各国のPaypalアカウント状況

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オンライン決済で導入するAPI

ネットで商品を販売する際に利用する決済システムとしては、Paypalが有名ですが、国内でもWebPayとFastPayが同じ機能を提供しています。WebPayとFastPayとPaypalの各条件をみてみました。

API(Application Programming Interface) とは、アプリケーションプログラミングインタフェースです。

「WebPay」

WebPay 開発者向けクレジットカード決済サービス

初期費用、月額費用は無料

決済手数料は、
Visa、MasterCard:3.25%
JCB、American Express、Diners Club:3.40%+10円

(2014年3月31日までは、3.4%+30円)

「FastPay」

Yahoo ウォレット FastPay

初期費用、月額費用は無料

決済手数料は3.25%
サイト内にコードを埋め込むだけで、カード決済機能を導入することができる決済API。
Yahoo!JAPAN IDで利用できるサービスです。

Visa、MasterCardが現在利用可能で、
JCB、American Express、Dinersは、今後対応予定です。

「Paypal」

初期費用、月額費用は無料

・30万円まで:3.6%と40円
・30万1円から100万円まで:3.4%と40円
・100万1円から1千万円まで:3.2%と40円
・1千万1円以上:2.9%と40円

Visa、MasterCard、JCB、American Expressに対応しています。

各国のPaypalアカウント状況

「FastPay」「WebPay」は、ともにPaypalの決済手数料を基準として、それよりも安くなるように設定しているように見えます。複数のオンライン決済のためのAPIがあれば、状況に応じて使い分けすることもできるので、今後注目していきたいと思います。

各国の法人口座を開設した後に、Paypalのアカウントも開設をしています。

法人の代表者氏名でアカウントを開設して、そこに法人名や口座を登録することなります。

日本・マレーシア・香港・シンガポール・マカオ・BVIなど

Paypalは上記のどの法人でもアカウントを開設することができますが、どの地域の銀行口座でも登録が可能かというとそうではないケースがあります。

香港・シンガポールの場合

代表者もしくは法人のクレジットカードの登録してから、もしくは法人の現地銀行口座を登録してから、1週間以内にPaypalから振り込まれる少額の預入金を口座明細で確認をし、認証画面でその額を入力することで、認証が完了します。

認証が完了することで、8万円などの送金制限、35万円などの引き出し制限などの設定がなくなり、他のPaypalアカウントへの送金登録した銀行口座への引き出しが可能になります。

マレーシアの場合

法人の銀行口座登録の前に個人もしくは法人クレジットカードの登録・認証が必須になるとのこと。

クレジットカード申請・登録後、カードにPaypalから課金された少額の数字を明細から確認し、サイトのカード認証画面に入力します。

その認証が終了するまでは、アカウントへ登録した銀行口座へも送金することができない状態となります。

マカオの場合

登録することができる銀行に制限があります。

アメリカと香港と中国の銀行が指定可能で、中国の銀行でも登録が可能なのは、

中国元で引き出す場合は、

中国工商:ICBC、中国招商:CMB、中国建設:CCB

送金扱いで、USDで引き出す場合は、

中国国内13行

となり、マカオ域内の銀行口座を保有していても登録できなかったりもします。

また複数の国のアカウントを同じ代表者で保有している場合には、Paypal担当者からアカウントを確認した旨連絡が入ることがありますが、特に優遇されるというわけではなく、取引手数料(マーチャントレート)については、各国のアカウントでそれぞれ申請する必要があります。

取引手数料(マーチャントレート)の基準は、Paypalアカウントで月に受け取る金額で決定されます。

日本の場合

・30万円まで
3.6%と40円
・30万1円から100万円まで
3.4%と40円
・100万1円から1千万円まで
3.2%と40円
・1千万1円以上
2.9%と40円

シンガポールの場合

・5千シンガポールドル(以下SGD)まで
3.4%と0.5SGD
・5千1SGDから1万5千SGDまで
2.9%と0.5SGD
・1万5千1SGDから15万SGDまで
2.7%と0.5SGD
・15万1SGD以上
2.4%と0.5SGD

マレーシアの場合

・1万2千マレーシアリンギット(以下MYR)まで
3.4%と2MYR
・1万2千1MYRから4万MYRまで
2.9%と2MYR
・4万1MYRから40万MYR
2.7%と2MYR
・40万1MYR以上
2.4%と2MYR

香港の場合

・2万5千香港ドル(以下HKD)まで
3.4%と2.35HKD
・2万5千1HKDから7万5千HKDまで
2.9%と2.35HKD
・7万5千1HKDから75万HKDまで
2.7%と2.35HKD
・75万1HKD以上
2.4%と2.35HKD

シンガポール、マレーシア、香港など海外に比べ日本は手数料が高額に設定されています。基準を達成したから、そのレートが継続適用されるかというとそうではなく、毎月の売上によって自動的に変動します。

%での課金となるため、高いと感じますが、(100万円受け取ったら、2万4千円から3万6千円程度)海外法人で日本向けに情報や商材を販売した際に、海外法人名義の銀行口座へ海外送金をしてもらうなど手間や手数料を削減することができるので、Paypalなどオンライン決済サービスは、海外法人を運営していく上では、まず導入を検討すべきひとつのサービスになります。

Paypalの定期購読管理

Paypalで月額課金(定期購読)でのサービスを提供している時、取引明細をダウンロードするだけでは、決済が滞っている人がすぐには特定できません。Paypalには、定期購読のリストをダウンロードできるサービスが備わっています。リストを活用することで、より手軽に定期購読の管理が可能となります。

定期購読リストのダウンロード方法

取引履歴→レポートツール→定期支払・ユーザー個人設定
→オンデマンドのレポート「アクティブ」で表示をクリック
→30秒程度でリストが表示→PDF、CSV、Excel、TABの各形式でダウンロードが可能

PayPal

User2 PayPal

User PayPal 2

個人設定ID・説明・支払者名・ステータス・前回支払額・残高・次回請求日が一覧で過去30日間に取引のあった定期支払設定の詳細がダウンロードできます。

Excel形式は、3行で1つの決済が表記されており、加工する際に手間がかかるので、私は、CSV形式でダウンロードし、活用しています。

支払者のメールアドレスは、リストには掲載されていないので、個人設定IDから特定する必要があります。支払い通知メールには、個人設定ID・支払者名・メールアドレス・金額が明記されているので、個人設定IDでメール履歴を検索するのが早いかと思います。

定期購読リストの活用方法

リストでは、「残高」が明記されているので、支払い滞納者をすぐに特定することができます。メールアドレスを確認して、定期購読設定の画面から、次回に残高を請求するにチェックを入れることで、クレジットカードの決済が可能になった時点で、まとめて課金することが可能となります。

また、Paypalのシステム変更などの影響で、まれに、次回請求が滞ってしまっている場合があります。その場合には、各定期個人設定の画面で、設定を一時停止→再開すると請求が再開されるようになります。

CSVファイルが文字化けしていたら

ダウンロードとパソコンの環境によっては、CSVデータをそのまま開こうとすると、文字化けしてしまっている場合があります。

その場合は、まずテキストアプリの「txt」で、CSVデータを開き、txt形式で保存します。その後、その「txt」データをExcelで開くことで文字化けを解消することが可能になります。

Menubar と テキスト ファイル ウィザード 1 3

Menubar と テキスト ファイル ウィザード 2 3

Paypalの取引履歴を会計監査に利用する場合

ネット系企業に強い!という会計事務所があれば、そちらに依頼をするのが良いと思いますが、なかなか海外でそれをセールスポイントとして掲げている会計事務所はありません。事務所を構えている場所から近いもしくは知人の紹介などで事務所を選ぶことが多いと思います。その場合、月もしくは年の会計処理の時にPaypal取引履歴を提出すると、用語がわからないと連絡があるケースがあります。

PaypalのHPに用語解説がありますが、そこでも明示されていないものがあります。
Recurring payment received
Reserve Leave
Reserve hold
temporay hold
Update to payment
について問い合わせを受けました。

毎月Paypalの取引内容を確認して、メモしていれば問題ないですが、半年などおいた状態にしていると何の決済だったかわからなくなるケースがあります。海外のPaypalアカウントで商品名などを日本語表記についてる場合は、Paypal取引履歴をダウンロードした時に文字化けしており、さらに顧客名についても漢字表記だった場合には、文字化けする可能性があります。

そのため、1ヶ月に1度程度は、取引内容をチェックして、明細をダウンロードして保存しておくのが良いと思います。またPaypalの取引履歴をそのまま会計事務所に渡しても詳細が不明な取引があった場合には、都度確認が入りますので、月ごとに取引をまとめて、文字化けしているものは修正、残高を明記するなど加工してから提出すると、よりスムーズに会計処理が進みます。

会計事務所の体制にもよりますが、Paypal取引明細だけでは不十分で、注文を受けた時のメールの画面キャプチャ画像もしくは、請求書PDFの提出を求められることがあります。この場合は、すべて準備するのはかなり時間がかかるので、Paypalの注文メールが届く用のメールアドレス(Gmailなど)を準備しておいて、会計事務所と共有するのも有効な手段の一つと思います。

Paypalのアカウント認証

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2015年10月頃、マレーシアのPaypalで、法人口座に関して、新規口座開設だけではなく、既存の口座についても、

口座名義人の

・身分証明書
・住所証明書
・ビジネス証明書
・ビジネスの受益者明細

の提出が求められています。

具体的には、

– SSM Ownership Information (SSM Matlumat Pemilik Masa Kini);
– SSM form 24 return of Allotment of Shares;
– SSM form 48A statutory declaration as director;
– SSM form 49 particulars in register;
– Memorandum/Article of Association;

のような書類になります。

またPaypal口座を操作する人が、企業オーナーや取締役でない場合は、操作を承認する会社書類を作成して、提出する必要があります。

いままで、法人口座を開設する時には、法人に関する書類の提出は必要ありませんでしたが、規定が厳格化されて、提出が必要になったようです。

元々、銀行引き出しやクレジットカードへの引き出しの限度額を解除するためには、

銀行口座の登録・認証、
クレジットカードの登録・認証

どちらか、もしくは両方が必要となっていました。

今回の確認では、銀行口座、クレジットカードの登録・認証が以前に完了していても、引き出し限度額が、60,000円相当までとなっており、今回、この法人情報の提出が必要になっています。

理由は、KCY

Know Your Customer(KCY)programが、今回の書類確認の理由として挙げられています。

KCYはガイドラインで、金融機関などの顧客確認プログラムで、金融機関のリスク管理のためまた、マネー・ロンダリング防止のため顧客情報の精査を目的としています。

犯罪行為に対する防止策を適切にとっていない金融機関などは、多額の罰金が課せられるので、チェック体制を厳しくなっているのです。

ただ、金融機関によるチェックを強化しても、提出された情報がホンモノかどうかを確認するすべがないので、便宜を図っている場合などは、見つけることができないという欠点があります。

日本でも、証券会社にマイナンバーの申請が2018年までに必要となっているように、Paypalでも、販売者として口座を利用する場合は、各情報の提出が義務化される可能性があります。

要求されるタイミングは突然なので、資料を整えるたり、認証してもらうのに、予期しない時間が必要となる可能性があるので、口座に入っているお金は、早いタイミングで移動させておくなど、いつでも大丈夫な心構えをしておく必要があります。

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