ビットコイン(BTC)の価格は・・・2018年8月23日時点で、1BTC=6,400米ドル台になっている。
徐々に高値が切り下がっていて、3月8日以降、1BTC=1万米ドルの壁を突破できずにいて、2017年12月17日の高値からは、約67%の下落となっている。
ビットコイン(BTC)ETFは、9件否認
ビットコイン(BTC)のETF申請に対するSECによる判断が、8月23日日本時間8時台に発表された。
*ETF・・・「Exchange Traded Funds」証券取引所に上場している投資信託のこと。株式と同じように、証券会社で取引が可能になる。
*SEC・・・「Securities and Exchange Commission」アメリカ証券取引委員会で、1934年に設立されたアメリカの市場監視機関。
SECへのETF申請とその期限は・・・
2件
申請・登録:2017年12月26日
判断期限:2018年8月23日
7件
申請・登録:2018年1月18日、24日
判断期限:2018年9月15日、21日
となっていたが、9件全てについて、否認が発表された。
https://www.sec.gov/rules/sro/nysearca/2018/34-83912.pdf
理由としては、上場申請先の取引所では、違法行為、相場操縦の対策が、SECの求める基準に達していないというもの。
2018年1月18日の時点で、ビットコイン(BTC)ETFについては、SECの投資管理ディレクターDalia Blass(ダリア・ブラス)氏が、下記5つの懸念点を指摘している。
1)価格基準→存在していない
2)流動性→確保できていない
3)信託機関→信頼できる機関がない
4)裁定取引→環境が整っていない
5)価格操作→リスクが存在する
市場では、ビットコイン(BTC)ETFは、否認されるだろうというのが大方の予想であったため、ビットコイン(BTC)の価格が、暴落することはなかった。8月23日に期限を迎えた2件のETF申請については、ある出来事により、否認されるであろう見方が強まっていた。
それは・・・大手取引所であるビットメックス(BitMEX)のメンテナンスに合わせたビットコイン(BTC)価格の大幅な上昇になる。8月22日日本時間10時から、メンテナンスに入り、取引ができなくなることが、予告されていた。
この時刻に合わせる形で、1BTC=6,466米ドル→6,899米ドルまで、400米ドル以上、約6.7%も価格が上昇。21日からショートポジションは、7万7千以上積み上がっていたが、3万以上が精算されることとなった。
1つの取引所のメンテナンスで、価格が大きく上昇するのは、価格操作のリスクがあると言えるため、ビットコイン(BTC)ETF承認には、まだ時間がかかるというのが、投資家の間で、共通した認識となっていた。
否認されたETFについては、再審査の対象となることが発表された。ヘスター・ピアース氏(Hester Peirce氏)が、Twitterで再審査になったことを公開。
「コミッション (委員長とコミッショナー) は、スタッフに一部の業務を委任し、スタッフは、コミッションのために業務を行う。コミッションが、スタッフの業務のレビューする。今回それが行われることになる。」
と記述している。
再審査によって、承認される可能性は高くないというのが大方の予想になるが、ビットコイン(BTC)ETFが、将来的に承認されるための重要な1歩ということになる。
ETFよりも大きなニュース?であるバックト(Bakkt)
ビットコイン(BTC)ETFが否認されたことで、ビットコイン(BTC)価格の上昇は、2018年内は大きく期待できないだろう・・・ただ、ビットコイン(BTC)ETF承認のインパクトをも上回る可能性がある1つのニュースがある。
それが、アメリカ・ニューヨーク証券取引所親会社による仮想通貨プラットフォームの設立になる。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に収めているインターコンチネンタル取引所(ICE)が、2018年8月3日に、仮想通貨/暗号通貨のプラットフォーム「バックト(Bakkt)」の設立を発表。マイクロソフト、スターバックスなどと提携して、デジタル資産の売買・保管・支払いなどのサービスを提供する。
*インターコンチネンタル取引所
Inter Continental Exchange(ICE)アメリカ・アトランタを拠点とし、多様なデリバティブ取引(先物・オプションなど)を提供している。
また、2018年11月にビットコイン(BTC)先物の取扱い開始を予定。1日先物(現物の受け渡し)で、取引所が注文を飲むという形ではなく、買い=現物がある売り=現金が担保としてある状態での取引となり、買い=現物が支給される売り=現金が回収できるという取引リスクを排除した仕組みになっている。
また、インターコンチネンタル取引所(ICE)は、・銀行、ブローカーと既存の取引関係がある・資産が豊富で、カストディアン(資産管理者)として適正など、既存の仮想通貨/暗号通貨取引所とは、規模やこれまでの信用・信頼が格段に異なるため、大きな価格変動で、現物や資金が回収できないといったリスクを嫌う機関投資家などが参入しやすい環境が整うこととなり、確定拠出年金(401k)など退職資金が流入することを期待されている。
ベネズエラで普及するアルトコイン・ダッシュ(DASH)
2018年の物価上昇率が、すでに年10万%を超えているベネズエラで、8月20日に、・法定通貨であるボリバルの切り下げ、5桁を外すデノミ・新通貨単位をボリバル・ソラベノに・独自の仮想通貨であるペトロ(Petro)のペッグ通貨制度が実施された。
ペトロ(Petro)とは・・・埋蔵される原油を価値の裏付けとする、ベネズエラ独自の仮想通貨で、国家では初の試み。Petroは、石、石油という意味を持つ単語。
ボリバルの切り下げは、これまで:1米ドル=24万8,832ボリバル切り下げ後:1米ドル=600万ボリバルと約95%の切り下げとなり、独自の仮想通貨であるペトロ(Petro)とのペッグ制により、1ペトロ=60米ドル=3,600ボリバル・ソラベノ=3億6,000万ボリバルということに。
法定通貨に、独自発行の仮想通貨を連動させる歴史的な出来事となった。
切り下げをしたから、生活環境がすぐに改善する訳ではなく、
「ATMから引き出せる上限額は、21日時点で、10ボリバルだった」
と、ベネズエラのカラカス地区の住民が、イギリスの公共放送局であるBBCの取材に対して語っている。2018年末までに、物価上昇率が年100万%に達すると、国際通貨基金(IMF)が見通しているように、まだまだベネズエラの混乱は収束しそうにない。
この環境下で、自分の資産を守るために、ビットコイン(BTC)が買われるのではないか?という予測が立つが、ベネズエラで普及しているのは、ビットコイン(BTC)ではなく、ダッシュ(DASH)というアルトコインになる。
ダッシュ(DASH)は、ビットコイン(BTC)から派生したアルトコインで、・送付が数秒で完了・匿名性があるといった特徴がある。
ベネズエラで、ダッシュ(DASH)が普及している理由としては、
・取引手数料が低額・処理時間が数秒単位
・コアグループが存在し、これまでに約100万米ドルをベネズエラに投資している
・新たに生成された10%のダッシュ(DASH)が、プロジェクトのサポートや新規採用に払い出される
といった点が挙げられ、毎月200店舗が、ダッシュ(DASH)での決済に新たに対応しているとのこと。
国がらみで発展する仮想通貨/暗号通貨は、バックグラウンドが強いと言えるので、仮想通貨/暗号通貨をチェックする上で、1つ重要な視点になる。
「本田」組参加で仮想通貨/暗号通貨の価格は?
ATH=All Time Highほとんどの仮想通貨/暗号通貨が、2017年12月、2018年1月に記録した過去最高値になる。次にATHを記録するためには、現時点の価格から、どれだけ値上がりの%が必要になるのか?一覧できるサイト「ATHDA – Cryptocurrency ATH’s」https://athda.com/Page/allを参照してみると・・・
BTC:ATHまで→13,387.85米ドル (199.78%の上昇が必要)
ETH:ATHまで→1,144.71米ドル (397.24%の上昇が必要)
XRP:ATHまで→3.50米ドル(1,030.18%の上昇が必要)
BCH:ATHまで→3,804.06米ドル (689.69%の上昇が必要)
ADA:ATHまで→1.22米ドル (1,264.43%の上昇が必要)
などなど・・・
ATHを記録した日付に差異はあるものの、どの仮想通貨/暗号通貨も、現在価格は大きく下落していて、次回のATH更新には、かなりの価格上昇が必要であることが分かる。
ビットコイン(BTC)の日本円での取引量を「クリプトコンペア(CryptoCompare)」確認してみると・・・
2017年
11月29日:約8,100億円
12月7日:約7,750億円
あった取引量がどんどんと減少していき、2018年5月15日:約299億円へ約27分の1まで落ち込んだ。
2018年8月に入ってからは、約350億円以下の水準となっており、1年前とほぼ同じ状況になっていて、仮想通貨/暗号通貨熱が、冷めていると読み取ることができる。
そんな中で、日本の仮想通貨/暗号通貨取引所である「BITPoint(ビットポイント)」が、イメージキャラクターとして、サッカー日本代表などで活躍する本田圭佑氏を起用し、TVなどでコマーシャルをスタートしている。これまでは、取引所のコマーシャルによって、仮想通貨/暗号通貨投資を開始した
・2017年12月上旬からの「出川」組
・2018年1月下旬からの「ローラ」組
・2018年2月中旬からの「剛力」組
いるが、ここに、
・2018年8月下旬からの「本田」組
が新たに加わることになる。
「出川」組の中には、仮想通貨/暗号通貨市場に参加して、すぐに大きく儲けられた人たちが居たが、それ以降は、日本円でのビットコイン(BTC)取引量が示しているように、かなりの苦戦が続いていることになる。
一般社団法人日本仮想通貨交換業協会が、2018年4月に公表した資料によると・・・取引人数は、約350万名口座数は、約162万口座
一方で、証券口座数はどうなっているか?日本証券業協会のHPを参照してみると、2018年6月時点で、個人顧客口座数は、約2,355万口座
仮想通貨/暗号通貨と証券の口座数には、まだまだ大きな開きがあることが分かる。より多くの投資家を呼び込むべく、SBIホールディングスの仮想通貨取引所であるSBIVC(SBIバーチャルカレンシーズ)が、2018年8月9日より、日本居住の71歳以上の個人を対象に、新規口座開設の受付を開始している。
果たして、「本田」組や、SBIVCの71歳以上の投資家たちは、これから参加して、大きく利益を獲得できるだろうか?2017年末のような、大きなバブルは期待できそうにないので、仮想通貨/暗号通貨に、これから取り組む場合は、よくよく現状を把握した上で、決断する必要がある。