TetherのNY裁判で今後真相が明らかに 裏付けないとBTC一時暴落か!?

仮想通貨「億り人」研究会

テザーUSD(USDT)などの発行元Tether Limited.に対して、アメリカ・ニューヨーク州の司法長官が訴追していた裁判で、ニューヨークの司法当局に捜査権が認められました。これにより、Tether Limited.は、全ての疑惑に文書で明確に回答する必要があり、闇が明かされることになります。

テザー(Tehter)裁判のこれまで

元々の事件は、Bitfinexが、支払い処理を依頼していたギリシャベースのCrypto Capitalにより顧客の資産8億5,000万米ドルの損失を被ったものの、顧客にその事実を伝えずに、テザーUSDT(Tehter USD)で補填したというものです。

2019年4月26日付けで、Bitfinexのページでは、

・Crypto Capitalでの8億5000万ドルの「損失」との主張を含む虚偽の主張
・実際には、押収され、保護されている
・ニューヨーク検事総長の事務所は、私達の顧客を害するために、私達の努力を弱体化させることを意図している
・BitfinexとTetherはどちらも財政的に強力

と反論しています。

なぜニューヨークに管轄があるか?というと、BitfinexとTetherの関連会社であるiFinex Incが、禁止されているにもかかわらず、アメリカニューヨークでサービスを提供した履歴があるためです。

全てが白日の元にさらされる日は近い

2019年5月17日付での裁判所の決定は、

・通常業務以外でTehterのいかなる資産もBitfinexや他の会社に貸してはいけない
・ニューヨーク司法当局が求めた資料は提出する必要がある
・ビジネスを継続して良い

という結論を出しました。

ニューヨーク司法当局は、引き続き管轄権を争って、ついに今回連邦高裁によって、ニューヨークの管轄が認められました。

これにより要求された情報の全ての提出を求められ、全てが白日のもとにさらされることになります。

USDTの発行残高のグラフを確認してみる

2019年4月下旬にアメリカでの裁判がスタートしました。

テザーUSD(USDT)の発行状況はどうなっているのか?

2019年3月末から取引量が増えて、それに伴って発行残高も上昇しています。

時価総額は、
2018年12月31日時点で、1,898,726,314米ドル
2020年7月13日時点で、9,172,797,391米ドル

1年半ほどで、4.8倍にもなっています。


1USDTは、1米ドルの裏付けがあるとして発行されており、減少していません。つまりは、USDTから米ドルへの換金が起こっていないとされています。

テザー(USDT)とビットコイン(BTC)の価格相関

CoinmarketcapのUSDTの発行量のグラフはリアルタイムで反映されていないので、遅延がありますが。

発行量が増えたタイミング、減ったタイミングで、ビットコイン(BTC)価格はどうなっているのでしょうか?

2018年10月14日から減少→11月18日まで
2019年4月8日まで微増→7月22日まで増加
2020年1月1日まで微増→1月7日まで増加
2020年3月29日まで微増

減少と微増のタイミングでは、ビットコイン(BTC)価格は下落
増加のタイミングで、ビットコイン(BTC)価格は上昇

となっています。

USDTを使っているのは誰?

日本人が開設し取引している取引所では、わざわざUSDTを利用するケースは少ないです。

日本円を入金して、ビットコイン(BTC)やアルトコインを取引し、再び日本円に戻します。

ステーブルコインであるUSDTを使う機会は、法定通貨建てのペアがないアルトコインの取引をする際や、下落局面で一時的に退避する際など限られています。

USDTが多く取引されているのは、Coinmarketcapのデータによると、IDCMという取引所です。

運営は、IDCM Global Limitedというセーシェル法人です。

このデータは信ぴょう性に疑義があるようです。

USDTが利用されるケースとしては、中国人投資家のOTC(オーバー・ザ・カウンター)です。

中国人民元は海外への送金が制限されており、中国国内で資産を築いても、海外に持ち出すことが難しいです。その出口の1つとして、USDTが利用されています。

ただ2020年6月上旬に、OTC取引が、マネーロンダリングや詐欺を助長したということで、OTCデスクの業務が停止、顧客の銀行口座の凍結が実施されました。

テザー(Tether USDTなど)の今後はどうなる?

・ニューヨークでの裁判が進んでいく中で、不利な情報を出さないために新規のUSDTなどの発行を停止
・中国からの資金流入が停止して、新規発行量が減る

などいままでのように積極的に発行するのは難しくなるのではないでしょうか?すると、ビットコイン(BTC)の価格は下落ということになります。

市場には常にリークが存在していて、我先に利益を取ろうとする投資家たちがいます。

万が一テザーUSD(USDT)に裏付けがなく信頼がなくなった場合は、我先にとビットコイン(BTC)やアルトコインなどペアへの交換が殺到します。

このタイミングでの値動きは、

・テザーUSD(USDT)が1米ドルを割る
・ペアの上位ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)ライトコイン(LTC)が上がる
・その後市場全体への不信感で暴落する

という形です。


ただ本当に法定通貨が毎日流入していて、裏付けられた形で発行されているのであれば、市場がどんどん強くなっている証拠です。

裁判の進捗は市場に大きな影響を与える可能性が大きいので、情報は常に追っておく必要があります。

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