香港の取引所であるgatecoinがハッキングされ、250BTCと185,000ETH、当時合計200万ドル相当が盗まれた。2016年5月9日から12日に不正アクセスがあり、13日に不正な取引が発覚したため、サービスを停止していた。2016年5月28日に正常に復帰している模様。
仮想通貨を積極的に取引している人の中には、アカウントを保有していて、被害になった人もいるようだ。
取引所は、今回のような不正アクセスで大きな打撃を受けたり、運営の問題で破綻するケースがある。
取引所の破綻として、一番認知されているのが、Mr.GOXだろう。
現実世界のお金を入金して、取引所で仮想通貨と交換という手順になる。
そのため、仮想通貨を取引所で預かってもらっている状態となる場合がほとんど。取引所にアクセスできなくなると、引き出せなくなってしまうのだ・・・。
銀行ATMが稼働していない時間帯に、現金が引き出せないのと同じ。
どこに仮想通貨を保管しておくか?
仮想通貨を購入した後の保管方法としては、主に4種類。
・取引所
・PCウォレット
・モバイルウォレット
・ペーパーウォレット
ホットウォレットとコールドウォレットという区別がされており、ホットとは、インターネット環境に接続されている状態で保管されているもので、コールドは、接続されていない状態で保管されているもの。
ホットウォレット
・取引所
・PCウォレット
・モバイルウォレット
コールドウォレット
・ペーパーウォレット
インターネットに接続されている状態だと、様々な攻撃を受ける可能性があるので、取引所によっては、資産保全のために、預かり分の97%以上について、秘密鍵をインターネットから完全に物理的に隔離されたコールドウォレットに保管されている。
ペーパーウォレットは、暗号キーを紙にプリントアウトして保管しておくものだが、利用する時に手間がかかるのと、紙を紛失してしまう、盗難に遭ってしまうといった可能性がある。
そのため、ペーパーウォレットよりも、取引所やPC・モバイルウォレットを利用している人が多いのが現実になる。
Bitcoinが半減期に入るため、Bitcoinに関心が集まることで、取引所やウォレットへの攻撃が激しくなる可能性がある。
参議院で可決された仮想通貨法案
2016年5月25日に、参議院本会議で仮想通貨法案が可決され、公布後1年以内に施行される。
法案では仮想通貨の取引所について、注目ポイントとしては、
・登録制へ
・会計、監査が必要に
・認定資金決済事業者協会として活動可能に
内閣府に登録書類の提出が必要となり、仮想通貨交換業社登録帳簿に登録、一般開示される。
会計・監査についても、事業年度ごとの報告書提出が義務づけられることとなり、不正な報告ができなくなる。
内閣府によって、問題があると判断されると、業務改善命令を出される可能性もある。
また、これまで前払式支払手段発行者と資金移動業者しか認められていなかった認定資金決済事業者協会の門戸が開かれ、仮想通貨の利用者保護、情報提供などが可能性になる。
けれども法案の中では、信託保全は義務付けられていない。
信託分別管理とも言われており、外国為替証拠金取引(FX)業者等が、自社の資産と顧客の資産を分けて管理するために、信託銀行と信託契約を締結し、顧客からの預かり資産を信託口座で管理すること。
そのための費用は、間接的に顧客が負担している。仮に取引所に信託保全の義務がかされたら、手数料がアップすることになるだろう。
コールドウォレットで保管したいと考えていて、ビットコインを保有している人の中には、「Trezor」というデバイスを購入して、独自で保管している人もいる。
ハッキングで盗まれてしまった仮想通貨は、もう戻ってこないので、資産分散の1つとして取り組む場合は、保管方法とリスクをあらかじめ把握しておく必要があり、また、イーサリアムやリップルは、IOUの形で発行されるものは、発行元の取引所が破綻してしまった場合、使えなくなる可能性がある。
利用しているウォレットサービスと取引所
・取引所
bitFlyer、Mr.Ripple、Kraken、Bity、BitMEX、Ploniex
現実世界のお金、法定通貨を入金して、仮想通貨を購入できる取引所と、仮想通貨のみに対応している取引所があるので、アカウント開設前に、自分が何をしたいのかを明確にして、確認しておく必要がある。ちなみに、取引量の多い取引所のほうが、より有利に売買できる可能性が高いと言える。
・ウォレット
bredwallet(iPhoneアプリ)
Blockchain(iPhoneアプリ)
MyEtherWallet(PC)
三菱東京UFJが、独自の仮想通貨発行へ
2017年秋ごろから、独自の仮想通貨である「MUFGコイン」を発行するとのこと。
三菱東京UFJ口座内の現金をMUFGコインに交換して、アプリに取り込み利用できるようになり、コインを利用者同士での移動、また外貨に交換して引き出すことも可能になる見込み。2018年には、アプリをかざすことで、現金が引き出せるATM機の設置を予定している。
仮想通貨の代表格であるビットコイン、Suicaなどの電子マネーと仕組みが異なっている。
発行主体、利用者同士でのやりとり、法定通貨との交換といういう部分を見ていくと、
・発行主体
→三菱東京UFJ銀行
・利用者同士のやりとり
→可能
・法定通貨との交換
→比率が一定、1円=1コイン
ビットコインは、発行主体がなく、法定通貨との交換比率が一定ではない。
Suitなどの電子マネーは、利用者同士のやりとりができず、法定通貨をチャージするという形になっている。
法定通貨をデジタルの形に変更して、より使い勝手がよい形に変更したといったところだろうか。
1円=1コインという形で、銀行が発行する仮想通貨の登場で、さらに仮想通貨業界に注目が集まることになる。