ICBCマカオ法人口座のインターネットバンキング各種操作法

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マカオ法人を設立して、マカオ法人名義の銀行口座を保有する際に、ICBC(Industrial and Commercial Bank of China Limited)マカオを利用する場合があります。今回は、ICBCマカオ法人口座インターネットバンキング操作、口座取引明細を確認する場合、口座内で両替する場合、ICBCマカオの他の口座へ送金する場合、ICBCマカオ以外の口座へ送金する場合についてです。

ICBCマカオのインターネットバンキングは、現状でトークン(U盾)を利用した送金などは、Windowsのみで実行が可能となっています。海外金融機関は、Windowsのみの対応や、ブラウザがFirefox限定などの場合がありますので、口座開設時にインターネットバンキングの操作環境について確認しておく必要があります。

口座取引明細を確認する場合

Check Current A/C→Check Details in current A/C
をクリックして、

Windows XP Professional 4

表示された画面で、

・残高を確認したい口座番号
・期間
・データの形式

を指定してデータをダウンロードする。

日付、詳細、取引金額、口座残高、備考
が明記されたものを確認することができます。

口座内で両替する場合

Internal Transferを利用します。

Windows XP Professional 3

両替元の口座と両替先の口座を指定し、
両替希望金額を入力します。

営業時間内であれば、即時に口座に反映されます。
営業時間外であれば、取引エラーが表示されますので、改めて取引指示を出す必要があります。

ICBCマカオの他の口座へ送金する場合

External Transferを利用します。

Windows XP Professional 2

受取人の名義を入力しますが、ローマ字表記ではエラーになる場合があるので、漢字表記も合わせて確認しておくと送金に支障がでる可能性を軽減させることができます。

ICBCマカオ以外の口座へ送金する場合

Remitを利用します。

Windows XP Professional
送金先、通貨などを指定し、入力します。

    注意事項としては

  • ヨーロッパへ送金する際には、IBANとSORT CORDが必要になります。
  • カナダに送金する場合は、受取人住所の”市”まで明記が必要になります。
  • 午後2時までの送金指示が当日中処理、それ以降は翌日処理になります。
  • 送金金額には、着金手数料などが含まれています。全て送金者負担にしたい場合には、Reference欄に「I will take the responsibility to pay all the intermediary bank fees.」を明記する
  • 1,000HKD未満の送金の場合は、各種手数料を差し引くと、受取人に資金が届かない場合があります。
  • 中継銀行(インターバンク)情報がある場合には、Reference欄に明記してください。
  • MOP(マカオ・パタカ)の海外への送金指示はエラー処理になり、各種手数料は戻りません。

ICBCマカオのインターネットバンキング総評

HSBC香港、HSBCシンガポール、OCBCシンガポール、DBSシンガポール、UOBシンガポール、Citiシンガポール、StandarCharterd香港、Maybankマレーシア、RHBマレーシア、CIMBマレーシア、BDOフィリピンなどのインターネットバンキングの操作経験がありますが、ICBCマカオは、上記の操作種別さえ覚えてしまえば、比較的操作性に優れているといえます。送金先を事前に登録する必要がなく、また送金上限額の設定などがないので、即時に送金したい場合などに重宝しています。

中国工商銀行のラブアン支店設置

中国工商銀行(Industrial and Commercial Bank of China Limited:ICBC)が、マレーシアのラブアン島に支店を開設しました。

ラブアン島は、マレーシア政府が直轄する島で、1990年に金融サービスセンターLabuan Offshore Financial Services Authorityが設立され、マレーシアのオフショア地域として発展しています。

ラブアン法人の大きな特徴としては、法人税に関して優遇されており、

・監査済みの純利益の3%
・もしくは定額の2万RM

どちらかを選択し、納入できる点、ラブアン法人自体での投資活動は、課税対象にはならなく、またラブアン法人からの配当金、外国人取締役への報酬が免税となる点です。

ラブアン法人の設立要件は、

株主:最低1名
取締役:最低1名

なので、マレーシア法人を設立するよりも、ハードルが低いです。

ただ気をつけなければいけないのは、ラブアン法人は、マレーシア国内法人と取引をすることができないことです。

マレーシア法人を相手先として、マレーシア・リンギットでの決済をすることができないのです。

それに伴って、ラブアン島で開設可能な銀行口座は、基本的にリンギット口座ではなく、米ドル口座となります。

中国工商銀行は、資産額世界1位の銀行

中国工商銀行は、1984年1月1日設立され、中国建設銀行、中国銀行、中国農業銀行とともに中国四大商業銀行の中の1つです。

アジアだけではなく、ヨーロッパにも展開しています。

2015年8月に、米調査会社「SNLフィナンシャル」が発表した世界の銀行の総資産を比較したランキングでは、中国工商銀行は、総資産3兆5,000億ドル(約435兆円)として、1位となっています。

私が管理しているマカオ法人は、ICBCマカオに口座を持っています。

・香港ドルの口座
・米ドル、日本円の口座

の2つがあり、それぞれ、別の口座番号となっています。

ネットバンキングのシステムは、Windowsのみに対応で、Macには未対応となっています。

口座明細の確認や、送金先登録などの操作は、ログインIDとパスワードのみで可能で、送金や両替など、お金が動く取引の時に、e-トークンと取引パスワードが必要となります。

HSBCやOCBCのように、ログインの際にトークンが必要とならない点は、こまめに口座情報を確認できるので便利です。

資金受取で注意が必要なのは、米ドル・日本円口座など、1つの口座番号で複数通貨対応となっている場合、送金時に、備考欄などに受取通貨種別の明記が必要になることです。

指定しなければ、銀行から受取通貨指定について連絡が入り、所定の書類にサインをして提出が必要となるので、書類発送の手間と費用と着金確認までの時間がかかってしまいます。

急ぎでの入金がある場合には、事前に送金元に情報を伝達しておかなければなりません。

photo credit: Remko Tanis via photopin cc

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