ヘッジファンド界の帝王レイ・ダリオのビットコインへのスタンス

仮想通貨「億り人」研究会

レイ・ダリオ氏がビットコイン(BTC)についての今のスタンスを公開しました。

レイ・ダリオ氏は、ヘッジファンドのブリッジウォーター社を設立。ヘッジファンド界の帝王と呼ばれており、どんな市況でも安定的な成績を狙う「オール・ウェザー型ポートフォリオ」を提唱している。著書「PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則」では独自の哲学を明かしています。

ビットコイン(BTC)の技術の素晴らしさを認め、10年生き延びて来たことに感心しているものの、ビットコイン(BTC)が成功すると政府からの規制がかかる可能性が高いと懐疑的であることを述べました。

内容については、Linkdinでの記事と詳細が記載されたBRIDGEWATER社のレポートがあるので、両方のポイントを見ていきます。


レイ・ダリオ氏のビットコイン(BTC)について考え方ポイント

ポイントとしては、

・ビットコイン(BTC)は素晴らし発明
・しかし需要や利用用途が不明
・仕組みが固定されているので新しいものが発明され取って代わられるだろう
・供給量は実質的には限られていない、なぜなら新しいものが出てくるため
・台帳技術によりプライバシーがない
・サイバーリスクが高い
・政府が排除する可能性がある
・80%減っても大丈夫な「お金」で保有する
・不確実なミライを持った長期的なオプション

などが挙げられます。

BRIDGEWATER社のレポート

・機関投資家の採用を遅らせている3つの課題
・数年以内に実行される可能性が高いシナリオ2つ
・その際のビットコイン(BTC)の値動き
・ビットコイン(BTC)にとっての最良のシナリオ
・金貯蓄をビットコインに分散した場合のビットコイン価格

などが述べられています。

機関投資家の採用を遅らせている3つの課題

ビットコイン(BTC)が機関投資家の幅広い採用を遅らせる3つの課題として

・非常に不安定な資産で、将来の購買力が投機的とみなされている
・規制のリスクがあり、政府の支援や長い歴史が欠如している
・保有するための構造上の課題がある

を挙げています。

数年以内に実行される可能性が高いシナリオ2つ

アメリカではこれまで、

・銀行がブロックチェーンとステーブルコインの使用を許可された
・匿名暗号資産の使用規制と自己ホスト型のウォレットの規制が提案された

ブロックチェーンの技術が普及していく中で、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)への規制が強化される流れの中にあり、

数年以内に実行される可能性が高い規制としては、

・ビットコイン(BTC)などの暗号資産の使用制限
もしくは
・長期的な資産への信頼を高める規制が整う過程でボラティリティが高まる

その際のビットコイン(BTC)の値動き

どちらにしても価格はジェットコースターのように乱高下することが予測される。

アメリカではほとんどのビットコイン購入者が取引所にお金を出し入れする際に電子送金と銀行デビットに依存していることから予測すると、実務的な目的で投資家の購入を制限する可能性がある。

ビットコイン(BTC)にとっての最良のシナリオ

ビットコインにとっての最良のシナリオは、規制が成熟してビットコインETFなどにより保証と資産へアクセスが容易になることで、機関投資家へのアピールができるようになる。

金貯蓄をビットコインに分散した場合のビットコイン価格

ビットコインと非公開の金の貯蓄を合わせた時価総額の50%が、ビットコインに割り当てられていると想定すると・・・

これまでに採掘されたすべてのビットコインに割り当てられる約1.6兆米ドルになり、理論的には少なくともビットコイン(BTC)価格を160%上昇させる可能性があり、1BTC=85,000米ドルになる。

レポートの最後では、ビットコインは今のところ、潜在的な富の貯蔵所の選択肢というように考えているとしています。

まとめ

レイ・ダリオ氏は、2020年11月時点で、

“I don’t think digital currencies will succeed in the way people hope they would,”
「デジタル通貨が人々が望むように成功するとは思わない」と述べています。
Bridgewater’s Dalio Sees Governments Banning Bitcoin Should It Become ‘Material’より

2021年に入って慎重ではあるもののスタンスが変わってきていることが伺えます。

2020年末のビットコイン(BTC)の最高値更新祭りで個人投資家たちの熱狂がネットやメディア上で溢れなかったのは、古参でビットコイン(BTC)の将来性を確信していて、まだまだ手放す予定がないか、もしくはすでに手放してしまっていたからだと推測されます。

2020年の時点では、2016年2017年のように多くの個人投資家が保有しているのではなく、バブル崩壊によって彼らが絶望し手放してしまったビットコイン(BTC)をアメリカの大企業含めた機関投資家たちが買い集めているのです。

ビットコイン(BTC)を保有しているアメリカ企業の一覧は「Bitcoin Treasuries」から。

機関投資家が保有するようになると、従来の金融商品と同じカテゴリに属することになり、値動きは株式相場との連動率が高まる可能性があります。

保有する上では、レイ・ダリオ氏のような金融界の大御所がどのようなスタンスであるのか?欠かせない情報になります。

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