サラリーマンの信用を活かし資産形成する方法

サラリーマンのキャッシュフローと資産分散

受験勉強を頑張り、良い大学卒業して、大手企業に就職すれば将来は安泰だと思っていた。

けれども、社会は僕たちに、厳しい現実を突きつけた・・・。日本の良い大学を卒業後、大手と呼ばれる会社に就職し、現役サラリーマンとして活動を続けたとしても、安心・安定を手に入れたことにならなかった。

高校・大学に進学し、一生懸命勉強すれば報われるという神話と結果。

人間みんな平等だから、頑張れば何でもできるし、報われる!勉強して、自分の能力を磨ければ、高い地位に付けば、大きな富が獲得できる。

僕たちが生まれ育った日本。ピラミッド構造化された社会システムで、この考えは、いわば「常識」となっていた。「常識」として根付けば、誰もそのことを疑いはしない。

そのため、学生の間は、塾に通ってまで勉強をして、社会人になってからは、自己啓発や能力開発セミナーで、自分の能力を磨いて来た。

けれども・・・僕たちは、気づいてしまった。

勉強したからといって、全員が大きな富の獲得に成功していない事実を。

おそらくかつて僕たちが考えていた成功とは、多くの人間の管理を容易にするため、「金融資本主義」の勝者たちが、作り上げた幻想にすぎなかったのではないだろうか?

大手企業の経営が苦しくなる時代

1970年から1990年まで、日本の経済というのは、右肩上がりになり続けてきた。国が成長していたので、普通にやっていれば、企業も毎年9%の成長ができると、単純計算することができる。でも、1991年頃を境に状況は一変。

バブル崩壊後・・・日本としては戦後初の本格的な右肩下がりを経験することになった。

高齢化、少子化、国の借金・・・悪い要素を挙げることの方が容易なほど、悲惨な状況と化した。

かつて隆盛を誇った日本の成功代名詞とも言える老舗企業が傾く時代。

「プラズマのパナソニック」
「液晶のシャープ」
「デジタル技術でソニーらしさ」

巨大な資本を元に、戦略に基づき遂行して行くも、その市場での敗北ぶりは誰が見ても一目瞭然。

モノ、情報、サービス・・・商品の売れない時代の到来。商品が売れなければ、売上が立たない。商品が売れなければ、利益が出ない。

商品が売れなければ、売るためにコストがかかる。一昔前なら、企業は30年間は持つと言われていた。

けれども今は、5年という単位で、企業はドンドン淘汰されている。中小企業だけではなく、大きな企業が淘汰され始めた。泥沼に入り、抜け出せない名門企業がたくさんあるという。今までのやり方が通用しなくなったのだ。

僕も約12年間におよぶ、東証一部上場企業の現役サラリーマン生活の中で、度重なる直属の上司たちのリストラによって、恐怖、不安を感じ・・・既にサラリーマンという仕組みが崩壊してしまったことを知った。

両親たちが言い聞かせて来たような、安心・安定・安全の世界とは大違いだ。

サラリーマンを支えていた3つの柱の崩壊。・右肩上がりの昇進・昇給の崩壊・終身雇用の崩壊・年金の崩壊サラリーマン成功法則の時代が終焉を告げ、自分の人生は自分の力で守らなければならない新たな時代の到来。

サラリーマンだからと・・・言って、自分の未来を会社任せにしてはならないと嫌というほど痛感した。

「結果が全て」の経営者の世界

会社の外の世界・・・経営者の世界では、結果を出せるかどうかだけが全て。その過程で、いかに時間を使おうが、関係ない。

たとえ毎日朝7時から深夜2時まで、ずっとぶっ通しで働き続けていたとしても、結果である、売上・利益が上がらなければ、駄目な経営者となる。

金(カネ)が尽きる前に、会社をたたんで、再びサラリーマンに戻るしか無い。独立起業のための資金。いったいどのくらいの金額が、必要になるのだろうか?

日本政策金融公庫の開業者アンケートの結果では、

2015年度開業費用の

平均値は、1,205万円
中央値は、720万円

500万円未満:32.8%
500万円から1,000万円未満:31.6%
1,000万円から2,000万円未満:21.8%
2,000万円以上:13.8%

となっている。

仮に1,000万円を開業資金として、サラリーマンの収入や副業から貯蓄しようとすると・・・

月々5万円で、年間60万円だと、合計で16年8ヶ月かかる計算になる。

毎月もっと貯蓄すれば問題ないのでは?と思うかもしれないが・・・

金融広報中央委員会により実施された2014年度「家計の金融行動に関する世論調査」

手取り収入と金融資産保有額について、

    ・単身世帯の場合
     世帯主の手取り収入(税引き後)
     20代:平均183万円、中央値200万円
     30代:平均304万円、中央値300万円
     40代:平均311万円、中央値260万円
     50代:平均466万円、中央値270万円
     60代:平均229万円、中央値200万円

     金融資産保有額(金融資産保有世帯)
     20代:平均279万円、中央値112万円
     30代:平均795万円、中央値400万円
     40代:平均1,069万円、中央値560万円
     50代:平均2,020万円、中央値1,050万円
     60代:平均2,311万円、中央値1,410万円

    ・二人以上世帯の場合
     世帯主の手取り収入(税引き後)
     20代:平均403万円、中央値400万円
     30代:平均449万円、中央値400万円
     40代:平均543万円、中央値500万円
     50代:平均631万円、中央値560万円
     60代:平均444万円、中央値360万円

     金融資産保有額(金融資産保有世帯)
     20代:平均346万円、中央値220万円
     30代:平均656万円、中央値450万円
     40代:平均913万円、中央値650万円
     50代:平均1,643万円、中央値1,000万円
     60代:平均2,515万円、中央値1,502万円

といったアンケート結果が発表されている。

(不動産などの資産はカウントされておらず、預貯金、生命保険、株式、投資信託、財形などの金融商品の合計の数字になる。)

あくまで平均なので、それぞれの家庭環境により異なるが、現役サラリーマンとして、日々勤務し、生活すると、1,000万円単位の金融資産を保有するのは、30代、40代では難しいことが分かる。

人的資本を会社に全て捧げる形で、毎日まじめに通勤・勤務し、順調に毎月5万円貯蓄できた場合で、16年8ヶ月で1,000万円。緊急の出費などにより、より長い期間を要するのは、容易に想像できる。

やっと貯蓄した資金を元に、独立起業したとしても、昭和の時代の右肩上がりの経済環境は異なり・・・

5年間で10社の内、1社しか生き残れない。

さらに、5年間で残りの10社の内1社しか生き残れない。10年間合計で、100社の内1社しか生き残れない。

単純計算で、10年間の生存率は、1%・・・という、統計が示している通り厳しい競争を戦い抜かなければならない。

サラリーマンは悪いことばかりではない

視点を変えてみると・・・

独立起業して、経営者として、存続し続ける困難さと比べれば。サラリーマンであり続けることも、悪いことばかりではないことが分かる。

確かに、昭和の時代のサラリーマンを取り巻く環境とは、大きく異なっているけれども、今のサラリーマン生活も、悪いことばかりではない。

たとえば・・・
・大きな失敗をしても、仕事が多少出来なくても、出世できないだけ。または降格するだけ。クビにならない限り、収入がゼロにならない。
・ほぼ一定額のお金が毎月給料として、銀行口座に自動的に振り込まれる。
・会社の信用で、クレジットカードが簡単に作れる。
・個人的なリスクは無し。まるでゲームの中でノーリスクビジネスしているような状態。
・半年に1回以上ボーナスが出る。
・休みが週に1日から2日もある。
・会社の経費を使える。
・出張費用は会社負担。
・仕事関係の飲み代は、上司の許可前提で会社負担。
・会社のお金で研修受けたり、資格取得したりできる。
・有給がある。
・福利厚生がある。
・支給開始が遅れても、まだ多少の年金は受け取れる!?
・例え勤務している会社の景気が悪かろうと、倒産しようと、自分の銀行口座からお金が引かれてしまうわけではない。

挙げ出したらきりがなく、その多くは、経営者は得られない類のメリットばかり。

勤務している会社が、うまく行っていない時でも、「他者依存」の楽な精神状態。このように、視点を変えて見ると、サラリーマンにも、沢山のメリットがあるのだ。

サラリーマンとしての信用を最大限活かす

23歳から65歳まで約40年ほどサラリーマン生活を送るとして・・・

厚生労働省の平成27年転職者実態調査によると、

転職者がいる事業所の割合は、35.7%。3社に1社に転職者がいるという結果が出ている。

これは平成27年現在で、生き残っている企業を対象としており、企業の生存率を考えると、今後増加していってもおかしくはない。

安定した大企業に勤務していようとも、会社が傾くか、リストラに会うか、どちらかの理由で転職を余儀なくされる。

高い確率で、終身雇用ではなく、誰もが1度や2度は、転職しなければならない時代が、到来してしまったようだ。

失業して、新しい会社に入ってしまったら・・・
独立起業して、新米経営者として戦場に立ってしまったら・・・

金融機関から見た経済面の、信用信頼は全て喪失する。

勤めている会社に大きな問題がない現役サラリーマンが今やるべきことは・・・

よりよい待遇を求めて転職活動をすることでも、独立起業することでもなく、今のサラリーマンだからこそ獲得できる金融機関からの信用・信頼をフルに活用し、将来に備えることなのだ。

今の時代の流れに合わせて、現役サラリーマンが金融機関からの信用力を頼りに、取り組みを開始できること。。小さくはじめられ、地道に続けられる方法がある。

この方法に取り組むメリットとして・・・

    ・自己資金ゼロでも取り組める
    ・老後資金の目処が立つ
    ・生命保険代わりになる
    ・低金利時代の今がスタートしやすい
    ・リスクに対する解決法が明確になっている
    ・サラリーマンでの収益を圧縮できる
    ・相続対策にも効果を発揮する

などが挙げられる。

追伸

結婚して、子供がいて、今後5年・10年単位で、ライフスタイルが決まっている場合。

独身で、結婚を考えている中で、将来のために資産を構築したいと考えている場合。

年齢・職業・将来の展望など、メンバーのライフステージによって取り組み方は異なってくる。

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