老紳士:
「キミ、『もうける』という文字を、漢字で書けるかい?」
神戸のとある隠れ家的なBAR。カウンターに座った老紳士は、バーテンダーの青年にこう語りかけた。実は老紳士は神戸の実業家として、知る人ぞ知る大富豪。バーテンダーとして働いていた駆け出しの青年。
老紳士に「もうける秘訣」を聴いてみたところ、逆に質問が返って来てしまったのだ。
青年:
「『もうける』ですか?スミマセン。書けません。」
老紳士:
「それはおかしなことだとは思わないかね?君は『もうけ』たいと思っているのに、『もうける』という字が書けないなんて。」
青年:
「確かに・・・。」
老紳士:
「これは次、私が来るまでの宿題にしておこう。『もうける』という字を書けるようになっておきなさい。」
青年:
「は、はい。分かりました。」
老紳士は、グラスに残っていたウィスキーを飲み干し、BARを出て行った。
青年:
「『もうける』ってどんな字だったやろ。」
四畳一室のアパートに戻るなり、本棚で眠っていた辞書に積もった埃を払いのけ、さっそく『もうける』という字を引いてみた。
『もうける』・・・。
青年:
「こんな漢字なんや。取りあえず、あのお客さんまた来るかもしれへんから、練習してこっ。」
それから2週間後、いつものようにカウンターに立ち、注文の入ったカクテルを作っていたところ、老紳士が入ってきて、カウンター席に座った。
老紳士:
「どうだね?あれから『もうける』という字を、書けるようになったかね?」
青年:
「はい。書けるようになりました。」
青年は、胸のポケットからペンを取り出し、紙製コースターをひっくり返し、少しだけ得意げに、ペンを走らせた。『もうける』・・・『儲ける』。
老紳士:
「よく出来たな。さて、この漢字をよく見てみなさい。」
老紳士:
「君がこの『儲ける』という字を、理解できたのなら、必ず『儲けられる』ようになれるから。」
青年:
「どうしてですか?」
老紳士:
「『儲』・・・『信+者』。君がこの字の通り、君のことを信頼し、信用してくれる人(者)を、沢山作ることができるようになれたら、お金を『儲ける』ことができる。」
老紳士:
「私はこれまでずっと、これを続けて来たから、今の私のようになれたんだ。」
それ以来、この老紳士はそのBARに再び姿を現すことは無かった。
「自分を信用してくれる人を沢山作る。日々そのために生きてみる。」
その後青年は、老紳士の言葉の通りに仕事に励む。
結果・・・BAR、レストラン、水商売の分野で、ビジネスに成功。その後、ビジネスを売却して、インターネットの分野に入った後も、「情報販売」の分野で日本トップレベルの実績を出せるようになった。
つまり、老紳士の言葉の通りに、ただひたすら実行し続けたことで、青年は『儲けられる』ようになったのだ。
▼どうやったら儲けられるの?
「どうやったら『儲けられる』ようになれるのですか?」
「生涯収入5億円倶楽部」のメンバーからも、時折メールなどで、質問が寄せられる。
「インターネットの情報販売」
「インターネットのアフィリエイト」
「テツオ式」
「店舗展開」
人によって、取り組もうとするビジネスは様々。
共通して見られるのは、「どうやったら『儲けられる』ようになれるのですか?」
その裏には、「どうやったら”自分が楽して”『儲けられる』ようになれるのですか?」という気持ちが含まれている場合が多い。
「自分が楽して」・・・。
僕もリアル・インターネット、ビジネスで稼ぐ方法を個人・法人にアドバイスし始めてから、かなりの年数が経過するが、こうした質問をいつまでもし続けてしまう人で、実際に『儲け』られた人を見たことが無い。僕が、ジョホールバルにある「ザ・アジト」にて、この『儲』という字に纏わる老紳士と青年の実話エピソードを聞いた時、「真理」のようなものを感じた。(既に長い年月を経過して、一流のビジネスマンとして成長した、「青年」本人から聞いた。)
「真理」・・・。
オフライン。オンライン。業種業態に関わらず、ビジネスの分野において共通していること。商品・・・モノ・情報・サービスを販売する側の個人・法人問わず、『儲け』られない人は、いつも「自分だけがいかに楽して儲けるか?」だけを考え、行動してしまっている。
一方、『儲ける』ことが出来る人は、結果として『儲け』ているだけ。自分の商品を購入してくれるかもしれない、お客様の「目標・目的達成」を最優先にする形で、常に考え、行動している。
たとえ同じような商品を販売していたとしても、この両者間のビジネスに取り組み方、姿勢には、大きな開きが見られる。「自分だけが、いかに楽して儲けるか?」・・・これを追求し続けている人たちは結局、まぐれ当たりや、時流に乗った形で、たまたま稼ぐことができたとしても、いつまで経っても自分を信頼・信用してくれる人(者)が出来ないので、継続はまず不可能。本当に『儲ける』ことを味わうことは無い。
一方、『儲ける』ことが出来ている人は、自分の商品を購入してくれる、お客様の「目標・目的達成」を最優先にして、常に考え、行動しているため、一度でも、お客様が商品を購入してくれさえすれば、その満足度が信頼・信用に代わり、高い確率でリピーターとなってくれる。結果、さらに『儲ける』ことができる。
これは今も昔も変わらぬこと。恐らくは、遥か昔、『儲』という漢字が生まれた時から、変わらぬ「原理原則」のようなものなのではなかろうか?
▼あなたが本当に『儲け』たいのなら
『儲』という漢字の意味を理解する。もしもビジネスにおいて、『儲け』たいのなら、老紳士の言葉のように、『儲』という漢字の意味を、もっともっと理解しなければならないのではなかろうか?その上で、考え、行動し続けなければならないのではなかろうか?
本来、『儲』という漢字の意味をよく理解し、それに基づいて考え、行動することができているのなら・・・
例えば「インターネットの情報販売」。昨日一昨日覚えたような、適当な知識を元にノウハウレポートを作成して、「コピーライティング」のテキストや、同業他社のものを、そのままパクったような販売ページを用意。時間制限・数量限定カウンターをカタカタ回した状態で、宣伝広告を撃ちまくる。そんないい加減で適当なことは、出来ないはずだ。
例えば「インターネットのアフィリエイト」。
手っ取り早くメルマガやサイトを立ち上げ、アフィリエイト報酬と成約率レコードの高い商品を中心ピックアップ。
毎日のように、「新しい商品が出ました。」「画期的な新商品です。」「これはおススメです。」自分が試したことも無い商品を、手当たり次第に案内しまくる。そんないい加減で適当なことは、出来ないはずだ。
例えば「店舗展開」。
卸売問屋に行って、適当に「売れ筋」商品だけを、ピックアップして仕入れ、適当に店頭に並べてみる。客に質問されたとしても、唯一答えられるのは「売れています。」まともに商品説明も出来ない。そんないい加減で適当なことは、出来ないはずだ。お客様に対してのみならず、自分自身にさえ偽り続け、いい加減で適当なことばかりをする。そんなことは、決して出来ないはずなのだ。
もしもこれから、真剣に、本気で、ビジネスで『儲け』たいのなら・・・
今やるべき事は、楽して稼げそうな情報やノウハウを追い求めて、ネットサーフィンする事では無い。稼ぐ情報やノウハウを提供している人たちに対して、相手が返答に困る類の、無駄な質問をする事では無い。稼げそうな商品ネタを探し求める事では無い。
今やるべき事は、既存のあなたの「弱き心」を、徹底的に叩き壊し。代わりに、『儲』という漢字の意味を理解し、自分自身がこれから何をすれば、自分を信用してくれる人(者)たちを獲得することができるのか?真剣に考え、その考えに基づいた行動を始めることでは無いだろうか?
もしもあなたがこれまで、ビジネスで『儲ける』ことが出来ていないのだとしたら。それは、そのノウハウや手法が悪いのではなく、その商品が悪いのでもなく、あなたを「信頼・信用」してくれる人(者)を、獲得するに値する考え、行動が出来ていないから。
その場合は、今日お話させて頂いた、『儲』という字の意味を、何度も紙に書きだしてみながら、真剣に、トコトン、考えてみてもらいたい。そして、その考えに基づいて、行動を開始してもらいたい。