2019年9月23日日本時間午前9時に、話題のバックト(Bakkt)でのビットコイン(BTC)先物取引が開始された。
ビットコイン(BTC)価格へのインパクトがあるか?
と予測されていたが、すでに織り込み済みだったようで、価格は大きく変動していない。
*バックト(Bakkt)とは・・・
アメリカインターコンチネンタル・エクスチェンジ(Intercontinental Exchange:ICE)の子会社。
デジタル資産のインフラを構築を目的として、
・カストディー
安全な資産の保管
・マーケット
先物契約を世界中の市場参加者に提供
・ペイメント
デジタル資産の可能性を認識している大手と協力
・コンプライアンス
業務のあらゆる面で強化し、最も堅牢で信頼できるプラットフォームを保証
4つの点から、機関投資家たちが参入しやすくなる体制を構築している。
バックト(Bakkt)は、2019年6月に、アメリカ商品先物取引委員会(The Commodity Futures Trading Commission:CFTC)の承認を得て、8月16日にニューヨーク州金融サービス局が、(Department of Financial Services:DFS)管理手段としての信託会社設立憲章を認可したことで、取引が可能となった。
バックト(Bakkt)のビットコイン先物取引は、現物引き渡し決済。
そのため、期日を迎えた時点での契約に基づいて、ビットコイン(BTC)現物での受け渡しになる。
先にシカゴマーカンタイル取引所(Chicago Mercantile Exchange:CME)等で提供されているビットコイン先物は、期日を迎えた時点での契約に基づき、法定通貨での決済となる。
ビットコイン(BTC)現物でというのが大きなポイント。
バックト(Bakkt)の先物によって期待されるのは・・・
・機関投資家の参加が容易になること
・現物での取引になるので、現物需要が増えること
・厳しい規制の元、価格操作が減少すること
・大きな取引量により、価格変動幅が減少すること
等。
気になるバックト(Bakkt)の出来高は、1時間半で、約10BTC、1日で、71BTCと、普及するには、まだ時間がかかりそう。
ビットコイン(BTC)相当での取引所の1日の出来高は、
ビットメックス(BitMEX)で、約30万BTC
バイナンス(Binance)で、約10万BTC。
ビットコイン(BTC)の1つの懸念:量子コンピューター
ビットコイン(BTC)への懸念事項として挙げられるのが、
・大量保有者による投げ売りの可能性
・量子コンピューターへの耐性
価格が大きく下がる、もしくは、なくなってしまう要素なので、多くの投資家たちが注意を払っている。
・大量保有者による投げ売りの可能性
については、保有者の売りを規制することはできない。
ただ、ブロックチェーンの技術で、
・ウォレットの残高が明確になっている
・大口の送付はボットのアラートで監視されている
また、各国の金融政策によって、法定通貨の価値が上がっているので、価値保存の手段として、ビットコイン(BTC)が選ばれるケースがある
といった点から、すぐに巨大な売りが出るとは考えづらい。
・量子コンピューターへの耐性
については、誕生と対策どちらが早いかという状況のよう。
2019年9月21日にイギリスのファイナンシャルタイムスが、グーグル(Google)の研究者によって、スーパーコンピューターの計算能力を超える量子コンピューターが開発されたと報じた。
なぜ、量子コンピューターが恐れられるのか?
それは、量子コンピューターを利用すると、公開鍵から、秘密鍵が算出できてしまい、すべてのビットコイン(BTC)へアクセスが可能になるとされているため。
ビットコイン(BTC)の暗号技術が突破されて、価値がなくなってしまう。
ビットコイン(BTC)には、現在の暗号技術によって作成されている2つの鍵(公開鍵と秘密鍵)が存在する。
公開鍵は、
ビットコイン(BTC)を受け取る役割
秘密鍵は、
ビットコイン(BTC)を引き出す、使う役割。
ビットコイン(BTC)を保管するウォレットは、この2つで成り立っている。
量子コンピューターは、まだ実用化されていないので、未知の部分ではあるが、ビットコイン(BTC)の開発を行っているブロックストリーム(Block Stream)社は、先を見越して、量子コンピューター耐性がある技術の開発を行っている。
ただ、ビットコイン(BTC)に新しい技術を導入するには、開発コミュニティの合意が必要であり、合意できなければ、技術が開発されても意味がない。
ビットコイン(BTC)の価格面だけに注目しがちだが、このような懸念点があることも、投資をする上では知り、踏まえておく必要がある。