日本の金融機関の香港での展開について

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新生銀行とマネックス証券が関係している銀行が香港で事業をしているので調べてみました。

日本ウェルス銀行(Nippon Wealth Limited)

2015年5月11日に開業した資産運用サービス専門銀行です。

株主構成は、

新生銀行:50.0%
マネックスグループ:9.96%
ADキャピタル:9.96%
コンボイファイナンシャル:9.96%
東急リバブル:4.11%

などで、香港金融当局からRestricted Licence Bankの免許を取得しています。

香港の銀行法で定められた3種類の銀行免許のうちの1つで、

「最低預入残高50万香港ドル以上の大口預金を扱う銀行」

ということになります。

元々は、2013年8月5日に、OJBC Hongkong Co. Limitedとして設立されており、2014年8月29日にNippon Wealth Limitedへと法人名を変更しています。

その理由は、BVI 法人 OJBC Co. Ltd の100%出資子会社だからです。

OJBC Co Ltdは、2013年6月28日設立で、株主構成は、議決権比率ベースで、

新生銀行:50.0%
マネックスグループ:9.96%
ADキャピタル:9.96%
コンボイファイナンシャル:9.96%
東急リバブル:4.11%
フェニックスグループ:2.74%

となっています。

2015年10月12日からは、

・証券売買業務(Type 1)
・証券アドバイザリー業務(Type 4)

をSFCから取得したので、証券業にも乗り出しています。

口座開設基準は、10万ドルとなっているので、30代、40代の現役サラリーマンには、少しハードルが高くなっています。

外国の保険に関する日本での規定

日本の保険業法は、外国保険業者の日本国内居住者への保険販売を禁止しています。

保険業法186条で、日本居住者が申し込みをする場合は、事前に内閣総理大臣の許可が必要で、違反した場合は、50万円以下の過料に処すると337条に規定があります。

そのため、日本ウェルス銀行は、日本居住者ではなく、駐在員や海外居住者をメインターゲットとしています。

中長期的な展望を見据えた債券や投資信託を組み込んだポートフォリオの提案など、資産運用のアドバイスに特化することで、個人が気軽に取引できる環境の提供をメインとして、預かり資産残高を、2020年までに、4,000億円を目指しています。

販売されている商品ラインナップの中には、

・終身年金保険
・テーラーメード型生命保険

予定利回り:年4%
保証利回り:年3%

といったものがあります。

日本の規制を受けない形で、直接販売できる体制を整えることで、収益を拡大する機会を狙っています。

これから、日本の金融機関が、香港・シンガポールなどに進出する流れは、どんどん加速するのではないでしょうか。

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