取引所のHuobi Japanが、独自トークンHuobi Token(HT)の取り扱い開始が決定しました。
この発表を受けて、HTの価格は大きく上昇しました。
取引所トークンの魅力はどこにあるのか?リスクは何なのか?他の取引所トークンなどを紹介しながら、特徴を見ていきます。
情報をうまくキャッチすると、高い確率で資産を伸ばすチャンスを掴めます。
取引所と独自トークンの関係
暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)には、取引所はなくてはならない存在になっています。
全体の取引量と投資家が増えると、取引所の収益につながります。
取引所の収益が上がると、独自に発行しているトークンの価値は上がるという関係にあります。
多くの場合は、取引所の収益で、独自トークンをバーンする(使えなくして、総供給量を絞る)ので、価格上昇圧力がかかります。
ただ、多くの取引所が独自トークンを発行しているので、取引所の選別は重要になります。
Huobiとは?
Huobi Japanは、取引所BitTradeを2018年9月に買収し、2019年1月から日本国内でのサービスを開始しています。
*スマホがあれば、「かんたん本人認証」することで、最短即日でサービスが可能になります。
グループは、香港、シンガポール、タイ、韓国、オーストラリアなどに展開していて、大本はHuobi Globalです。
Huobi GlobalのCoinmarketcapの取引所ランキングは、以前は上位にでしたが、現在は30位です。
Huobi Token(HT)の概要と保有メリット
Huobi Globalがイーサリアムベースで作った独自トークンで、
HTを保有しているメリットは、
・取引手数料の割引
・サブトークンでの報酬
・エコロジカルトレードゾーン
・OTCの法務サービス
などがあります。
総供給量:500,000,000 HT
現在流通量:222,668,093 HT
Huobi Token(HT)の時価総額は、17位前後です。
・Huobi Globalからの収益の20%は、HTの定期的な買い戻しとバーンに使用されます。
2020年4月末時点で、24回実施されており、合計202,305,106HTがバーンされています。
2018年1月下旬から取引がスタートとなり、最高値は、1HT=約6米ドルです。
ビットコイン(BTC)の日本円での取引割合推移
2016年12月をピークに日本円での取引量は右肩下がりで、2018年3月以降は、10%に満たない期間が多くあります。
それだけ日本円の影響力がビットコイン(BTC)市場になくなったということになりますが、この内数%がHTに流れると価格は上昇する可能性があります。
例えば、2020年4月26日のビットコイン(BTC)取引量の約6%が日本円とすると。
25,263.87BTC*6%=1,515.83BTC=約12,126,000米ドル相当になります。
26日のHTの取引額が、258,217,123米ドルなので、仮に日本円でのビットコイン(BTC)取引量の1%がHTに流れるとすると、約0.4%に相当します。
国内取引所での初取り扱い開始と、日本人投資家の熱しやすさからすると、HT取引スタートと同時により多くの資金が投入される可能性は高いです。
ただ、HTはすでにHuobi Globalを始めたくさんの海外取引所で取引されているので、外国人投資家の利益確定ポイントにもなるので、高値掴みにならないよう注意が必要となります。
取引所トークンが注目を浴びる良い機会であることには違いありません。
取引所トークンはやっぱりBNB!?
取引所トークンが大きく浸透したのは、大手取引所バイナンス(Binance)が大きな役割を果たしたからでしょう。
バイナンス(Binance)の独自トークンBNBは、取引所立ち上げ時のホワイトペーパーに記載されている通り、当初はイーサリアムのブロックチェーンで発行され、総供給量の50%1億BNBがICO(2017年7月実施)されました。
*2019年4月23日にバイナンスチェーンは、メインネットを立ち上げ、メインネットスワップを実行しています。
BNBの特徴としては、
・4年目まで取引手数料割引(50%からスタートし年経過毎に割引率半減)
・取引手数料として利用可能
・四半期毎に取引所収益の20%を使ってBNBをバーン(1億BNB到達するまで)
・創業チーム割当の8,000万BNBは、1年毎に1,600万BNBリリース
BNBのバーンはこれまで11回実施されていて、約2千万BNBに上っています。
過去の数字を見ると、
3回目:2018年1月から3月
4回目:2018年4月から6月
9回目:2019年7月から9月
10回目:2019年10月から12月
11回目:2020年1月から3月
の収益が高く、その分BNBがバーンされています。
11回目が過去最高ということは、バイナンス(Binance)のビジネスが好調であることを示しています。
BNBの高値は、2019年6月頃の1BNB=約43米ドルです。
ICO時は、0.1米ドル以下のようなので、400倍以上になっているということです。
IEOがBNB価格へ影響を与える
BNBの価格が2019年1月から6月にかけて、約10倍になった理由。
最も大きな理由は、バイナンス(Binance)で毎月IEOを実施し、軒並み価格が数倍になっていたためです。
IEO:Initial Exchange Offering=取引所で実施される新規コインのオファーです。
バイナンスでは、2020年4月時点で、13のIEOを実施しています。
IEOとICOの大きな違いは、取引所のバックアップがあるかないかです。
IEOの場合は、取引所で実施されるために、取り扱われることがほぼ決定しています。
一方ICOの場合は、どこの取引所で取引できるのか?取引所にいくら支払って取り扱ってもらうのか?などが不透明で、ICO時点では未定のケースがほとんどです。
・取引所が選定して実施
・取引できることがほど決まっている
という安心感から、ICOよりもIEOへ資金が流れました。
結果として、IEO開始数分で完売し、取引開始スタートで数倍!というのが第3段まで続きました。
購入希望の投資家から売り切れまでの時間が短すぎるという不満の声が出たことを受けて、第4段のMatic(MATIC)のセールからは、IEOに参加するためには、BNBの保有が一定期間必要となりました。
これにより、IEOが告知されるとBNB価格が上昇し、一定期間経過後IEOの権利を手にすると、BNBが売られて価格が下がるという現象が発生しました。
Binanceの13のIEOパフォーマンスは?他の取引所と比較
最高値:686.73%リターン
2020年4月末の価格:93.82%のリターン
となっています。
価格が大きく下がる局面でも、平均すると90%以上のリターンが出ているのはバイナンス(Binance)のIEOのみです。
*最高値だけでみると、Gate.ioで実施されたIEOがエグいのが分かります。
バイナンス(Binance)のIEOだけのパフォーマンスを見ると、購入できれば勝ち確定であることが分かります。
取引所トークンはどんなのがあるのか?
HT・BNBの他にも取引所が独自のトークンを発行しています。
UNUS SED LEO(LEO):Bitfinex
OKB(OKB):okex
FTX Token (FTT):FTX
0x(ZRX):0x
Kyber Network(KNC):Kyber Network
など
Cryptoslateのサイトで一覧で確認できます。
他の暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)に比べて、使用用途や運営元が明確になっているので、爆発的な値上がりがないにしても、運営状況を定期的にチェックしていると、安定したリターンがもたらされます。
懸念事項:トラベルルールはどうなるのか?
暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)の取引所を利用する上でネックとなるのが、FATFのトラベルルールです。
FATFのVASPへのルール設定で、
・取引所間
・個人ウォレットと取引所間
移動がこれまでのように自由にできなくなる可能性があります。
日本国内の取引所ウォレットについては、取引所で連携が取れれば、問題ない可能性がありますが、数ある海外取引所と、ウォレット情報を共有するのは難しい可能性があります。
銀行口座 → 日本の取引所 →? 海外の取引所
自分のウォレット →? 日本と海外の取引所
最終的には、KYCを完了しておけば、現在とほぼ同じ陽に利用できるとなったとしても、規制を守るために一時的に取引所口座が凍結されるといったことが起こった場合には、暗号資産(仮想通貨/暗号通貨)の価格が一時的に下落することが想定されます。
取引の多くがDEX(分散型取引所)へ流れるという見方も出ていますが、DEXにも運営元があるので、KYCを実施しているところがあり、各国の圧力で、既存の取引所と同じ基準の規制遵守が必要になることも考えられます。
法定通貨でのやり取りを考えた場合には、確実にFATF規制は影響を及ぼします。
追伸1
ビットコインの半減期を目前にして、ビットコインのアドレスで、0.01BTC以上、0.1BTC以上のアドレス数が増加し、過去最高を更新しています。
度重なる下落によって、ホルダーが入れ替わり、大口から小口へと流れているのでしょうか。
流動性が高くなることは、市場の健全化には良いと言えます。
追伸2
AIを使い、今後7日間の価格を予想する「nomics」
無料で利用できるので、毎日チェックするサイトの1つに加えても面白いです。
追伸3
世界経済が停滞している中、緊急の経済対策が各国で実施されています。
アメリカ:
無制限の量的緩和(QE)
。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取る
FRBが民間企業に事実上直接資金供給(2兆3,000億ドル規模)
日本:
国債の買い入れ上限年間80兆円を当面撤廃し、低い金利で一段と潤沢な資金を低金利で市場に供給
社債・コマーシャルペーパー(CP)の購入枠を拡大
0%の金利で金融機関に資金を貸して積極的な融資を促す
米ドルのマネタリーベースは、2015年から2019年10月にかけて減少していましたが、それ以降急速に増加しています。
潤沢な資金がどこの市場に向かっていくのか?商品などの価格はどうなるのか?
このあたりは研究して、定期的に確認しておく必要があります。