フィリピンの永住権取得伴って、永住権と市民権の違いについて調べてみました。
▼永住権と市民権
永住権:
期間の定めなしに滞在することができる権利
市民権:
国籍を取得することができ、選挙への投票や
生活保護を受けることができるようになる権利
一般的には、永住権を取得して、数年経過して市民権を申請できるというケースが多いです。
日本人が他の国の市民権を取得する際に気をつけないといけないのは、日本の国籍法11条で2重国籍は認められていないことです。つまり、日本の国籍を捨てる必要があり、年金の受給権なども消滅してしまいます。
▼市民権を手に入れる
どのような国が選択肢をしてあるのか?
市民権の取得基準が比較的緩いドミニカ共和国について条件などを含め調べてみました。
・ドミニカ共和国
カリブ海のキューバやプエルトリコの近く、人口が1030万人程度で、経済は、農業、軽工業、観光業により成り立っています。観光業に最近は力を入れており、外国人観光客は年間430万人を越え、2011年の観光収入は約43億ドルに上っていますが、国としての収入が少ないため海外からの投資を積極的に呼び込んでいます。その中の一つとして市民権取得プログラムがあります。
▼ドミニカの市民権の特徴
1993年に制度が開始されて、
・生涯市民権を保持できる
・有効期限10年のパスポートが発給される
・査証なしで約100カ国に訪問することができる
(シェンゲル協定加盟国へも査証なしで渡航が可能になる予定)
・合法的に名前を変更することができる
・キャピタルゲインなどに課税されない
・海外での収益に課税されない
・現在保有している市民権の申告が不必要
・政府と法律によって市民権制度が保証されている
・自国での不測の個人・政治・経済的環境の変化に対応できる
というのが特徴として挙げることができます。
▼市民権取得のための投資金額
2012年8月31日までは、
単独申請:75,000USD
家族なども申請:100,000USD(夫婦と18歳未満の子供2人の場合)
15,000USD:子供が18歳になったら必要
25,000USD:21歳以下の子供を追加申請の時
子供が21歳以上になったら単独申請必要
という条件でしたが、
2012年9月1日以降は、
下記4つのパッケージに変更となりました。
A)単独申請
B)夫婦申請
C)夫婦+18歳以下子供2人申請
D)夫婦+18歳以下子供3人以上申請
申請人は、21歳以上で
A)単独申請
100,000USDの投資(返金なし)
B)夫婦申請
175,000USDの投資(返金なし)
C)夫婦+18歳以下子供2人申請
200,000USDの投資(返金なし)
D)夫婦+18歳以下子供3人申請
200,000USDの投資(返金なし)
子供1人につき50,000USDの追加投資
子供が18歳以上になった場合には、単独申請に切り替える必要があり、発行されるパスポートの有効期限は、16歳以下の子供の場合は、有効期限5年となります。
▼手続きの流れ
1)申請書の準備
2)申請書類の認証
3)手続き書類の発行と送金
4)個人インタビュー
5)パスポート発給手続き
1)から2)で約30日
5)まで含めると3から5ヶ月
個人インタビューをドミニカで受けることも、追加費用を支払い、ドミニカ国外で受けることも可能なため取得に際してドミニカへ渡航する必要がありません。
▼申請費用関連
1人の申請で、1,765USD
内訳
申請費用:1,000USD
手続き費用:200USD/1人
帰化費用:550USD/1人
印紙費用:15USD/申請人ごと
申請手続きは、政府が定めるエージェントを通じて行い、また別途、本人の経歴確認などのために専用のエージェントからの調査が入り、その費用が、4,000USDから10,000USDかかります。
▼日本のパスポート
・153の国・地域で査証が免除され
・33の国・地域で到着時に査証を取得し
入境することが可能となっており、世界の中でも優れたパスポートです。そのため、日本のパスポートを放棄してまで、ドミニカのパスポートがほしい!という人は少ないかもしれないですが、ロシアなどドミニカのパスポートよりも外国への渡航時に査証の取得など手間がかかる国の資産家は、第二パスポートとして取得をして、活用しているようです。