ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)のETFは、日本で組成・販売ができないことが確定しました。
一方で、アメリカでは、30代以下の若い世代が401kとして、ビットコイン(BTC)投資信託を購入しています。
日本とアメリカでは、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)のスタンスが異なり、また将来性について人々の考えが真逆なのではと思う現象と言えます。
金融庁の暗号資産ETFについての考え方
暗号資産 ETF については、ETF 自体が投資信託等である場合、本監督指針改正を踏まえると、国内で組成・販売することはできなくなるものと考えられます。また、海外で組成された暗号資産ETF に対して投資する投資信託等を組成・販売する場合についても、一般的には「実質的に非特定資産と同等の性格を有する特定資産」に該当すると考えられます。
日本では、金融庁の監督の元、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)のETFを組成・販売ができないことが確定的となりました。
FATFガイダンスによって取引所のKYCは強化される
日本は、取引所での新規銘柄の取扱いが難しく、さらに税制面でも、法定通貨へ交換、もしくは別の暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)へ交換(*ステーブルコインは除く)で利益確定したとみなされ、利益部分は雑所得扱いで、損失の翌年繰越などができない厳しい税制となっているため、金融庁などの体制が変わらない限り、普及はとても難しい状況下にあります。
2019年末時点では、日本の取引所に法定通貨入金 → 暗号資産購入 → 海外の取引所へ送付 が気軽にできますが。
2019年6月21日に、FATFが暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)のガイダンスによって、
VASP=取引所などで、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)のやり取りに、銀行での送金業務並の情報を求められるようになります。
送り主と受取人の個人情報を記録すること=トラベルルールにより、2020年6月までに対応が必要で、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)の移動にかなりの制限が出る可能性があります。
個人のウォレット(ハードウォレット、アプリなど)と取引所間でのやり取りで、色々と確認が入るといったことが考えられます。
アメリカのビットコイン投資信託GBTC
暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)の未来については、明るいと考えているけれど、自分で保有するには、手間とリスクが伴うといったスタンスからすると、ビットコイン(BTC)の投資信託は、既存の金融商品と同じ形で、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)へ投資できる、いいとこ取りであり、人気があると言えます。
暗号資産(暗号通貨/仮想通貨)の投資信託で有名なのは、グレースケール(Grayscale)社のGBTC(Bitcoin Investment Trust)です。ヤフーやブルームバーグでもチャートが確認できます。
GBTCは、2013年9月13日に設定されアメリカ籍の受益証券で、ビットコイン(BTC)のみを対象としています。
Is Grayscale Bitcoin Trust a Buy?
ナスダック(Nasdaq)の上記サイトでは、
The Grayscale Bitcoin Trust (NASDAQOTH: GBTC)
という表記があり、そのほかのWEBサイトでは、OTCQXという表記があるので、OTC=Over The Counterでの取引となっているようです。
このGBTCについて、アメリカの世代別調査で面白い結果が出ています。
ミレニアム世代が購入するBTC投資信託
アメリカの投資ブローカーCharles Schwabが、2019年12月4日付けで発表した401k(確定拠出年金・私的年金)での年代別保有一覧で、
株式(Equity)銘柄は、ほとんどが同じ銘柄となっていますが、
・BABY BOOMERS:BOEING
・MILLENIALS:GRAYSCALE BITCOIN TRUST、WALT DISNEY CO
が異なっています。
注目すべきは、30代以下の若者が、401kとしてグレースケールのGBTCを選んでいることです。
アメリカの暗号資産に関する状況レポート
なお、アメリカの大手暗号資産(暗号通貨/仮想通貨)取引所であるコインベース(Coinbase)のブログに、2019年6月末時点でのアメリカの状況をまとめたレポートが紹介されています。
・アメリカ人の15%以上が、近い将来にビットコインまたはその他の暗号資産を「ある程度」または「非常に」購入する可能性が高い
・資産管理大手のフィデリティインベストメントは、5月に機関投資家の22%が既にデジタル資産を所有しており、ほぼ半数がポートフォリオに暗号資産を追加することを検討すると発表した
まとめ
アメリカでは、じわじわと暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)が若い世代から浸透してきており、また、彼らが親世代から資産を相続すると、その投資先として、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)が選ばれ、大きな資金が流入してくる可能性を指摘する専門家もいます。
日本ばかりではなく、アメリカなど先進国の動きも追っておく必要があります。