日本居住者の海外銀行口座開設

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日本人の口座開設が厳しくなってきている。

だから、海外銀行を開設できるのであれば、開設しておいたほうがよいという話があります。

開設しても、資金がなく、活用できなければ意味がないので、HSBCプレミアを開設し、保持することができるレベルの現金。香港であれば、100万HKD、シンガポールであれば、20万SGDを海外に出すことができるというのが、一つの目安になるのではないでしょうか。

ここでは、香港とシンガポールの銀行の口座種別と最低預け入れ金などの規定についてお伝えしていきます。

日本居住者が海外銀行口座を無理に開設しても

日本に居住して、日本の会社に勤めて、日本円で給料を得ている場合、無理に海外に資金を移動しても、日本での日々の生活費として利用するようでは、意味がありません。

どうしても口座を保有しておきたいと考えるのであれば、日本からの渡航が便利で、最低預入金1万HKDなど維持するのに多額の現金を必要としない口座を1つ保有しておくだけで問題ないと思います。

それ以上の口座保有については、海外への資産分散を考える段階に入ってからになります。1つの目安は、1,000万円でしょうか。

メンバーから届く質問

Q:海外の銀行口座を作るメリットとは?
A:日本以外の国で、現地の国・地域の法制度に沿った形で資産を保有、運用できます。
現地に旅行する際に、銀行口座を持っていると便利です。日本で購入できない、海外の国・地域の投資商品が購入できます。英語など他国の言語での取引が必要となるので、語学の勉強になります。
Q:海外への投資をする方法は?
A:1)日本の銀行・証券会社を通じて、海外の国・地域の投資信託、預金、株式などが購入する方法
2)海外の国・地域の銀行・証券会社を通じて、海外の国・地域の投資信託、預金、株式などが購入する方法

日本の銀行・証券会社を通じて手軽に資産運用できるという部分で、利用者にとってはメリットが大きいです。しかし、海外の商品を日本で販売するために、仲介が必要となり、その分の手数料がかかることになります。つまり、同じ商品を日本で購入するのと、海外で購入するのとでは、手数料に差があるということになります。

Q:海外の銀行に口座を開設する方法は?
A:銀行の対応により異なりますが、

・現地銀行窓口で開設する方法
・書類を発送して開設する方法
・インターネットと書類を郵送して開設する方法
・インターネットで全てが完結する開設方法

があります。

Q:海外の銀行で口座を開設する費用は?
A:銀行により異なりますが、まれに開設する際に口座開設手数料が発生する場合があります。その他は、身分証明書の認証のためにかかる手数料や、自分で英語などの手続きが難しいために、現地の口座開設サポート業者さんを依頼した場合の手数料などが挙げられます。そのため、多額の手数料が発生するということはありません。
Q:海外の銀行を選ぶ際のポイントとは?
A:・財務体質がしっかりしているか
・支店窓口まですぐに行くことができるか
・インターネットバンキングの操作が便利か
・サポートが充実しているか

といった点になります。

香港とシンガポールなどで

日本人が旅行者として渡航して口座開設が可能であった国でも、現在は、なぜ非居住者が口座開設をする必要があるのか?を問われるようになっています。

日本の銀行口座を海外からの旅行者が開きたい!と言った時に「一体何のために口座を使うのか?自分の国の口座で問題無いのでは?」というのと同じ感じですね。

一時は、金融商品を現地で購入するためという回答で問題なかったようですが、最近は、金融商品契約書や不動産購入契約書など口座保有目的を証明するための書類提出が求められることがあります。

香港の場合

日本居住者の多くが口座を保有しているHSB香港Cの口座開設基準です。

・プレミア:
最低預金額:100万香港ドル
口座維持管理料:380香港ドル /月

・アドバンス:
最低預金額:20万香港ドル
口座維持管理料:120香港ドル /月

・パーソナルインテグレーテッド
(旧スマートバンテージ):
最低預金額:5千香港ドル
口座維持管理料:60香港ドル /月

口座維持管理料が徴収されるのは、3ヶ月平均で残高が、最低預入金を下回った場合です。

口座維持管理料については、2019年8月1日から、アドバンス・パーソナルインテグレーテッドにて廃止。

2016年10月末の情報

行員とのコミュニケーションが取れず、口座開設を拒否された事例が発生しました。

今後口座開設基準が厳しくなり、

・口座開設時の様子が動画で撮影される
・アドバンス口座開設当日にATMカードをもらうためには、20万香港ドルの即時入金が必要
・パーソナルインテグレーテッド口座の場合は、口座開設手続き1週間後に、本人が再度支店窓口を訪問し、ATMカードを受け取る必要がある。

可能性レベルですが上記の話が入ってきています。

HSBC香港では、以前郵送での口座開設が可能だったけれど、対応変更となり、支店窓口での開設のみとなっていました。

また、口座開設基準についても都度変更されており、英語もしくは中豪語で担当者とやりとりが可能であるかどうか、またサポート業者さんは開設時に同行してはいけないなど、その時々により異なっています。

万が一、新規に外国人による口座が開設できなくなってしまった場合、既存の口座は強制的に閉鎖されるのか?というと、そのまま利用できる可能性が高いと言われています。このあたりは、常に最新情報を確認しておく必要があります。

香港の銀行口座の特徴とは?

預金口座と投資口座があります。

証券口座を別途持たなくても、投資信託、株式、金(ゴールド)などへの投資が可能となっています。

証券会社の位置づけとしては、より多くの金融商品を取り扱っているという具合になるので、日本に比べると銀行と証券の垣根が低いです。

金融商品取引法によって、日本国内で紹介されている金融商品は、絞りに絞られているため、海外の銀行・証券口座で購入できる投資信託の本数には大きな差があります。

海外の銀行と証券会社で取り扱われている商品ラインナップを見るだけでも、驚くことになります。

個人口座でも小切手帳を発行され、ATMカードにカードブランドのUnionpayがついてくる場合があり、お店で商品を購入するときに、対応端末が設置されていれば、お店でATMカードによる決済が可能です。

なにより便利なのが、インターネットバンキングです。

日本の金融機関もここ数年でインターネットバンキングが浸透してきて、かなり便利になっていますが、海外の金融機関では、口座残高確認、国内・国外への送金、送金先登録、金融商品の購入、住所変更、残高証明書の発行など、全て手続きができてしまいます。

日本の金融機関では、海外送金は窓口でのみ対応が多く、送金金額に年間上限が設定されているなど、さまざまな制限がかかっているが、海外の銀行口座の場合は、はるかに自由度が高いと言える。資産を運用する場合の本格的な基地として活用できます。

シンガポールの場合

シンガポールで日本居住者が開設できた主な銀行口座は下記です。

HSBCシンガポール
・プレミア
最低預入金200,000SGD
口座維持手数料(50SG/月)
・アドバンス
最低預入金20,000SGD
口座維持手数料(10SG/月)

シティバンクシンガポール
・ゴールド
最低預入金150,000USD
口座維持手数料50USD/月
・シティバンキング
最低預入金20,000USD
口座維持手数料30USD/月
・インアカウント
最低預入金5,000USD
口座維持手数料30USD/月

DBS
・トレジャー
最低預入金200,000 SG
口座維持手数料(50SG/月)
・セービングプラス
最低預入金5,000SG
口座維持手数料(2SG/月)

OCBC
・プレミア
最低預入金200,000SG
口座維持手数料(?SG/月)
・セービング(各種)
最低預入金1,000SG
口座維持手数料(2SGD/月)

UOB
・セービング
最低預入金1,000SG
口座維持手数料(2GD/月)

スタンダードチャータードシンガポールでは、観光ビザ以外で合法的に滞在することができるビザの提示が必要ということで、口座開設をすることができませんでした。

DBSでは、労働ビザの提示が必要になったという情報が入っています。

Citiの日本語サイトには、

「本ウェブサイトのコンテンツはあくまでも参照目的としての掲載をしており、日本居住者に向けた内容ではございません。原則として、日本に居住する方からのお申込みは受け付けておりません。」

と以前から明記されていますが、International Personal Bank(IPB)支店窓口を訪問すると口座開設ができていました。

証券口座とセットで銀行口座開設

ちなみに証券口座は、銀行口座よりも容易に開くことができる傾向にあります。シンガポールのUOB銀行では、証券のUOB Kay Hianの口座を保有していると、銀行口座開設の時に他の銀行の照会状提出が免除されるなどがあります。

証券口座への預入および銀行口座への預入が必要となりますので、予定している資金よりも沢山の資金が必要となりますが、口座開設には、セットで開設する方法もあるということになります。

支店担当者で対応が異なる可能性もあるので、直接銀行の問い合わせにメールして確認する必要がありますが、なぜ銀行口座を開設する必要があるのかという理由が明確でないなら、口座を保有する必要はないということができます。

「海外投資」という流行りに乗るのではなく、自分の立ち位置を確認して、姿勢を明確にしてから海外銀行口座を開設し、活用していくことが必要です。

カードをATMで飲み込まれたので・・・

シンガポールHSBC銀行の口座閉鎖のためシンガポール入りしました。

OCBC銀行口座も持っており、HSBC銀行口座を使わなくなったためです。

シンガポールに到着し、ショッピングモール内のOCBC銀行ATMで、シンガポールドルを引き出そうとしたら・・・

「Your card is Invalid」・・・

AMTカードを挿入し、

・暗証番号を入力
・引き出し金額を入力

・・・すると、

「Your card is Invalid」

という表記とともに、レシートだけが発行されて、ATMカードが飲み込まれてしまいました。

そういえば、以前に、

「磁気カードからチップ入のカードに切り替えになった」

という連絡が来ていたのですが、登録していた住所の問題で、受け取れていなかったのでした。

ラッフルズプレイスにあるOCBC銀行本店を訪れ、係員にATMカードが飲み込まれたことを伝えます。

そのまま窓口の列に並び、順番になったところで、担当者にATMカード再発行の旨を伝えると・・・

その場で再発行手続きをしてくれました。

登録住所まで発送となると面倒だな・・・

と思っていたので、すぐに発行してもらえて助かりました。

OCBCは、すでに番号などが印字されているカードに後から個人情報を読み込ませて、利用が可能となるタイプです。

再発行に関する書類にサインをして、ATM用の暗証番号を2回入力して、再発行手続きが完了しました。

ATMでの引き出し限度額5,000シンガポールドルの設定と海外ATMでの取引可能設定も合わせて申し込みました。

また、NETS FlashPayに対応しているので、ATMで利用登録していると、コンビニやカフェなどの支払い時に、サインすることなく決済が可能となります。

インターネットバンキングでの資金のやりとりは、定期的にやっているのですが、ATMカードでの取引は、していなかったので、今回のような事態となりました。

日本国外で、居住していない国で銀行口座を保有していると、こういったトラブルに見舞われる可能性もあるので、数ヶ月以内に利用が必要なお金と数年利用予定がないお金など、資金管理をして、各銀行に分散しておく必要があります。

1年単位で、住所を変更する場合は、都度住所変更手続きが必要になるため、3年で住所貸しサービスを利用するなど、費用がかかっても、確実に書類を受け取れる体制を整えたほうが良いでしょう。

HSBCシンガポール口座の閉鎖手続き

HSBC銀行シンガポールの口座閉鎖手続きは、書類ベースで進めていました。

口座閉鎖書類に、サインをして、シンガポールの指定住所に送付するだけで、手続きは完了するのですが、2度送付して、2度とも届いていない・・・という返答がありました。

マレーシアから、EMSを利用して発送したのですが、マレーシアからシンガポールへ発送するポイントで、追跡データが止まりどこかに行ってしまったようです・・・。

そのため、窓口で口座閉鎖をしておこうと思い、訪問することにしたのでした。

マレーシアから、同時期にEMSを利用して、香港とタイに書類を発送して、無事到着しているので、マレーシア・シンガポール間のEMS処理に何かしら問題があるか、もしくは、HSBCシンガポールの指定住所で、何か問題があるのかもしれません。

ちなみに、OCBC銀行・HSBC銀行ともに、12時から13時30分頃までは、お昼休みということもあり、20人以上が窓口の列に並んでいました。

口座開設など手続きをする予定がある場合は、午前もしくは14時以降に訪問したほうがよいです。

HSBC香港の口座については、引き続き保有していて、証券会社への入出金や投資商品購入に役立てています。

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