海外不動産(マレーシア、タイ、フィリピン)家賃相場と投資利回り

銀行融資をフル活用海外不動産投資

海外不動産の家賃相場は、中心地でも大きく異なります。

投資家側からすると、家賃を高く設定できると、その分投資を早く回収できるということになります。

借りる側からすると、よい物件で安い家賃のところを見つけたいということになります。

海外不動産は、日本不動産に比べると、国の発展に伴って価格上昇が期待でき、早く投資分を回収できるというイメージがありますが、果たしてどうなっているのでしょうか?

海外不動産セミナーでは、日本の国としての危険性と海外の国のメリットが強調されがちです。

そこで今回は、東南アジア、マレーシア不動産、タイ不動産、フィリピン不動産の家賃相場と投資利回りを確認し、日本で投資する方が良いのか?、マレーシア、タイ、フィリピン3カ国ではどこに投資するのが良いのか?お得に滞在できる国はどこか?を確認していきます。

不動産価格はどうやって決まる?

全く同じ不動産はほぼ存在しないので、買い主と売り主の合意によって、需要と供給によって、価格は決定されます。

国が算出する公示価格をベースとして、

・国の経済状況
・地域環境などの状況
・個々の不動産の状況

などが加味されます。

日本では平均7.4%の利回り

日本は、区分マンションの投資利回りは、2019年10月から12月期で、7.4 %程度とされています。
*「不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )」を参照

2010年には、各地の利回りは、10%を上回っていましたが、物件価格の上昇に伴って利回りが低下しています。

7.4%で単純計算すると、賃貸に出して元本回収まで、13.5年ということになります。

地域差があるので、日本国内で投資を考えている場合、上記のレポートは参考になります。

マレーシア、タイ、フィリピンの基礎データ

マレーシア、タイ、フィリピンの3カ国を比較する上で、国の情報として、国土・人口・首都・名目GDP・経済成長率・物価上昇率・ビックマック価格・中心地から空港の距離の比較一覧は下記です。

外務省各国基礎データより
Global prices for a Big Mac in July 2019, by country
自然災害については、先日フィリピンのタール火山が噴火して、ニノイ・アキノ国際空港が全面閉鎖になりましたが、フィリピンのみ大きな地震、台風の可能性が高いです。

マレーシア、タイ、フィリピンの人口プラミッド

2019年と2050年を比べてみると、フィリピンは、大人の数 < 子供の数 となっていて、約30年後も心配なさそうですが、タイはすでに子供の数が少なくなっていて、約30年後は人口が減少し、労働力が減少し、国を支える力が無くなっていくことが見て取れます。

マレーシア、タイ、フィリピンのホテルの価格を比べてみる

マレーシア、タイ、フィリピンに滞在するのは、どこがお得なのか?

まずは、各国に進出している世界的ブランドのホテル1泊の価格で比較してみます。

シャングリラホテルの価格を比べてみると、

・マレーシア(クアラルンプール):131米ドル
・タイ(バンコク):131米ドル
・フィリピン(マニラ):112米ドル

ロケーションとしては、フィリピンがショッピングモールすぐ横なので良さそうですが、フィリピンだけが安くなっています。

ハイアット系のホテルを比べてみると、

・マレーシア(クアラルンプール):147米ドル
・タイ(バンコク):320米ドル
・フィリピン(マニラ):157米ドル

ロケーションとしては、マレーシアがショッピングモールすぐ横で安くなっています。

*Google Mapで表示される価格を参考にしています。

マレーシア、タイ、フィリピンのサービスアパートメントの価格を比べてみる

では、2週間とか1ヶ月単位で滞在する時に便利であるサービスアパートメントはどれくらいの価格で借りることができるのでしょうか?

東南アジアでサービスアパートメントを展開している「SOMERSET」ブランドのサービスアパートメントを、2020年3月1日から31日までの価格で比較してみると・・・

1泊あたりの価格は、

・マレーシア(クアラルンプール)53 sqm:
1日243MYR=59米ドル、1ヶ月8,605MYR=2,090米ドル

・タイ(バンコク)47 sqm:
1日2,501.33THB=80米ドル、1ヶ月88,322THB=2,827米ドル

・フィリピン(マニラ)45 sqm:
1日4,378PHP=85米ドル、1ヶ月 161,109PHP=3,156米ドル

マレーシアがかなり安くなっています。

マレーシア、タイ、フィリピンの家賃を比べてみる

では、いよいよ中心部のコンドミニアムを借りる場合は、いくらになるのでしょうか?

地名+condo for rent で検索をしてみます。

Panorama (KLCC)603 sqft=56 sqm:月3,300MYR=約800米ドル

The Capital Ekamai59.55 sqm:月34,000THB=約1,088米ドル

Two Central62.9 sqm:月60,000PHP=約1,175米ドル

コンドミニアムの売価はいくら?

これらのコンドミニアムの売値はいくらなのでしょうか?

Panorama (KLCC)
950,000MYR=230,918米ドル

The Capital Ekamai
6,500,000THB=208,400米ドル

Two Central
13,800,000PHP=270,326米ドル

でリストされています。

*インターネット上での価格ですので、実売時の価格+諸経費などは加味されていません。

物件価格と家賃から利回りを計算する

それぞれの物件の売値と家賃から、利回りがどれくらいなのかを算出してみます。

Panorama (KLCC)
603 sqft=56 sqm:月3,300MYR=約800米ドル
950,000MYR=230,918米ドル=4.1%

The Capital Ekamai
59.55 sqm:月34,000THB=約1,088米ドル
6,500,000THB=208,400米ドル=6.2%

Two Central
62.9 sqm:月60,000PHP=約1,175米ドル
13,800,000PHP=270,326米ドル=5.2%

という計算になります。

タイ > フィリピン > マレーシア

という結果になりました。

マレーシア、タイ、フィリピン不動産を追加で3軒ずつ利回り調査

マレーシア・クアラルンプールのコンドミニアム投資利回り

Aria Luxury Residence, KLCC 5.4%
Vue Residences 4.77%
The Manhattans 4.5%

タイ・バンコクのコンドミニアム投資利回り

The Line Wongsawang 6.2%
Mori Haus 6.5%
Noble Remix 6.5%

フィリピン・マカティのコンドミニアム投資利回り

One Rockwell 4.7%
Jazz Residences 4.4%
THE GRAND MIDORI MAKATI 5.6%

検証から言えること

借りる側からすると、マレーシアはコストパフォーマンスが高いと言えます。

3カ国ともに単純計算で、7%の利回りを切っているので、利回りだけの観点からすると

・日本不動産のほうが有利な可能性がある
・マレーシア、クアラルンプールの中心地は、3カ国の中で最も投資家に不利

ということができます。

不動産は、株式などのように簡単に取引できない分、資産として手元に残りやすい傾向はあります。

ただ、それが海外の場合には・・・

・国外送金の手間
・現地渡航の費用と手間
・現地銀行口座開設の手間
・賃貸に出す場合は管理会社とのやりとりの手間
・売却手続きの手間
・相続が発生した時の手続きの手間

などがあります。

果たしてそれに見合ったリターンがあるのか?

単純に数字を比較した場合は、ないということになります。

サラリーマンが個人名義で夢を見て買うべきではないというのが結論です。

海外不動産セミナーを受講して、そこで紹介されている物件とあまい見通しでの利回りを盲信することなく、このようにインターネットからでも実情を知ることができるので、自分で確認することが必要となります。

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