一代で企業を上場させた創業社長。
そういった方々に、お話を直接聴くと分かる共通点が一つある。
それは・・・上場してから、自分の情報ソースとも言える、情報のボリュームや質が、恐ろしく格段に違った・・・。
口々に揃えておっしゃる。
上場企業の社長になると、今までとはまったく違う質の、事業投資などのお話が舞い込んでくるようになるのだと。
上場前は詐欺案件まがいの、どうでもいい質の情報しか入って来なかったのが、上場後には、本当にいい質の情報が入ってくるようになったと言うのだと。
実際に、上場社長になってはじめて認識することができた「情報格差」。
実際にそのポジションになってみないと、わからない「情報格差」なわけだ。
ここで、僕たちは考えなければならない。
一体なぜ、どうして、そういった「情報格差」が生まれるのか?
同時に、僕たち「生涯収入5億円倶楽部」のメンバーが、自分が創業した会社を上場させて、上場企業の社長になるというような、不可能の実現をさせることなしに、同じ甘味だけを得られる方法は無いのか?
その答えを形づくるものは色々あるのだが、核心を貫き通す答えを一つだけ挙げるとすると・・・。
実は、「情報格差」の根本にあるものが、日本、そして世界に存在する、お金にまつわる様々な「法律」。
「法律」が「情報格差」を産んでいるのだ。
日本の今の法律・制度によると、お金にまつわることは、広く「告知」して呼びかけることができないようになっている。
ビジネスでお金を集めたい。
私募の「ファンド」を立ちあげて、直接金融でお金を集めようとする。
けれども、その瞬間に、法律の管理下の話になる。
人数規制というものが発生する。
特に、「ファンド」の「勧誘」に関する、人数ルールというものは、非常に強烈だ。
たとえば僕たちが「ファンド」という形で、とても良いお話を提案できたとする。
周りみんなに僕たちの会社に、お金を出資してもらえれば、1年後、2年後・・・着実に、大儲けさせることができる類のお話だ。
けれども仮に、この「ファンド」を設立して、告知をする側の人間になった僕たちが、そのまま・・・
僕たち:
「みなさん、会社にお金を出資して下さい!「ファンド」を立ちあげました!出資してくれれば毎年、収益から30%程配当します。ふるって出資してください!」
と、不特定多数の人たちに、呼びかけたらどうなるのか?
不特定多数=100名だった場合。実はその瞬間・・・日本の法律・規制下ではアウトである。
たとえ、僕たちが海外に居住していて、日本に住んでいる人たちに呼びかけてもアウト。
なぜならば、自分の事業に必要なお金を集めるために、「ファンド」を設立した場合、僕たちが声をかけてよい人数に制限があるのだ。
本来僕たちは、法律や規制を念頭においた場合、告知そのものに鬼の制限があるため。大きく告知ができない。
それが、「金融商品取引法」。
金融の歴史的には、最近できた法律であるが、非常に強烈なものだ。
最近・・・昔は無かった・・・つまり、
日本の富の60%以上を所有している、65歳以上の先人たちは、自分たちが儲けるだけ儲けて、後発の僕たちが何もできないように、「格差」の上位と下位が、ハッキリと存在し続けるべく、ガチガチに縛るためにこしらえてくれた、法律の一つなのだが・・・・。
(法律は先人が後発を縛るために、進化成長し続けるものだ・・・)
▼だから「村上ファンド」からのお誘いが来なかった
「50人ルール」から来る「情報格差」。
当然ながら以前は僕も、経験するどころか、存在を認識することができなかった・・・。
たとえば、日本のお茶の間で何かと話題となった「村上ファンド」。
最盛期では4,444億円以上を集め、運用されていたファンドなのだが、当時、僕のところに、「この「村上ファンド」に投資をしませんか?」という投資のお誘いお話は一切来なかった。
ちなみに、あなたの所には「村上ファンド」からお話が来ただろうか?
4,444億円と・・・これだけ大規模なファンドなのに何で僕のところに話が一切来なかったのか?
存在自体、テレビで話題になってから知ったわけなのだが・・・知った後で僕は疑問に思った。
なぜ、僕は「村上ファンド」の存在さえ知ることができなかったのだろうか?・・・と。
2004年の、あの時は答えを導き出せなかったけれど、今なら明確に答えを言える。
それは、日本には「50人ルール」が存在するからなのだ。
実はあの「村上ファンド」への最低投資金額は、「10億円」と言われていた。
「10億円」以上の投資資金を、軽く捻出できるレベルの資産を持っている、ごくごく一部の「S級大富豪」たちにしか話は来ない。。。そんな超ハイレベルな投資案件だったというわけだ。
なぜ当時僕に「村上ファンド」の話が来なかったのか?
参加方法さえ分からなかったのか?
・単なる縁故やコネクションの問題だったのか?
・村上世彰氏が有名人だけを相手にしていたのか?
・「村上ファンド」が大人気だったからなのか?
当時は色々考えてみは見たのだが、どれも正解ではなく、本質を貫いてはいなかった。
本質から来る理由は日本の法律がそうさせているから。
「50人ルール」が存在するからだ。
日本の法律では、一つの「投資案件」あたりにお金を出して臨む投資家の数が、増えれば増える程、様々な規制が発生し、監視が厳しくなる。そんな仕組になっている。
例えば、僕たちが一般人が、「日本国内の上場企業の株を買う」・・・という投資案件に臨む場合、必ず野村證券なんかの証券会社に口座を開設する必要がある。
さらには、その証券会社は、金融庁や証券取引等監視委員会(略称:SESC)の、厳重な監視下で運営されなければならない。
一方、「知人の株式会社の株を買う」・・・という類の投資案件に臨む場合、これは口約束でなされることが多い。
当然、増資の登記などが必要になるが、この手の投資案件に対して、「50人ルール」さえ厳密に守れば、金融庁などから監視されるということはまず無いことが分かった。
「情報格差」の正体を追求する上で、法律を勉強して行く過程で、重要なポイントが見えて来た。
▼「情報格差」を生み出すファンドの「50人ルール」
法律の下において、「50人ルール」というものが存在する。
証券会社を通さない類の、金融庁や証券取引等監視委員会の監視下以外の方法で、ファンドを組む場合、そのファンドの運営者は、たったの49人にしか投資の勧誘として声をかけては行けない。
投資に参加できる人の数が49名では無い。
声をかけて良い人の数が49名なのだ。
これが「50人ルール」だ。
仮に「50人ルール」を破ってしまうと・・・「継続開示会社」と位置づけられて、極めて大きな義務を負うことになる。。。
たとえば、告知した相手が51人になってしまった場合・・・金融庁に対して、毎期、毎期、監査法人の監査を受けて、報告書を出し続けなければならないとかの義務が発生する。
そして、これはお金がものすごくかかる。。。
単に維持をし続けるだけで、毎年最低1,000万円のコストがかかるレベルのものだ。
そうなってしまったら、まずその私募ファンドは、高い確率で破綻するだろう・・・。
お金を集めるために声をかけることの「人数規制」。
絶対に守らなくてはならないのだ。
しかも、この「50人ルール」というのは、実際にお金を出資してくれた株主が、50人増えると適用されると勘違いしている人もいるが。
これは違う。
あくまでも、告知ベースで「50人」である。
この「50人ルール」が、「情報格差」を生み出している根源なのだ。
50名以上の投資意欲を持った投資家たちに「声をかけられる」ようにするには、どうすればいいのか?
それは、沢山のコストをかけて、証券会社を通して、金融庁や証券取引等監視委員会(略称:SESC)の厳重な監視下で運営される、公開できるファンドの形にしなければならない。
つまり、お金を出してくれる人たち・・・投資案件に参加する投資家たちが、増えれば増える程、高い運営コストのかかる体制が必要になってくる。。
そんな法整備がされている。
声をかける相手が50名を超えてしまうとお金を集めるための効率が悪くなっていく。
従って、「お金を集める側」としては必然的に、「できるだけ少人数の投資家から、できるだけ多くのお金を集めたい」と、考えるようになるというわけだ。ごくごく自然に。
「なるほど・・・。」
この部分を把握できた時に、僕たちのところに「村上ファンド」からのお誘いが来なかった理由が理解できる。
たとえば僕が「孔明ファンド」として「私募ファンド」を立ち上げた時・・・
仮にたったの49名しか「声をかける」ことができないのだとしたら・・・
まず自分の手元にある電話帳をざっと見渡して、明らかに現金を出せないレベルの方々を候補から排除する。
僕の知っている人の中から、現金を持っていそうな上位49名から順番に声をかけて行くはずだ。
「村上ファンド」も、それと同じだったわけだ。
声をかけて、着実に10億円の現金を調達できる人。
たとえば、「物販大富豪」のような方々にしか、声がかからなかったわけだ。
これが、上位側の人間である、大富豪や企業を上場させた社長さんの所には次から次へと「情報」が舞い込むのに、下位側の人間である、僕たちの所には「情報」が入ってこない。
極めて大きな「情報格差」が、発生し続ける理由だったのだ。
「50人ルール」。
僕たち「生涯収入5億円倶楽部」のメンバーは真剣に向き合い、重要性を理解しなければならない。
「50人ルール」を知り、理解できてはじめて。
今まで認識自体ができなかった「情報格差」を、認識できるようになり。
その結果、僕たちの思考を、上位側の人間の方に、シフトさせることができるのだから。