ラブアン法人と日本企業

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東北電力が丸紅子会社を通じて、オーストラリアのIPP事業に投資をしています。

IPPは、Independent Power Producerの略で、独立系発電事業のことを指します。

メラミンパートナーシップ(MPP)という共同組合を作り、インタジェン、丸紅、GEキャピタル、EIFの各出資のもと1,050億円規模の事業になっています。

資金の流れについては、

ケイマン諸島にある丸紅所有の投資子会社ミルメラン・ホールディングス-Ⅵ(MH-Ⅵ)

東北電力100%出資のオランダの法人2012年10月設立トーホク・パワー・インベストメント・カンパニー(TPIC)

TPICとMH-Ⅵからマレーシアのラブアン島にある丸紅所有の投資子会社ミルメラン・インベストカンパニーVI(MIC-Ⅵ)へ

東北電力、丸紅

TPIC(オランダ法人)MH-Ⅵ(ケイマン諸島法人)

MIC-Ⅵ(ラブアン法人)

MPP

という資金の流れになっています。
(*東北電力HPより引用)

ちなみにラブアン法人は、マレーシア政府が直轄する島で、1990年に金融サービスセンターLabuan Offshore Financial Services Authorityが設立され、マレーシアのオフショア地域として発展しています。

ラブアン法人の大きな特徴としては、法人税に関して優遇されており、監査済みの純利益の3%もしくは定額の2万RMのどちらかを選択し、納入できる点

ラブアン法人自体での投資活動については、課税対象にはならなく、またラブアン法人からの配当金、外国人取締役への報酬は免税となる点です。

オランダ法人は、租税条約締結相手国80 カ国以上配当金、利子、ロイヤリティーに対する源泉徴収税が双方で軽減、ほとんどの場合0%になります。

今では、東北電力のHPに海外事業の会社として明記されていますが、

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)The International Consortium of Investigative Journalistsが、2013年5月に独自で入手したタックスヘイブンにある企業やファンドの秘密ファイルが、データーベースがサイトで公開されるまでは、明記されていなかったようです。

▼住友商事の場合

2009年にオーストラリアのIPPに乗り出した住友商事のケースでは、完全持ち株会社(シドニーに本社を置くオーストラリア法人)Summit Southern Cross Power Pty Limitedを通じて、

オーストラリアの発電所を保有・運営する事業会社の権益の70%を取得しています。

つまり、住友商事の場合は、オーストラリア法人を活用して、現地で事業に参画している形となります。

オフショア法人の取扱については、世界的に状況が変化し、オフショア法人を利用した節税スキームの見直しを迫られる企業も出てきそうです。

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