2018年3月19日・20日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催された20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議において、仮想通貨/暗号通貨に対して、厳しい規制が入るのではないか?という予測があり、ビットコインを始めとした仮想通貨/暗号通貨の価格はジリジリと下値を切り下げていました。
しかし、19日の時点で、イギリス中央銀行の総裁が、「仮想通貨/暗号通貨は、世界経済のリスクにはならない」という書面を発表したこと。そして、21日の時点で、G20にといて具体的な規制が決まったという報道はなく、安堵感から買いが入って大きく値を戻しています。
そんな中、1つ気がかりなことがありました。それは・・・Tether USDの新規発行です。
*Tether USDとは・・・
Tetherは、つなぐという意味を持つ英語で、Tether USD(USDT)は、USDを担保に、仮想通貨/暗号通貨に形を変えたものです。全てのTetherは、1対1で、現金(法定通貨)によって担保されているので、1USDTは、1USDとイコールの価値になるとされています。
3月21日 2:51:14 GMT+0800
(Greenwich Mean Time グリニッジの標準的な時間+8時間 東南アジア圏)
300,000,000USDT=3億3千万米ドル相当のUSDTが発行されています。
omniexplorerで情報が出てくるのは、Tether USD(USDT)が、OMNIを利用して発行されているためです。
*OMNIとは・・・
2013年9月1日に公開、元々の名前は、Mastercoinだったが、2015年にOMNIに変更。ビットコインのブロックチェーン上に構築されている分散型金融プラットフォーム。
USDTの市場規模は、2017年11月1日頃から急速に拡大しています。
2017年11月1日 2018年3月21日
約452,000,000米ドル → 約2,211,000,000米ドル
単純計算で、4.89倍で、1,759,000,000米ドル(約1,930億円)が、わずか4ヶ月で増えたことになります。
omniexplorerで、
Grant Property Tokens
3MbYQMMmSkC3AgWkj9FMo5LsPTW1zBTwXL から
1NTMakcgVwQpMdGxRQnFKyb3G1FAJysSfz へ送られた過去分を確認すると・・・
2018年1月:合計850,000,000USDT
Tue Jan 23 2018 20:07:55 GMT+0800 100,000,000
Sat Jan 20 2018 09:56:59 GMT+0800 100,000,000
Fri Jan 19 2018 21:08:11 GMT+0800 100,000,000
Fri Jan 19 2018 00:02:00 GMT+0800 100,000,000
Thu Jan 18 2018 03:18:53 GMT+0800 100,000,000
Wed Jan 17 2018 06:22:53 GMT+0800 100,000,000
Mon Jan 15 2018 21:02:39 GMT+0800 100,000,000
Mon Jan 15 2018 02:27:42 GMT+0800 50,000,000
Thu Jan 04 2018 23:00:34 GMT+0800 100,000,000
2017年12月:合計630,000,000USDT
Sat Dec 30 2017 00:36:24 GMT+0800 100,000,000
Thu Dec 28 2017 09:14:50 GMT+0800 50,000,000
Wed Dec 20 2017 19:18:46 GMT+0800 50,000,000
Tue Dec 19 2017 21:09:48 GMT+0800 50,000,000
Sat Dec 16 2017 19:34:54 GMT+0800 50,000,000
Sat Dec 16 2017 19:34:54 GMT+0800 50,000,000
Fri Dec 15 2017 00:09:03 GMT+0800 55,000,000
Thu Dec 14 2017 21:07:46 GMT+0800 25,000,000
Thu Dec 14 2017 18:17:25 GMT+0800 25,000,000
Thu Dec 14 2017 18:17:25 GMT+0800 25,000,000(2回)
Thu Dec 14 2017 03:15:38 GMT+0800 25,000,000
Wed Dec 13 2017 21:42:50 GMT+0800 25,000,000
Mon Dec 11 2017 09:28:57 GMT+0800 25,000,000
Sat Dec 02 2017 21:11:24 GMT+0800 25,000,000
Sat Dec 02 2017 07:50:20 GMT+0800 25,000,000
2017年11月:合計102,000,000USDT
Thu Nov 30 2017 01:19:57 GMT+0800 24,999,000
Tue Nov 28 2017 22:41:17 GMT+0800 25,000,000
Tue Nov 28 2017 20:02:53 GMT+0800 20,000,000
Mon Nov 27 2017 19:32:17 GMT+0800 20,000,000
Mon Nov 27 2017 19:19:27 GMT+0800 10,000,000
Mon Nov 27 2017 07:49:04 GMT+0800 10,000,000
Mon Nov 27 2017 07:16:28 GMT+0800 10,000,000
Mon Nov 27 2017 02:35:33 GMT+0800 1,000
が確認できました。
2017年12月中旬までは、1度に2,500万米ドル(約27億5千万円)の発行でしたが、その後は、5千万・1万米ドル(約55億・約110億円)と倍々で増えています。
ビットコインの対米ドル、対USDTの日足を見てみると・・・
USDTが発行された日ばかりに極端に買いの出来高(下の緑色)が多いわけではありませんが、2017年11月末からの高騰とは、関係があるのではないかとチャートから伺えます。
2018年1月末から3月末まで、2ヶ月期間が空きましたが、ここにきて、一気に300,000,000USDT=33億米ドル相当が発行されたことで、ビットコインの価格に影響が出ると考えます。
ただ本当に、これだけの米ドルが担保された上で、USDTが発行されているのか?
頻度と金額が大きくなっているため、多くの人が懐疑的になっています。
香港を拠点としている大手取引所BitMEXの分析によると・・・
・裏付けする米ドルは、プエルトリコの銀行にあるようだ。
・TetherUSDが政府などによってシャットダウンされると、ユーザーの一部は、一時的に資金にアクセスできなくなるリスクがあるので、TetherUSDを長期間保持することはお勧めしません。
・TetherUSDに懐疑的な発言をしている人たちの根拠はありません。
相場を左右する要素の1つとして、Tether USDがあることを頭に入れておく必要があります。