金融庁のサイトに、2018年7月21日、22日に開催されたG20で、仮想通貨/暗号通貨についての議論が掲載されています。
*2018年10月に、具体的な基準が明確にするということで、先送りになっています。
20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2018年7月21-22日 於:アルゼンチン・ブエノスアイレス)
暗号資産の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及びより広く経済に重要な便益をもたらし得る。
しかしながら、暗号資産は消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する。暗号資産は、ソブリン通貨の主要な特性を欠いている。
暗号資産は、現時点でグローバル金融システムの安定にリスクをもたらしていないが、我々は、引き続き警戒を続ける。
FSB(金融安定理事会:Financial Stability Board)及び基準設定主体からのアップデートを歓迎するとともに、暗号資産の潜在的なリスクを監視し、必要に応じ多国間での対応について評価するための更なる作業を期待する。
我々は、FATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会:Financial Action Task Force)基準の実施に関する我々の3月のコミットメントを再確認し、2018年10月に、この基準がどのように暗号資産に適用されるか明確にすることをFATFに求める。
20か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明(仮訳)(2018年3月19-20日 於:アルゼンチン・ブエノスアイレス)
我々は、暗号資産の基礎となる技術を含む技術革新が、金融システムの効率性と包摂性及びより広く経済を改善する可能性を有していることを認識する。
しかしながら、暗号資産は実際、消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する。暗号資産は、ソブリン通貨の主要な特性を欠いている。暗号資産は、ある時点で金融安定に影響を及ぼす可能性がある。
我々は、暗号資産に適用される形でのFATF基準の実施にコミットし、FATFによるこれらの基準の見直しに期待し、FATFに対し世界的な実施の推進を要請する。
我々は、国際基準設定主体がそれぞれのマンデートに従って、暗号資産及びそのリスクの監視を続け、多国間での必要な対応について評価することを要請する。
FATFとは・・・
1989年のアルシュ・サミット経済宣言を受けて設立された資金洗浄(マネー・ローンダリング)対策の国際協調を推進するための多国間の枠組み。2001年の米国同時多発テロ事件を機に、テロ資金対策にも取り組んでいる。G7を含む34カ国・地域、2国際機関がメンバー。(引用:金融庁HPより)
FATFがこれまでに発表している公式文書
G20の参加国では、仮想通貨/暗号通貨に対するアプローチが異なっています。
各国の対応状況は・・・
禁止:
中国、インド、インドネシア
仲介者・取引所への規制:
オーストラリア、イタリア、フランス、アメリカ、日本、スイス
疑わしい取引のみ報告:
アルゼンチン、南アフリカ
法律、制度の準備中:
EU、イギリス、スペイン、トルコ、オランダ、カナダ、ブラジル、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、韓国
FATFは、2018年9月に仮想通貨/暗号通貨の取扱いについての会議を開き、10月には、基準の適用を明確にするための提案を検討しています。
その中で、2015年6月 GUIDANCE FOR A RISK-BASED APPROACH VIRTUAL CURRENCIESの見直しも検討されています。引き続き優先度が高いのは、仮想通貨/暗号通貨の所有者情報の透明性です。