BDO Unibankは、フィリピン最大手の銀行。フィリピン国内に814以上の支店、2,263台以上のATM展開しており、コングロマリットのSMグループ傘下の企業となる。フィリピン証券取引所に「BDO」として上場しており、インデックス銘柄にも採用されている。そのBDO Unibankが販売している投資信託と預金口座の利率について今回はみていくことにする。
BDOの定期預金口座の利率と取り決め
最低預金額は、1,000PHP
フィリピンペソの定期預金の利率は、2015年4月15日現在下記になっている。
30日・60日・90日・180日・360日の満期設定があるが、定期預金を組んだ後に取り崩した場合、
満期までの期間の半分以前に解約した場合は、利率については普通預金口座の利率が適用され、
満期までの期間の半分以上での解約した場合には、本来の50%の利率が適用される。
ちなみに、利子に課税される税金利率は、20%となる。
定期預金口座は、ホームローンやクレジットカードの担保として利用でき、Philippines Deposit Insurance Company(PDIC)の補償により、1つの口座につき、50万フィリピンペソまで保護されるので、すぐに利用する予定がないお金の預け先の選択肢となる。
BDOの普通預金口座のOPTIMUM口座
BDOには、OPTIMUM口座という普通預金口座がある。単に呼び名が変わっているだけではなく、定期預金に近い金利が適用されるのが特徴となる。
口座開設時の最低預金額は、個人:30,000PHP 法人:50,000PHP
利率は、
299,999PHPまで :なし
30,000から99,999PHPまで :0.25%
100,000から499,999PHPまで :0.375%
500,000から999,999PHPまで :0.500%
1,000,000から4,999,999PHPまで:0.625%
5,000,000PHP以上 :0.75%
普通預金口座なので、お金の引き出しが可能で、1ヶ月に3回まで手数料なし。4回目からは、手数料として110PHPかかる。BDOのATM以外を利用して引き出した場合には、2回分としてカウントされる。また、ATMカードに付帯しているデビット機能を使った決済の場合には、手数料として1回110PHPかかる。
今のところ使う予定はないけれど、近い将来使うかもしれないし、定期を組むのは面倒。金利は少し欲しいという場合には、このOPTIMUM口座が選択肢に入ることになる。
BDOが販売している投資信託(UITF)
BDOで投資口座を開くことで購入が可能となる投資信託がある。Unit Investment Trust Fund(UITF)と呼ばれている。投資対象が、通貨、債券、株式の投資信託があり、1年以下の短期には、通貨をメインとした投資信託、1年から3年の中期には、債券をメインとした投資信託、3年以上の長期には、株式をメインとした投資信託が適しているとされている。
投資家たちが共同で出資した資金を、信託(Trust Entity)が無期限で、運営・運用するものとなる。
UITFの2014年度の実績は、
通貨メイン:BDO Peso Money Market Fund
:100,000PHPから購入可能
1年の運用益:1.10%、3年の運用益:6.03%、
5年の運用益:13.54%、設定以来の平均:3.99%
債券メイン:BDO Peso Fixed Income Fund
:10,000PHPから購入可能
1年の運用益:0.80%、3年の運用益:12.87%、
5年の運用益:35.31%、設定以来の平均:6.74%
株式メイン:BDO Equity Fund
:10,000PHPから購入可能
1年の運用益:22.25%、3年の運用益:67.92%、
5年の運用益:158.03%、設定以来の平均:16.36%
通貨メイン:BDO Dollar Money Market Fund
:2,000USDから購入可能
1年の運用益:1.25%、3年の運用益:4.93%、
5年の運用益:8.89%、設定以来の平均:3.06%
債券メイン:BDO Medium Term Dollar Bond Fund
:2,000USDから購入可能
1年の運用益:4.72%、3年の運用益:10.22%、
5年の運用益:23.61%、設定以来の平均:6.64%
株式メイン:BDO Global Equity Managed Feeder
:2,000USDから購入可能
不明
口座開設・投資信託の購入などは、BDOのジャパンデスクに問い合わせると詳細を教えてくれる。
購入可能金額は、10,000PHP、100,000PHP、2,000USDと設定されているが、毎月一定額を積立る形で購入可能金額が貯まった時点で買付ということもできる。ちなみに、手数料の規定はなく、基準価格に全て含まれており、いつからでも開始が可能で、さらにいつでも解約が可能とのこと。香港の長期積立などは、一定期間の強制積立期間があり、毎月手数料が発生するので、それと比較すると魅力が高いということができる。
Mutual FundとUITFとの違い
フ証券会社で販売されているものとの大きな違いは、発行元と監督機関。
UITFは、
発行元が、信託銀行
監督機関が、BSP(Bangko Sentral ng Pilipinas)フィリピン中央銀行
Mutual Fundは、
発行元が、投資会社
監督機関が、SEC(Securities and Exchange Commission)証券取引委員会
ちなみに、どちらも投資商品なので、PDIC(PDIC: Philippine Deposit Insurance Corporation)保菌保険機構による保証はない。
また、フィリピン国内でのお金の使い方に関するアンケートの結果、フィリピン人は、収入以上にお金を使ってしまうのが、43.8%、収入を同じくらいお金を使ってしまうが、51.5%、収入以下に使いのが4.6%という回答が出た。アンケート対象者の95%が貯金をほとんどしていないということになる。驚くべきことだが、これからお金に関する教育がどんどん進むことになり、投資関連商品へのお金の流入は大きくなりそうだと感じた。