2009年6月から右肩上がりの成長を続けてきたマカオのカジノ売上。
2014年6月には、5年ぶりにワールドカップの影響などもあり、前年同月比3.7%減。2014年7月には、前年同月比3.6%減となりました。そんな状況の中、中国の銀行を結ぶ決済ネットワーク銀聯(ユニオンペイ)からマネーロンダリングについて、取り決めが発表されています。
▼持ち出し制限も
ラスベガスを抜いて、世界1位のカジノ大国(地域)となったマカオ。
躍進の大きな要因の1つに、中国経済の発展に伴う、中国人富豪の存在があると言われています。
いくら、中国国内で中国元を保有していても、
・中国本土からの現金持ち出し
中国元:2万元、外貨:1万USD相当まで
・マカオのATMでの現金出金
1日1万元まで
など規定があるので、札束を持って行くにしても、マカオで現金を引き出すにしても金額が少ないです。
(中国からマカオへの現金持ち出しは、カジノ奨励のために無制限であるという話がありますが、真偽の程は確かではありません。)
では、どのようにマカオで自由にお金を使っているのか?
1つの方法として、マカオで、クレジットカードの現金化サービスを利用しているのです。
マカオのカジノ周辺で、夜遅くまで営業しているセレクトショップや質屋などでは、時計、宝石、バックなどを販売後、すぐに買戻して、現金を手渡すというサービスがあります。お店は、買い戻し時に手数料などを差し抜くことで、儲けることができる仕組みになっています。
適正な取引とは言いがたいこのサービス。2014年上半期、銀聯(ユニオンペイ)システム経由での違法取引が、1.8億パタカ=約23億円に上っているとマカオ警察当局が明らかにしています。
この状況から、銀聯(ユニオンペイ)は、銀聯カード兌換業務停止を決定し、マカオ金融管理局が、マカオのカジノ内で営業する宝石店や質屋に対し、7月1日までに銀聯(ユニオンペイ)の
決済端末を撤去するよう命じました。
それに伴って、香港株式市場に上場しているマカオカジノ関連株
・サンズ・チャイナ
・ギャラクシー・エンターテインメント・グループ
・SJMホールディングス
・ウィン・マカオ
・MGMチャイナ
・メルコ・クラウン・エンターテイン
の株価は、軒並み下落しました。
翌日には、規制までに時間がかかるということで、買い戻されましたが、今後、銀聯(ユニオンペイ)の規制が、マカオのカジノ売上へ与える影響がどれだけか。数字に注目していきます。