これまで「生涯収入5億円倶楽部」では、不動産の購入先の候補として、新興アセアンを中心としたアジアの国々を対象に戦略術を組んでいた。
その理由は単純明快で、成長する国、エリアでは、過去の先進国がすべてそうだったように、不動産価格の上昇の妙味があったからだ。
先進国から新興国に進む製造業の移転により、先進国が成長した期間よりも、もっともっと短い期間の間に大きな成長が起きていことを、実際のアジア各国での活動の中で、僕たちは体感することができた。
過去の先進国で起こったよりも、もっと短い期間で不動産市場は大きく成長した。
新興国での金融整備も進み、非居住者の外国人であっても銀行融資が容易くなり、レバレッジをかけた投資ができるようになった。
賃貸利回りにも大きな投資妙味があり、入ってくる家賃収入で銀行への毎月の支払いを行い、銀行ローン完済する。
長期的な視野でみた大きな資産形成のチャンスがあったわけだ。
そして更には新興国通貨高、円安により、円換算した場合の資産の増大という大きなメリットもタイムリーに体感している。
しかし今後は「生涯収入5億円倶楽部」として、戦略術を少しずつ変換しなければならないタイミングが来たようだ。
2010年から2013年の今日まで、僕たち「生涯収入5億円倶楽部」メンバーが、中国珠海、フィリピンマカティ、フィリピンセブ、タイ、マレーシアジョホールバル、などで集団で行って来たように、アジアの一カ国、一箇所の大型案件を、仲間内みんなで買い占める・・・などという展開は、今後は機会がないように思われる。
それはなぜなのか?
既にこれらの国自体に、不動産投資における大きな投資妙味がなくなると想定されているからだ。
魅力が減ってくる不動産を、僕たちが集団で抑えることの意味も無くなってくるからだ。
なぜ魅力が無くなってくるのか?
既に不動産価格がかなり高くなっているからだ。
アジア各国の人件費が凄まじいスピードで高騰しているのを目にして来た。
そんな中、アジア各国でこれから開発される不動産案件の価格自体に、「生涯収入5億円倶楽部」として集団で投資を行う妙味は感じられない。
僕たちとして何よりも一番危惧することがある。
賃貸利回りが低くなり、レバレッジをかけた投資を行った場合、毎月の銀行への支払い負担が大きくなりすぎることだ。
かりに、将来的に世界的な経済動乱があり、長期金利が大きく上昇するような局面があった場合、支払額の上昇に耐え切れないメンバーたちも出てくるリスクが新たに出現してくる恐れもある。
世界的な金融緩和により、アセアンの新興各国でも、銀行ローンの借りやすさという大きなメリットにより、不動産価格自体は大きく上昇した。
しかし、デベロッパーが大量に物件を作りすぎている。
明らかに賃貸需要を上回る数の不動産が供給され続けている。
こうなってしまうと、各国の不動産投資に参加するプレーヤーの意識が変わってしまう。
当初は、自らが住むための需要に加え、インカムゲインを狙う不動産投資家が中心だった市場には既に、キャピタルゲイン狙いの不動産投資家が多数参加しているのだ。
彼らキャピタルゲイン狙いの不動産投資家は、値上がりをメインの目的としているため、賃料が安くても市場で物件を貸し出しする。
空にしておいて家賃がゼロよりはマシと考えるからだ。
結果的に受給のバランスは崩れ、賃貸市場が崩壊する恐れがある。
当初出ていた高い賃貸利回りが、今後の案件では得られなくなる恐れもある。
そこには本来の長期的な視野で見た不動産投資の姿がなくなり、より投資リスクの高い状況になってしまうのだ。
今、日本でも、数多くの海外不動産投資が紹介されている。
たとえばマレーシアジョホールバル。「生涯収入5億円倶楽部」として本格的に参入した2010年頃には、グーグルアドワーズキーワードアドバイスツールで確認できる、Google検索エンジンでの月間検索数はたったの120回だった。
あの頃には、僕たちの仲間内しか現地で本格的な活動はしていなかったのだが・・・今では、Google検索エンジンでの月間検索件数は12,000回にもなり、10を超える日系業者らが、日本やアジア各国中からジョホールバルの現地入りをして、「自分たちが業者として稼ぐための物件」を、紹介しまくっている。
しかしその中に本当に魅力が高いと思われる不動産投資は、もうほとんど残っていない。
投資熱に浮かれ、本来のリスクが見えなくなり、目先の物件に飛びつく。
「生涯収入5億円倶楽部」として、このリスクは避けなければならない。
そして、今僕たちが所有することができた海外不動産は超長期保有のみ。
現在既にこれらのエリアの不動産投資を行なっているメンバーは、基本的な投資戦略は超長期的な保有のみだ。
売却という選択はありえ無い。
仮に物件の価格が倍に上昇したとしても選択肢は保有のみ。
価格が倍に上昇し、更に円安が大きく進んだとしても選択肢は保有のみなのだ。
家賃は中長期的にみれば上昇をして行く。
そしてインフレが起これば、新興国の場合、インフレにある程度スライドし、家賃は上昇して行く。
たとえ最初は支払いがきつく感じても、保有年数が経過するに連れて、キャッシュ・フローはどんどん改善されて行く。
入って来る家賃でローンの支払をし、最終的にローンを返済し終わり、ローンのない状態の本物の資産にした上で、超長期的にそこから入る家賃というインカムゲインを得ていくことを、地道に愚直に遂行する。
僕たちが物件を購入した当初に比べ、家賃は大きく上昇していれば、投資金額に対して大きなリターンを安定的に得られる投資になることは、既に計算ができている。
そしてその時は、その国の通貨、日本からしてみれば外貨として得ることができるわけなのだから。
幾つかの国に更に分散ができているメンバーならば、分散された家賃をそれぞれの通貨で得ることができるわけだ。
究極の分散投資が出来上がるわけなのだ。
さらに、その時円安、現地通貨高が起こっていればどうなるのか?
日本円で換算した場合、非常に大きなリターンを安定的に得られる投資が、結果として出来上がっているわけなのだ。
僕たちにとって、なぜ売却という選択がないのか?
この理由は至ってシンプルである。
僕たちがアジア各国で購入した不動産を売却し、現金を得たとしよう。
インフレリスクが高い中、現金のまま持っていること自体が一番高いリスクとなるわけだ。
現金のまま持つことがリスクのため、その現金を使って他の投資を行おうと見渡した時にわかる現実がある。
そのタイミングでは既に、僕たち「生涯収入5億円倶楽部」メンバーにとって、魅力的な投資案件など無いのだ。
今までよりもずっと高い価格でしか、不動産を購入することが出来ない。
そしてその時には賃貸利回りは大きく低下しており、キャッシュフローの回る、魅力のある不動産投資などできないのだ。
それでもその時の市場にある不動産を購入し、そのタイミングで長期金利が跳ね上がり、住宅ローン金利が跳ね上ればどうなるか?
毎月の支払金額が大きく増加する。
その支払に耐え切れず手放すようなことになれば、そこで大きな損失を出すことになる。
誰もが売ることを考える局面では、不動産価格は下落しているリスクが高い。
そして何よりも、不動産価格が下落するような局面で、毎月の支払負担だけが増えていけば、それは自らにとって非常に重たいストレスになってしまう。
ストレスを感じる投資そのものに嫌気がさし、投げ売りをするようなことになれば??
売却をしていなければ、しっかりとした分散投資が出来上がっていたにもかかわらず、いっときの儲けを確保するために売却をしたために、今までの投資を無に返してしまうリスクさえあるのだ。
「生涯収入5億円倶楽部」メンバーとして、この戦略術を胸に、共に着実に歩もうではないか!