仮想通貨/暗号通貨大手取引所のBittrexが、上場させる銘柄の審査方法について手順を明らかにしました。
Bittrexにより上場審査の手順が明かされたのには、SECによる仮想通貨/暗号通貨取引所のあり方についての指摘が1つの要因となっています。
・SEC:
仮想通貨/暗号通貨への投資はリスク高。取引所はSEC・CFTCの監督下にない。
・Bittrex:
上場しているのは、連邦証券法に基づく「証券」ではなく、取引も規制対象外
・SEC:
取引所は、国家証券取引所として、SECへの登録が必要
といった言い分です。
SEC(Securities and Exchange Comission)は市場監督者として、市場の完全性と信頼を促進しながらルールを設定し、実施することです。近年、個人投資家をはじめとする幅広い市場参加者が、仮想通貨/暗号通貨やICO(initial coin offering)を含む分散型台帳技術(DLT)へ投資を模索しています。すべての投資家にとって、リスクは高いので注意が必要です。
市場監督当局にとって重大な問題は、通貨取引の規制に対するこれまでアプローチが、仮想通貨/暗号通貨に適しているかどうかである。
アメリカでは、小切手換金および送金サービスは、国によって規制されています。一方で、インターネットベースの取引プラットフォームの多くは、決済サービスとして登録されており、SECまたはCFTC(Commodity Futures Trading Commission’)による直接監督を受けていません。
CFTCとSECは、他の連邦および州の規制当局および刑事当局とともに、 詐欺や虐待を抑止し起訴することで、市場に透明性と完全性をもたらすために引き続き協力します。
2018年1月25日付 Regulators are Looking at Cryptocurrency
予備審査:
Bittrexに上場させるべきトークを判断する最初の審査になります。上場審査に進む場合は、Bittrex側から通知が届きます。
上場審査:
トークンを詳しく審査します。 特定の文書(非開示契約・上場契約書など)を要求します。 Bittrexの委員会は、トークンが取引所の厳しい基準を満たしているかどうか、上場すべきかどうかを判断します。 審査の一部として、Bittrexは外部アドバイザーと協議することがあります。
また、コンプライアンス(規則)審査を受ける必要もあります。
米国資格のある外部弁護士もしくは同等の能力を持つ代理人からの、法的覚書または意見書を提出する必要があります。
この書類には、
・(a)トークンは、適用される証券法上の証券ではない
・(b)トークンの取引は、適用される法律の下や商品取引の下で規制されない
という事実および法的根拠が明記されている必要があります。
さらに、
・新しいブロックチェーン機能を持つ
・既存のブロックチェーンを大幅に改善する
・興味深い、革新的、または独自性のあるアプリケーション
・利用時の有用性がある
・技術的経験とトークンの評判
・市場の関心
など複数の要素を考慮しています。
オンライン取引プラットフォーム=取引所は、投資家がデジタル資産を売買することができる一般的な方法となっていて、ICOで販売されたコイン・トークンも含まれています。
これらのプラットフォームの多くは、投資家を1か所に集めて、価格設定された注文を表示し、取引を実行し、取引データにアクセスできるようになっています。
つまり、連邦証券法に基づく「証券」の定義を満たす資産の取引の仕組みを提供しています。
プラットフォームが、証券であり、連邦証券法に定義されている「取引所」として機能するデジタル資産の取引を提供する場合、プラットフォームは国家証券取引所としてSECに登録するか登録を免除する必要があります。
登録された国家証券取引所および免除市場を管理する連邦規制の枠組みは、投資家を守り、詐欺的および操作的な取引慣行を防止するように設計されているのです。
連邦証券法およびSEC監督の下、有価証券であるデジタル資産を取引するためには、投資家は、国家証券取引所、代替取引システム(ATS)、もしくはブローカーなどのSECに登録されたプラットフォームを利用する必要があります。
多くプラットフォームは、「取引所」と名乗ることで、投資家に対して、国家証券取引所の規制基準を満たしているという誤った印象を与えています。
いくつかのプラットフォームは、上場させる銘柄に厳格な審査をしていると言いますが、国家証券取引所の上場基準とは全く異なっています。
2018年3月7日付
Statement on Potentially Unlawful Online Platforms for Trading Digital Assets
SEC・CFTC共に、仮想通貨/暗号通貨に対しては、前向きな姿勢を見せており、Poloniexが、Circleに買収されたことで、仮想通貨/暗号通貨取引所の登録・規制の仕組みも大きく前進するのではないでしょうか。
*Circle(サークル)とは・・・オンラインでの支払いを、より簡単に、便利にする仕組みを開発している企業で、スマートフォンでテキストを送るように、手数料や国境なしに送金が可能になります。
ニューヨークを拠点としている巨大金融グループのゴールドマン・サックスや中国で最大の検索エンジンを提供する百度などから1億4,000万米ドルもの資金を調達しています。