または許可制の台帳である。
2)迷信2:
Ripple社はXRPの総供給量を1000億以上に増やすことができる。
3)迷信3:
RippleがXRPの価格をコントロールしている。
4)迷信4:
銀行はXRPを使わない。
5)迷信5:
流動性提供者がXRPを使うのはリスキーである。
6)迷信6:
XRPの価値はRipple社の会社としての価値に反比例する。Ripple社のプロダクトが銀行に採用されることは、XRPのデジタル資産としての成功には無関係である。

XPRに対する6つの迷信」。

この辺りの議論は、リップルと他の仮想通貨の特徴を比較・検討して、どのように考えるかは、投資スタンスを含めた自分次第です。

アメリカSECによるICOのチェック

ICO=Initial Coin Offeringによって、新しいプロジェクトと仮想通貨/暗号通貨が生み出されています。

ICO=Initial Coin Offeringは、企業がプロジェクトの全貌を組み立てて、ホワイトペーパーと呼ばれるプロジェクトの設計図・目論見書を公開し、投資家から資金を募る手法です。

投資するメリットは、ICOで手にするプロジェクト内で使われるとされる仮想通貨/暗号通貨の価格上昇益です。

これは、株式市場でのIPO=Initial Public Offeringと同じ性質を持っています。

IPOでは、特定の証券取引所に自社の株式を公開し、販売することで、投資家から資金を集める形です。投資家は、株式の価格上昇益と株主優待を期待して購入・保有することになります。

けれども、ICOとIPOには決定的に違う点があります。

それは、ICOは、現時点で基準が全く規定されていないことです。

IPOの場合は、上場する証券取引所によって上場のための基準が儲けられていて、会計事務所を通じて、会社の経営状況などを精査し、上場を申請することになるため、どんな会社でもIPOはできません。

一方で、ICOは、上場する仮想通貨/暗号通貨取引所が決定しておらず、また仮想通貨/暗号通貨取引所での上場基準がなく、言ってしまえば、誰でもホワイトペーパーを作成すれば、オファーできてしまいます。

ICOを実施して資金を集めた企業の中には、プロジェクトの立ち上げが当初の計画よりも大幅に遅れてしまったり、集めた資金で社員が旅行に行ってしまったり、運営が上手くいかずに頓挫してしまったケースが出ています。

こういった現状を危惧してか、アメリカの市場監査機関であるSEC(Securities and Exchange Commission)は、ICOの精査に乗り出しました。

SECの結論とリップル(Ripple/XRP)のスタンス

DAOトークンは有価証券であり、「適用される証券法を遵守せずに株式を公開することによって法を破った。」と結論付けている。

これによって、現在多くのICOが実施されているイーサリアム(ETH)は、厳しい環境を迎える可能性がある。

Rippleについては、イングランド銀行やサンタンデール、スタンダードチャータードのような主要なグローバル銀行を含む多くの金融機関と提携している。

さらに、Ripple社の規制関係担当ディレクターであるRyan Zagoneは、アメリカでの支払い改善のための行動計画である”Federal Reserve’s Faster Payments Task Force”のタスクフォース運営委員会に参加している。

国境を越えた支払いの摩擦とコストを削減し、規制当局や金融機関と積極的に提携する技術の開発に注力することにより、Rippleは、市場の安定性の源泉となり、価値の交換方法を変える可能性がある。 SECの発表は、進化の重要な一歩になる。

Rippleの公式ブログの記事から抜粋

リップル(Ripple/XRP)は、他の仮想通貨/暗号通貨とは異なり、運営元が銀行や規制当局と協力する体制が整っているので、この点は大きなメリットであると言えます。

XRPで退職後の資金を構築するサービス

仮想通貨/暗号通貨をメインに、退職後の資金を作るサービスを提供している「BitcoinIRA」という企業があります。

*IRAとは、Individual Retirement Account (IRA) の略で、個人退職口座の意味。

「BitcoinIRA」は、リップル(XRP)について、「支払いのための最高のデジタル資産」とし、「時価総額による最大のデジタル資産の1つ」と述べています。

現在は、ポートフォリオを、リップルの他に、ビットコイン、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、イーサリアム・クラッシック(ETC)、ライトコイン(LTC)で組めます。

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このサービスが提供されているという点から、今後も、XRPが生き残っていき、資産を形成していく上で、1つの選択肢になることが読み取れます。

2017年12月XRP半年の眠りから覚醒!ATH(ALL TIME HIGH)

ついに、XRPの価格上昇のビックウェーブが到来。

12月12日からジワジワと価格が上昇してきて、14日には、1XRP=0.88米ドルを記録!1XRP=0.25米ドル付近からの急上昇となりました。

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12月8日には、XRPがエクスローに預託された旨の公式発表があったが、これを受けて価格は大きく動かなかった。


この4年間の間、今後のXRPの分配に関しての非確実性についてのマーケットの懸念の声を耳にしてきました。この非確実性の根底には、Rippleがいつの日か616.8億の保有XRPを自己裁量で売ってしまうのではないかという恐れがあったと言えます。実際そのようなことがあるとすれば、Rippleにとっても悪いシナリオとなります。Rippleにとって、健全なXRPマーケットを築き、それを維持すること自体が、自己の利益につながるからです。

今日、Rippleは550億の保有XRPを2017年末までに暗号理論的に保証されたエスクローに預託することで、このような非確実性を永久に除去することを発表します。保有XRPの大部分をエスクローに預託することで、投資家は市場に放出されるXRPの最大供給量を数量的に検証することができるようになります。

XRPのエクスクロー開放と再契約の数量

リップル(Ripple)のXRP価格について、多くの投資家たちが苦言を呈しています。その理由は、価格。

2017年12月以降の安値を更新し、一時1XRP=0.225米ドルをつけました。

最高値は、2018年1月3日の1XRP=約3.3米ドルなので、約14分の1。

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時価総額上位の銘柄で、2018年12月30日と、2019年8月27日の価格を比較で、マイナスになっているのは、XRP、XLM、TRX、IOTA等で、割合としては少ないです。

ビットコイン(BTC)は、100%以上上昇しているので、なおさらマイナスになっていることに納得がいかないのでしょう。

XRPのエクスクローは毎月開放されている

なぜ、XRPの価格が元気ではないのか?

XRPを保有する上で、知っておかなければならないのは・・・

毎月10億XRPが市場に放出されていることです。

XRPについては、2017年5月時点で、

・総発行枚数上限:1,000億XRP
・リップル(Ripple)社保有:630億XRP
・エクスクロー:550億XRP(2017年12月実施)

運営元のリップル(Ripple)社が、保有しているXRPを、いつのタイミングで、どれくらいの数量売り出すか?というのが分からず、投資家が不安だろうということで、保有分の多くをエクスクローした形です。

エクスクロー分の550億XRPは、2018年1月から、毎月1日に、10億XRPずつ市場に放出されています。

エクスクローとは?

エクスクローとは・・・
M&Aなどで使われる用語。売り手と買い手の間に第三者である金融機関を介して、条件付で譲渡金額を決済する仕組みのこと。第三者である金融機関に、証書 (停止条件付捺印証書) の交付とともにエスクロー勘定を開設し、買い手はその勘定に譲渡代金を入金して保管しておき、売り手との間に設けた条件が満たされたときに、その勘定から譲渡対価が売り手に支払われる方式。

市場流入圧力をBTCとXRPで比較してみると

1XRP=0.2米ドルとすると・・・毎月2億米ドル相当が市場に流入することになります。

毎月2億米ドルというのは、イメージがつきにくいので、ビットコイン(BTC)が、どれだけ新規に発行されているか?と比較してみます。

ビットコインは、10分毎に1ブロックが生成されるので、1日に約144BTCが新しく発行されます。

1ヶ月では、約4,320BTCとなり、1BTC=約1万米ドルとすると、4,320万米ドルの市場への流入となります。

XRP=約2億米ドル
BTC=約4,320万米ドル

市場に流入=売り圧力となる可能性があり、XRPのほうが、約4.5倍ほど圧力が強いということです。

もちろん、XRPとBTCの価格が変動することで、変わってきます。

10億XRPと4,320BTCの対米ドルレートで同じ水準になるとすると・・・

・1XRP=0.2米ドルを基準で、1BTC=約46,000米ドル
・1BTC=約1万米ドルを基準で、1XRP=約0.04米ドル

現在のXRPの価格が高すぎるのか?それとも、BTCの価格が安すぎるのか?

売り圧力という部分だけに視点を置くと、このような価格水準が算出されます。

四半期ごとに市場で売却さえなかったXRPの数量

ちなみに、XRPが市場でどれだけの規模売却されたか?は、四半期ごとにレポートが発行されています。

月10億XRPがエクスクロー解除されていますが、全てが売却されてはいません。

リップル(Ripple)社が、公式サイトで公開しているマーケットレポートによると、四半期ごとに再びエクスクローされていますが・・・

・2018年Q2:27億XRP再びエクスクローへ
・2018年Q3:26億XRP再びエクスクローへ
・2018年Q4:24億XRP再びエクスクローへ
・2018年Q4:24億XRP再びエクスクローへ
・2019年Q1:23億XRP再びエクスクローへ
・2019年Q2:21億XRP再びエクスクローへ

3ヶ月で30億XRPが放出され、その後、3億から9億XRPが市場で売却等され、残りが再びエクスクローとなっています。

コンテンツ制作者向けの少額決済プラットフォームである「コイル(Coil)」に10億XRP(約277億円)の助成金を与えた

のように、XRP普及のため、助成金といった形でも市場に流入しているようです。

なお、リップル社CEOのガーリングハウス氏は、「XRPの売却は、XRPの実用性を高めるために行われている」と発言しています。

四半期ごとに20億XRPが再びエクスクローされているものの、XRPの価格は元気がありません。再びエクスクローされる数量が減少し、売却が加速するようなことがあれば、さらなる価格下落は避けられません。

リップル(Ripple/XRP)の今後の動向について

リップルのネットワークに加わるという既存の銀行が現れたり、世界大手のクレッジトカードと連携をするというニュースが流れています。

ちなみに、リップルネットワークには、金融機関の世界TOP50行の内、15行が参加しています。


ずっと、仮想通貨という新たな資金移動手段が広まることにより、既存の銀行やクレジットカード会社は不利益を被るだろうなと思っていたので、上記の現象が感覚的に理解できませんでした。

リップルだけ、大きくてアンダーグラウンド的な仮想通貨という流れの中で、統計学的に違う動きをとっているように見えていたからです。

この観察結果は、あるキーワードを用いることにより、解決する事が出来きました。

それは、「政治」。

ここからは仮説になるが、もしもリップルに、政治の力が加わっているとすれば、ビットコインという数学と情報工学を駆使したテクノロジーとそのムーブメントとは異なる動きをしている事も説明がつきます。

そして、自分たちの金融サービスと対立するであろう、新たな資金移動システム仮想通貨にわざわざ参加するということも、すでに知らない所では必ず得をする、いわゆる出来レースが組まれていると仮定するならば、それも理解が出来きます。

ビットコインの大きな波に隠れた形も、もしもリップルに政治的な動きがあるとするならば、それはうまい目隠しとなり、リップルにとっては好材料でしょう。

さて、独自路線を貫いているリップル自体が、裏で「政治」が関わる出来レース的存在なのかどうか。もしもそうだとしたら、先にポジションをとったものが、得をすることになります。

これは、リップルに対する研究テーマ。これからも、この仮説を検証するため、リップルの動向を注視していきたいと思います。

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