アメリカ不動産の動向を見る3つの数字

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今回は、アメリカ不動産の動向をチェックする際に重要な指標・数字について見ていく。

アメリカ不動産の動向だけではなく、アメリカ経済全体の動向をチェックする際に重要な指標・数字であり、為替や株価の変動に影響があるため、日本のFX会社などでも随時数字が更新され、公開されているものである。

アメリカ不動産の動向をチェックする際に重要な指標・数字としては、

1)ケースシーラー指数
2)中古住宅販売件数
3)住宅着工件数

などが挙げられる。

ケースシーラー指数(全米住宅価格指数)

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が発表する米国の住宅価格の水準を示す指数。住宅販売は、個人消費に大きな影響をおよぼすので、アメリカの重要な景気指標の1つとされている。

ケースシーラーは、カール・ケース(Karl Case)、ロバート・シラー(RobertShiller)2人の名前に由来。

全米の9つの調査対象区域の一定期間の住宅売買のデータを集計し、2000年1月を100として指数化したもの。

全米住宅価格指数は、3ヶ月毎に先々月までの3ヶ月分を発表。

カール・ケース(Karl Case)、ロバート・シラー(RobertShiller)が、1980 年代に開発した住宅指数の計算方法は、リピートセール法(Repeat Sales Method)と呼ばれており、住宅価格指数を算出する方法として主要なものとされている。

2012年1月に底を打ったとされている。

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(S&Pサイトを参照し、グラフ作成)

他に、主要10都市及び主要20都市における住宅価格指数もあり、毎月最終火曜日に先々月分を発表される、

主要10都市は、ボストン、シカゴ、デンバー、ラスベガス、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンディエゴ、サンフランシスコ、ワシントン。

主要20都市は、上記10都市に、アトランタ、シャーロット、クリーブランド、ダラス、デトロイト、ミネアポリス、フェニックス、ポートランド、シアトル、タンパ。

2)中古住宅販売件数

全米不動産業協会(The National Association of Realtors)が発表している集合住宅を含んだ中古住宅のうち、該当月に所有権移転が完了した中古住宅販売件数。

アメリカは、日本とくらべて住宅の寿命が長いため、年齢と共に中古住宅を様々住み替えるというライフスタイルになっており、中古住宅市場が整っていることから、景気動向の先行指数として注目されている。

2010年7月が底を打ち、それ以降回復傾向にある。

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(NARのサイトを参照し、グラフ作成)

3)住宅着工件数

住宅着工件数は、毎月第3週に、当月のデータが翌月の 12 営業日前後に、国勢調査局(Census)から発表される数字。

住宅投資は、家具・家電など様々な業界に影響することから、建設許可件数が景気に敏感に反応するため先行指標とされている。

2009年に底を打って、そこから徐々に回復し、2013年に入ってからは、1,000,000戸前後で推移。

2014年10月18日のロイター誌の報道によると、バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチ・ニューヨークのエコノミスト、ミシェル・マイヤーズは住宅市場について「依然、上昇傾向がみてとれる」と分析しているとされる。

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(Censusのサイトを参照し、グラフ作成)

現在のアメリカ不動産市場は、ケースシーラー指数、中古住宅販売件数、住宅着工件数、それぞれ指数を見ると、明るい材料が多い状況となっている。円安・ドル高が今後加速することが予測される中、今後も安定した市場が見込まれ、米ドルでの資産・インカムを得ることができるアメリカ不動産。「生涯収入5億円倶楽部」として注目しているのだ。

photo credit: ClaraDon via photopin cc

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