産経新聞 2018年10月31日付けの記事
国税庁、日本人の海外口座情報55万件入手 富裕層らの税逃れに効果期待
国税庁は31日、世界各国の口座情報を自動的に交換し、資産を「ガラス張り」にできる新制度を使い、64カ国・地域の金融機関にある日本人の口座情報55万705件(速報値)を入手したと明らかにした。
国税庁幹部は、
「CRSで海外資産の税逃れを速やかにチェックできる」
「CRSの導入で海外資産の透明化が図れる。納税者のコンプライアンス(法令順守)意識も向上し、自主的な申告につながる」
としている。
ついに、CRSによる口座情報の共有がスタート。
これまで捕捉が難しかった日本国籍・日本居住者(海外現地非居住者)の口座情報が、金融庁へ筒抜けになります。(CRSに参加している国・地域のみ)
*共通報告基準(CRS)とは・・・
Common Reporting Standard:CRS非居住者に係る金融口座情報を税務当局間で自動的に交換するための国際基準。
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/crs/index.htm
CRSには、日本、香港、中国、マカオ、韓国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、インドなどのアジア各国や、イギリス、モナコ、ルクセンブルク、バミューダ、BVI、ケイマン諸島、マン諸島など、タックスヘイブンとされる国が参加しています。
日本に「住所」や「居所」を持つ人(日本居住者)が、仮想通貨/暗号通貨の利益確定先として、日本の金融機関ではなく、CRS参加国・地域の金融機関を利用しても、CRS参加国・地域では、日本居住者の取引として、日本の税務当局に口座情報が送られます。
*日本居住者とは・・・
日本の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人を指します。
「住所」は、その人の生活の中心がどこか
「居所」は、その人の生活の本拠ではないが、その人が現実に居住している場所
「居住者」以外の個人は「非居住者」と規定されます。
日本居住者は、全世界の所得が課税対象です。
たとえ、海外の銀行で定期預金を組んでいて、利子があったとしたら、それも所得となり、課税対象です。
海外不動産、海外証券、海外投資信託、仮想通貨/暗号通貨などなど・・・
全てが対象です。
海外の銀行口座だから・・・という認識で、所得に対する認識が甘くなっているかもしれないが、金融庁は厳しく取り締まってきます。
「やばいかも・・・」
と感じているとしたら、自分の状況を洗い出して、国際税務に精通している税理士さんなどの専門家に相談するのがベストです。
確定申告は、
・毎年1月1日から12月31日までの1年間
・生じたすべての雑所得の金額が20万円を超える場合
・所得税および復興特別所得税の額を計算
・期限は、3月中旬(15日など)
確定申告を忘れてしまった場合は・・・→延滞税+無申告加算税
確定申告を故意にしなかった場合は・・・→延滞税+重加算税
のペナルティが待ち受けています。
税金に関する時効の規定は、
・3年:期限内に申告している場合
・5年:期限内に申告していない場合
・7年:申告内容に虚偽もしくは脱税の意思がある場合
ただ、税務署からの督促状・差し押さえによって、時効はリセットされるため、期限がどんどんと伸びていくことになります。
仮想通貨/暗号通貨で大きな利益を出してしまって不安な場合は・・・
2018年11月18日(日)のセミナー・個別相談会が悩みを解決する良い機会です。