冒頭のLifehacker.jpの記事へのノッカリ記事ですね。, 読書には固有のペースがあって、それを意識することで理解とスピードのバランスを作れる, ということを学んだそうです。
あなたは、雑音だらけの環境とか、気が散っている精神状態で、落ち着いて本を読むことができますか?
そこから堀氏が得た結論は「意味のある速読の訓練はある」というもので、そのために2つの意味のある(と堀氏が思っている)訓練を推奨しています。 1.目の動きを意識する; 2.脳内の音読を抑制する; なる …
そういえば、Lifehacker.jpが紹介している研究論文を書いたElizabeth Schotter氏(ポスドク研究者)は、ここを研究してないのでは?って話ですね。(そんな指導をしているのは私だけですから、仕方がありませんが…) 研究チームは、信じられないほど速く文章を読めるようになると標榜しているテクニックやアプリに焦点を当てて、何十年にもわたり研究を続けてきましたが、残念ながら、そんな便利なものはないというのが結論です。, こういうとても当たり前のことを挙げています。
私も世間で多く語られる、以下のような速読は基本的に詐欺であることを指摘してきました。, それは科学的に考えれば当然のことであり、またそれらを主張する7つの速読流派の先生方や経営者の方々から「うちのメソッドでは速読できない」とこっそり告白を受けて来たからこそ、躊躇なく断言できることでもあります。 速読とは「速く」「読む」ことで、今より5倍~10倍の速度で読めるようになる技術です。文章の捉え方にコツがありますので、速読を身につけるためにはその理解が必要です。 多くの方は、読む時に頭の中で文字を音声化する黙読(頭の中で音読)を行なっています。幼い頃にしゃべることを身に付けた後で文章を読むことを学んだので、これは自然なことだと思います。しかし、早口のスピードに限界があるように、頭の中で音声化する黙読ではやはり限界があります。読むのが遅い人は黙読の方法で読ん … Copyright © 2018 マインドフルネス&速読スクール Generalpause All Rights Reserved. その衝撃的な科学論文はこちら。 「So Much to Read, So Little Time:How Do We Read, and Can Speed Reading Help?」 レイナー教授(心理学)らの長年の研究の成果としてまとめられたもの。 目の作り、文字・文の意味の認知プロセスなどなど、「読解」の基本から徹底的に解説しつつ、速読は本当に可能なのか?を検証しています。その上で、各種の速読流派が主張している「速読の根拠」をことごとく否定しています。 しかし、やってみれば分かりますが、無意味な言葉を発すれば、確かにスピードが上がりますが何を読んでいるかが分からなくなります。 もしそれが難しいと感じているなら、自ら雑音を発し、気を散らしている状態で速読ができるようになると信じる理由がありません。 速読を語る前に、一般的に私たちがどのように文章を読んだり内容を理解したりしているのかについて。「Slate」では読むという行為について以下のように解説しています。. 速読とは、これまで専門家と呼ばれる人々に長らく推奨されてきた技術ですが、最近は速読を自分で学べるようなアプリがたくさん出回り始め、再度注目を集めています。実際、人間が1分間に1200語を読むということは可能なのでしょうか?, ほとんどの人が平均で1分間に200語から400語の文字を読むそうですが、速読ができる人は1分間に1000語から1700語も読めるのだそうです。この話の真相を探るために、カリフォルニア大学サンディエゴ校で視標追跡学を専門とされているKeith Rayner(キース・レイナー)教授にお話を伺ってきました。速読技術とは一体どんなものなのでしょう。, まずは速読の効果性について議論をする前に、様々な手法について、それぞれ内容を見て行きたいと思います。, 速読を語る前に、一般的に私たちがどのように文章を読んだり内容を理解したりしているのかについて。「Slate」では読むという行為について以下のように解説しています。, 内容が複雑であったり、あまり知らない事柄について考えて思いを馳せたりする場合を除いては(快楽のためにする読書はまれと言っても良いと思いますが)、何かを読むには大変機械的なプロセスを辿るものです。人は大抵、一度に1語か数語をまとめて見ます。これは「固視」と呼ばれるもので、掛かる時間は平均でわずか0.25秒ほどです。視線は次に現れる言葉か連語へと動いていきます。これは眼球の跳躍性運動(サッカード)と呼ばれるもので、この動きは大体1秒ほど掛かります。こうした動作が1度か2度繰り返された後、たった今見た文章の内容を理解するために視線が止まります。これにはだいたい0.3~0.5秒ほど掛かると言われています。こうした視線の一連の動き、固視と跳躍運動、そして理解するために止まる動作をまとめて計測すると、大学生レベルの読者の95%が1分間に200語から400語を読むということがわかっています。, 速読できる人は1語に対する固視の時間が短いのだろうと推定されます。彼らは声に出さずに、心の中で文章を言って時間を短縮するという傾向があるそうです。前述の動作時間の平均値よりも0.3秒から0.5秒早く視線が動きます。, 速読という考え方は1950年代頃から存在しましたが、最近は(ここ数週間と言っても良いくらいですが)雨後のたけのこのようにたくさんのアプリが出現し、まるでかつてのブームが蘇ったかのようです。, 速読にはいくつか有名な技法があります。スキミング、メタガイディング、高速逐次視覚提示(Rapid Serial Visual Presentation、RSVP)などと呼ばれるものです。, 文章の中で重要な部分だけを拾い読みしていく方法です。これは通常の「速読法」として考えられていますが、速く読み込むのではなく、いかに読む部分を省いていくかの訓練となります。お察しの通りスキミングをすると文章の詳細を覚えていられないと言う研究結果も出ています。, 特定の言葉を指またはペンで指しながら目で追っていくのです。こうすることで邪魔なものを省いてキーワードに集中して進めるため、読むスピードが格段に上がります。, 昨今のデジタル速読システムで多く使われている方式です。画面に単語が1語づつ出てきて、一度に1語見ることに集中します。この方式に慣れてくると単語が映し出されていくスピードに慣れるため、どんどん読めるスピードが速くなっていきます。RSVP方式はSpritzのホームページで実演していますので皆さんも実際にお試し体験ができます。, ティム・フェリス氏が推奨している方法は、視覚を広げて複数の文章を一度に「読む」というもの。彼は「繰り返すことで速読技術が上がる」と主張しています。何より集中力が上がるとのことです。, 自分の読むスピードに興味がある方は、こちらのStaplesが提供しているテストでも時間の計測ができます。, 速読は確かに素晴らしいアイデアです。しかし、読めはしてもその内容を真に理解するというのは、また別の話といえるでしょう。今件の調査はあまり広範に進められていませんが、キース・レイナー教授の著書『Eye movements and information processing during reading(読書中の視線動向と情報処理』において、読書中の人間の目の動きについて詳しく説明がなされています。レイナー教授は、速読技術をむやみに習得しようと必死で行うことは、目の機能自体がそうした活動にそぐわないので無意味であると主張しています。, おそらく一般の人でも精一杯やれば1分間に500語程度を読むことは可能だと思いますが、目と網膜の生体構造には元々限界があるのです。文章を理解するためには、じっくり読みたい文章の部分に視点を合わせる動作が必要です。視点を合わせない部分は著しく理解力が落ちるという事実があり、言葉の細かい内容の汲み取りができなくなってしまいます。脳が情報を解析する速度に則って、読むスピードというものは決まってくるものなのです。, レイナー教授は、例えばメタガイディングのような技法を使い、心の中でつぶやくことを極力減らすと理解力が格段に落ちると指摘しています。, スピードを上げて読むやり方はやろうと思えば誰もができます。しかし早過ぎてしまうと理解力が下がってしまいます。多くの速読術は声を出さずに言葉をなぞる行為を省いて行くという手法を取っています。これが進むと内容理解が乏しくなり意識が散漫になってしまうという調査結果もあります。, それではフェリス氏が推奨する「一度に複数の文章を読む」といった手法はどうなのでしょうか? レイナー教授はこれに関してはうまくいかないと答えています。, 目で凝視することによってより多くの情報を得るとされますが、残念ながらそれには確固たる証拠がまだありません。生理学上は網膜の動きによって人は一度に2文までしか見ることができないとされています。, そしてRSVPのデジタルシステムに関しては、ワーキングメモリ(作業記憶)において重大な欠陥があるとしています。, RSVPの技法を使ったシステムでは、言葉がかなり早いスピードで画面にパッパッと映し出されて行きます。すると作業記憶はキャパシティオーバーを起こします。自分が情報処理できるスピードよりも速いスピードで言葉が映し出されて行くのです。, 研究によると、読む速度が増せば増すほど反比例して理解力は落ちるとされています。つまり情報が取れていないということは、そもそも読む行為の目的を成していないわけです。RSVP方式を使うと(その仕組みを使ったアプリを利用すると)、文章をもう一度読み返すことができないため、短期記憶のキャパシティを超えてしまい、読んだ物の内容をあまり覚えていないという結果に陥ります。, もちろんこうした見解に対し反対意見もあります。最近では速読アプリを開発したSpritzが独自で調査研究を行って、レイナー教授の研究結果への反論を展開しました。Spritzは彼らが開発したシステムでは1語毎に目を休めることができるため、読むスピードを速くできるとしています。この意見は正しいかもしれません。しかし教授が主張する作業記憶の点を説明できていません。, Spritzの主張では、彼らがいかなる調査をして、何人の人々のケースを取り扱った研究だったのかについて詳細を明らかにしていません。あらゆる速読に関する調査研究について私が調べた限りでは、ほとんど全ての研究はその速読技術を商品開発している会社によって独自で行われたきたという事実があります。調べたところ、ティム・フェリス氏が展開する速読技術の場合、科学的根拠に寄るアイデアに基づいて考案されたものだと主張されていますが、その研究についての記載は彼自身が書いたブログの投稿以外では見つけられませんでした。, もちろん全てが良くないわけではありません。速読は多くの愛好者がいます。Slateではジム・ペイゲルス氏がRSVPシステムを愛用していると言っています。アトランティック誌のオルガ・カーザン氏も「速読アプリは退屈なニュース記事やメールなど、完璧に内容を理解しなくても良いような類の物を読むのに適している」と話しています。同様に、全てを速く読むというよりも大事な部分だけ端折って読んでいくという方法は、学校の詰め込み勉強とか、あまり重要ではないものをサッと読む時に利用価値があるのではないでしょうか。, 最近は自分で速読を学習することもできます。怪しげな雑誌の広告に載ってるような高額アプリを購入などしなくても、少額か無料でほとんどのアプリは入手できます。しかし根本的にはあまり大きな成果を期待しないほうが良さそうです。, ・Spreed:RSVP方式を使ったChromeで、画面に単語が映し出されるアプリです。見たいウェブページなどを選び読みたい文章を設定するだけで後はアプリにおまかせできます。, ・OpenSpritz: Spritz社独自の技術が使われていてます。RSVP方式を用いて一度に1単語づつ映し出されては消える仕組みを持ったアプリですが、各単語の中の1文字だけ色を付けて強調することで視野を安定させるといった工夫がなされています。, ・Outread/Velocity/Syllable:この3つのiOSアプリは携帯電話で速読が学べるように開発された点では他と一線を画すアプリです。Outreadはメタガイディングの技法が使われています。VelocityとSyllableはRSVP方式が使われています。この3つは全てブックマーク機能から記事を引っ張ってくることが出来るので、過去に何かを読んでブックマークしておいた記事にも使えます。, 正直に言うと、やってみてとても疲れてしまいました。なぜなら速読は大変集中しなければできませんし、速く読まなくてはという精神的プレッシャーもあったりして、実際にやると情報がどんどん抜けて行ってしまうのです。私としては本を読んだり何か記事を読んだりする時は、少しの間でも立ち止まってその内容をじっくり味わったり考えたりしたいと思います。速読をやるとこうしたじっくり考える時間などは無いに等しい。大量の情報がどんどん左から右へ入ってくるのは良いのですが、内容をきちんと処理できたのか?というと疑問なのです。これでは私にとって読書の目的は成し得ていないのと同じです。, 要は、本当に読み込む必要があるような大事なものを精読して、その内容も真に理解しようと努めると速読では上手くは行かないという事なのかもしれません。でも例えば、何か短めのさっと目を通さなくてはならない書類だとか、重要ではないものをさらっと読んだりする時などには多いに効果を発揮するものだと思います。, 所詮人間は速読できたからといって何でも超速で読みこなせて、その上に理解力も優れている「万能ロボット」のようにはなれないことを知っておくのが大切なのかもしれません。, 姉妹サイトmachi-yaでクラウドファンディングに挑戦中の、リユースシリコンカップ「HUNU」を発見!気になる点をまとめてチェックしてみましょう。.