ビットコイン(BTC)の取引機会が増えて、大きな資金が流入する可能性が高まっている。
2017年10月31日に、世界有数かつ多様なデリバティブ市場であるシカゴマーカンタイル取引所(CME:Chicago Mercantile Exchange)グループは、2017年第4四半期に「ビットコイン先物」のサービスを開始すると発表した。
*CMEは、約1ヶ月前に、同じ計画を却下したばかりだが、改めてビットコイン先物のサービスの提供を発表。
CMEグループの会長兼最高経営責任者であるテリー・ダフィー(Terry Duffy)氏は、
進化する暗号通貨市場への顧客の関心が高くなったので、「ビットコイン先物」を導入することに決定した。
と話している。
ビットコインの米ドル価格の1日1回参照レートとして機能する「CME CF Bitcoin Reference Rate(BRR)」に基づいて、現金決済される。
*BRRのこれまでの履歴は、2016年11月14日分からエクセル形式でダウンロードできるようになっている。
BRRは、金融ベンチマークのための証券監督者国際機構(IOSCO:International Organization of Securities Commissions)の原則を中心に設計されていて、大手仮想通貨/暗号通貨取引所であるBitstamp、GDAX、itBit、Krakenが、現在BRRを計算するための価格設定データに寄与している。
BRRは、世界的なビットコイン・ドル取引を確実かつ透明に反映しており、世界中の金融機関、商社、データプロバイダにとっての価格基準となる。
また、CME GroupとCrypto Facilities Ltd.は、スポットビットコイン市場に価格透明性を提供するために、CME CF Bitcoin Real Time Index(BRTI)を発行。
BRTIは、ビットコインを売買する世界的な需要と連結オーダーブックを組み合わせ、ビットコインの公正で瞬間的な米ドル価格を現物価格で反映している。
BRTIは、リアルタイムで公開され、ポートフォリオのマーキング、日中のビットコイン取引の実行、リスク管理に適している。
(*2017年10月31日 CME Group Announces Launch of Bitcoin Futuresより抜粋)
We're launching #Bitcoin futures in Q4 2017. Sign up for product launch updates. https://t.co/5ZvBqttCFn pic.twitter.com/nU9o4AKOaR
— CMEGroup (@CMEGroup) 2017年10月31日
今回のCMEでのビットコイン先物の報道を受けて、ビットコイン価格は大きく上昇し、1BTC=6,400米ドル台と、All Time High(ATH)を更新。
2017年初が、1BTC=1,000米ドルだったので、6倍以上になっている。
ビットコイン先物については、CMEだけではなく、シカゴオプション取引所(CBOE: Chicago Board Options Exchange)でも、取扱の準備がスタートしている。
CBOEは、恐怖指数(VIX:The Cboe Volatility Index)を公表していることで有名な取引所。
2017年8月上旬に、CBOEホールディングスの会長兼CEO、エド・ティリー(Ed Tilly)氏は、
規制されたデリバティブ取引所で取引されるビットコイン先物の創出を通じて、暗号化通貨への関心の高まりへの対応を大いに楽しみにしています。
と述べている。
CBOEのビットコイン先物は、2017年内、もしくは2018年初のサービス開始を目指しており、アメリカ商品先物取引委員会による承認待ちの状態とされている。
2017年3月には、ウィンクルボス(Winklevoss)兄弟による、ビットコインETFの申請がアメリカ当局によって否決され、1BTC=1,200米ドル台から960米ドル台まで一気に下落した過去がある。
否決された理由としては、
1)取引所での監視共有契約が必要になる。
2)市場に規制が必要である。
という2つが挙げられていた。
今回は、共にアメリカの大手取引所による申請のため、承認されるだろう。
より多くの人に取引の機会が増え、さらに機関投資家たちの資金が流入するとなると、価格にも大きな影響を及ぼすことになる。
#Bitcoin futures contract specifications are now available. Learn about tick size, block thresholds and more. https://t.co/qiEE1BrPVF pic.twitter.com/njOVqAZPxe
— CMEGroup (@CMEGroup) 2017年11月7日
CMEによって、ビットコイン先物取引の詳細が明らかにされた。
大きく注目すべきは、値幅制限が設けられいること。
特別価格変動限度額は、事前決済価格の7%、13%、20%それぞれを上限・下限のラインとして、20%を超えた場合は、取引が停止となる。
大きく価格が変動した時の、投資家保護のために、一定の%で値幅が決めれている。
また、CEM名誉会長であるレオ・メラメド氏は、ビットコイン先物について「非常に有望」。
CME名誉会長、ビットコイン先物「非常に有望」 https://t.co/jHNy4Uhtdy
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2017年11月8日
また、ブロックチェーン技術に裏打ちされた新たな資産クラスとの考えも示している。
インタビュー:CME名誉会長、ビットコインは「新たな資産クラス」 https://t.co/J6iGNHAJkC pic.twitter.com/5G5mdn309Q
— Reuters Jp Biz (@ReutersJpBiz) 2017年11月8日