日本円を外貨に両替しておく必要性

サラリーマンのキャッシュフローと資産分散

FX(外国為替証拠金取引)。

国際決済銀行の発表によると、2016年4月時点で、FXの1日の取引規模は、5.1 trillion米ドル=5兆1,000億米ドル=約500兆円とされている。(出典:BIS:Foreign exchange turnover in April 2016より)

東京証券取引所全体の1日の売買高が、2兆円規模であるのと比較すると、流動性が高いことが分かる。

FXで、勝てる方程式を見つけられたら、錬金術を手にしたと同じ。複数国家で、それぞれの通貨が存在し、為替が概念があり続ける限り、いつでもお金を手にでき、お金に困らないことを意味する。

そのため、多くの人が、FXの錬金術を求め、取引に参加している。相場は、ゼロサムゲーム。常に、勝者がいれば、敗者がいる。投資に興味があるメンバーであれば、一度は、FXの取引をしたことがあるだろう。希望を胸に取引したほとんどの人が、手持ち資金を溶かしてしまい、市場からの撤退を余儀なくされる現実がある。

中には、高レバレッジを効かせて、取引していたために、全ての資産を溶かしてしまう人も多く出たため。

日本国内では、金融庁より、2010年8月1日より最大レバレッジ50倍の規制。2011年8月1日より最大レバレッジ25倍の規制が導入されている。

ビジネス・投資の世界で、一度飛ばすことなく、46年間生き残ってきた北の物販大富豪こと北野会長が、若かりし時、当時の「鷹」に、

「FXと商品先物などは、手を出すな!あれは詐欺だから。」

と教わり、その訓えを今日まで、守り通されているように。

勝者は、ごくごく一部であり、資金量が多くない、個人投資家には、レバレッジを効かせたFXは勝てない投資なのだ。

為替について考える

FXをしている時だけではなく。僕たちが普通に暮らしているだけで、為替は大きく僕たちの生活に関わって来る。マレーシア・ジョホールバルを拠点に、シンガポール、香港、中国本土、フィリピン、タイ・・・日本とアジア各国を中心に、移動しながら現地に身を置いているだけでも、今世界は非常に大きく変化を遂げる過渡期にあることを肌で感じている。

日本国内の2極化が、大きく進んでいるような気がする。為替を知らず、日本国内の日本円の給料収入に一喜一憂している大多数の方々。為替を知り、為替をフルに活用して、巨億の財産をさらに増大させている、ごく一部の富裕層。

為替を知り活用しているか、いないか?

たったそれだけの違いだけでも、「金融資本主義」の中での明暗を大きく分けてしまうような気がする。為替に絶対は無い。

ただし、年間80兆円を超える、日本銀行による量的質的金融緩和政策の中で、日本という国の、日本円という通貨の価値が、今後大きな動きを見せる可能性がある。つい数年前まで、1米ドル=80円だった日本円が、最近では1米ドル=110円になっている。

今後、量的質的金融緩和政策が進んでいくと、為替がどうなっていくのか?レバレッジを効かせた一か八かのFXに臨むのではなく、為替の行方を追跡していく必要がある。

為替が僕たちの日常生活に与える影響

為替の影響というものは、僕たちが思っている以上に、僕たちの生活に影響をおよぼす。日本円の価値が高くなると、海外からの輸入商品の値段が、下がる。日本円の価値が低くなると、海外からの輸入商品の値段が、上がる。

例えば、アメリカから輸入する1つ2米ドルの商品。

1米ドル=80円なら、1つ160円
1米ドル=110円なら、1つ220円

米ドルと日本円の為替レートの違いで、60円の差が出ることになる。

円高になれば、より少ない日本円で、海外の商品が購入できるが、円安になれば、より多い日本円が必要になる。
円安になれば、海外からの輸入品の価格が上昇するので、より多くの日本円が必要になる。

海外居住者となり、海外でビジネス・投資の活動をする中で、為替による影響の大きさをリアルに感じているが。

間違いなく、日本に居住・勤務されているメンバーにも本来は関係することになるはずなのだ。為替が大きく動くことで、ビジネス自体が存続できなくなることもある。

平成22年(2010年)から平成24年(2012年)まで、1米ドル=80円台だったものが、平成28年(2016年)には、1米ドル=110円台を付けた。1米ドルを手にするのに、30円余分に必要になるので、27%円安が進んでいることになる。

日本は、デフレの環境下に長かったため、物価が大きく上昇しておらず、円安になった実感が、国内で生活していると少ないかもしれない。

日本銀行による量的質的金融緩和政策で、市場へお金が大量に供給され、さらに、マイナス金利政策によって、銀行での預金利率が、低くなってしまったことから、お札を銀行から引き出し、自宅で保管するタンス預金の増加し、市場に出回るお札の量が、2016年12月20日時点で、100兆円を超え、過去最大規模になっている。

以前に比べて円安水準になり、市場にお金が大量に出回っているが、サラリーマンの給料には、ほとんど反映されていない事実がある。

厚生労働省の「平成28年賃金構造基本統計調査結果の概況」によると、一般労働者男性の賃金は、

平成9年から平成28年まで、326万円から340万円の間になっていて。

為替レートが大きく動いた、平成22年から平成28年までは・・・

平成22年:328万2千円
平成23年:328万2千円
平成24年:329万円(前年比+0.2%)
平成25年:326万円(前年比-0.9%)
平成26年:329万6千円(前年比+1.1%)
平成27年:335万1千円(前年比+1.7%)
平成28年:335万2千円(前年比+0.0%)

約27%日本円の価値が、下落しているけれど、給料は、平成22年から平成28年までで、約2%しか上昇しておらず、日本の外から見ると、給料は、実質的に下がってしまっている。

グローバル世界が当たり前になった今日では、為替は僕たちの日常生活に密着した存在になっている。

日本の銀行で取り組む外貨預金

現役サラリーマンとして日本の企業に就職し、サラリーマンの信用・信頼を活かして、銀行ローンでマイホームを購入していると、人生のほとんどを賭けたような、日本一点集中の投資をしているので、日々の生活では、あまり感じないかもしれないが、日本円の動向に全てが左右されてしまう。

2020年の東京オリンピックに向けて、日本銀行による量的質的金融緩和が継続していくと・・・果たして、日本円の価値は、どうなっていってしまうのか?

平成22年から平成28年までの日本の為替水準の推移を見れば、自ずとその流れが分かるだろう。

今からのタイミングで、日本一点集中の状況を脱するための1つの手段は、日本の銀行で、日本円を定期的に他国通貨に両替することになる。

FXとして、レバレッジをかけた取引をするのではなく、日本円を外貨で両替して保有しておくのだ。低金利の日本円に比べて、他国通貨は金利が高いケースが多く、定期預金を組むにしてもお得になる。

さらに、為替動向によって、円安が加速していけば、差益が期待できる。

たとえば、1米ドル=100円で、100万円を両替し、1万米ドルにしていた場合。

のちに、1米ドル=120円になったら・・・1万米ドル=120万円に。

反対の側面もあり、円高になってしまうと、元本割れになるケースがある。

1米ドル=80円になったら・・・1万米ドル=80万円に。

円安になると、対日本円の金額が増え、円高になると、対日本円の金額が減る。

また、日本の銀行で、他国通貨を保有するリスクは、預金保険の対象外になるということ。

日本の銀行で、日本円を預金していて、銀行が破綻してしまった場合は、預金者を保護する「預金保険制度」の元、1つの金融機関につき

・預金者1人あたり元本1,000万円まで
・その利息

が保護の対象になる。

けれども、外貨預金は、預金保険の対象外になり、銀行が破綻してしまったら、支払い能力により、補償額が変化することになるので、取り組む前には注意が必要になる。

どのタイミングで、日本円を外貨に両替したらよいかわからない・・・という場合は、為替の状況に一喜一憂することなく、毎月などの頻度で、コツコツと取り組める外貨自動積立サービスを利用するのも1つの手段になる。

三井住友銀行では、インターネットバンキングから申し込み可能で、

・積立金額:500円から
・通貨:18種類
・頻度:毎日、毎週、毎月

と自分のプランに合わせて取り組める。

また、レバレッジを利用しない形で、FX会社を利用するという方法もある。

FX会社であれば、

・取引コストが低く
・スワップポイントがもらえる

さらに、預け入れているお金は、信託保全という形で、FX会社の資産とは別に管理されており、FX会社が、倒産したとしても保全されるというメリットがある。

ただ、数年以内に、使う予定のお金でやってしまうと、為替の動向に、一喜一憂してしまうので、あくまで余裕資金で、長期視点で臨むのが重要になってくる。

場所を分散するために

まとまった資金があるのなら、海外の銀行で、預金しておく方法もある。

1つの例としては・・・生涯収入5億円倶楽部メンバー全員が購読した30日間「億万長者」養成集中メール講座の中で登場するHSBC香港。

*HSBC香港とは・・・
香港における最大手の銀行。もともと資金移動の自由度が高い香港という地域にあるうえに、資本力があるのでオンラインシステムが非常に充実しているのが最大の特徴になる。海外で銀行口座を持つ際の登竜門とも言える銀行で、海外居住者の多くが活用している。

日本居住者は、1997年まで海外の金融機関に口座が持てなかったので、HSBC香港の存在を知らない日本人が多く、利用している日本人は少ない。HSBC香港に銀行口座を持つには、香港に渡航して、支店窓口を訪れ、担当者と英語もしくは中国語でのやりとりが必要になるので、語学に苦手意識があると、口座開設のハードルが高いと感じてしまうのも、利用者が少ない原因になる。通貨の分散と同じで、場所の分散を考えて行く上で。

日本人が、日本以外の場所を選ぶとすると・・・

・格付け機関からの評価が高い
・口座開設のハードルが低い
・日本からのアクセスが良い
・インターネットバンキングが使いやすい
・海外送金がスムーズにできる
・投資先の選択肢が広がる

といった利点を持つ、HSBC香港が、第一候補になってくる。

でも・・・香港で預金しても、保護してもらえないのでは?

香港では、普通預金・定期預金だけではなく、外貨預金も保護の対象となる預金保護制度があり、保護される金額は、50万香港ドル。今の日本円にすると、約700万円になる。(1香港ドル=約14円)現時点では、預金保護金額が日本より少ないが・・・1香港ドル=約20円になると、1,000万円になり、同程度の基準になってくる。

ちなみに香港と並び、金融都市として有名なシンガポール。以前は、シンガポール非居住者でも、簡単に口座開設できたが、現在は、シンガポール現地の滞在許可証や労働許可証などがなければ、口座開設ができなくなるなど、環境は厳しくなってきている。

HSBC香港の両替レートは良いのか?

HSBC香港では、インターネットバンキングを利用して、24時間、通貨の両替が可能。

4月14日のタイミングで、米ドル(USD)と香港ドル(HKD)のレートを、Yahooレートを基準として、

・HSBC香港
・日本の大手両替商
・大手銀行

それぞれ比較してみると。

Yahooレートは、
・1USD=108.61JPY
・1HKD=13.9723JPY

HSBC香港の為替レートは、
・1USD=109.929JPY(1.21%up)
・1HKD=14.1743JPY(1.45%up)

日本の大手両替商のレートは、
・1USD=110.99JPY(2.19%up)
・1HKD=14.43JPY(3.28%up)

大手銀行のレートは、
・1USD=110.22JPY(1.48%up)
・1HKD=14.48JPY(3.63%up)

となっている。

両替するタイミングで、上記の%部分が、手数料として乗っかっている。

例えば、100万円を両替した場合は、

HSBC香港だと、
・9,096USD
・70,550HKD

日本の大手両替商だと、
・9,009USD
・69,300HKD

大手銀行だと、
・9,072USD
・69,060HKD

→米ドルは、24から87USD
→香港ドルは、1,250から1,490HKD

の違いがある。

HSBC香港口座に、日本から送金するには、海外送金手数料などがかかるので為替レートだけで単純に比較できないが・・・100万円単位のまとまったお金であれば、送金手数料をカバーできるほどの、為替レートに違いがある。

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