今、民泊で話題になっているAirbnb。
宿泊施設ではなく、一般の居住空間を第三者へ貸し出す、第三者から借りられるインターネット上の仲介サービスになります。
Airbnbはアメリカ本社であるものの・・・
2008年8月創業、本社・カリフォルニア州サンフランシスコ
2013年9月にアイルランド・ダブリンに法人を設立、2014年4月にダブリンオフィスを開業した、190以上の国と地域で、サービスを提供しています。
法人の構造としては、
親会社:カルフォルニア(本社)
↓ ↓ ↓ ↓
子会社:アイルランド法人
↓ ↓ ↓ ↓
孫会社:世界各国の法人
という形となっているようで、
Airbnbを利用して、支払われた手数料は、全てアイルランド法人に渡ります。
例えば、
「THE CONVERSATION」によると、
貸主・部屋:メルボルン
借主 :シドニー
賃貸料の3%を貸主は、アイルランド法人に支払うことになります。オーストラリア法人は、現地での広報活動をしているので、アイルランド法人から手数料が支払われます。
PEがあるかどうかでの租税判定
恒久的施設(Permanent establishment:PE)があるかどうかで、オーストラリアでの法人に対する税制が異なります。
PEを保有している場合には、国内の税法と3,000を超える国々との租税条約の対象となりますが、PEを保有していなければ、海外法人の利益へ課税することはできません。
Airbnbは、世界各国で展開していますが、PEを設置することなく展開しているので、各国で大きな税負担をすることなく、アイルランドで納税が可能となっています。
アメリカのサンタフェ議会での試算
アメリカ・ニューメキシコ州サンタフェは、Airbnbによって、市が本来徴収できた税金を失っているとしています。
失っている税金は、市の試算では、
ロッジ税:67,200ドル
ライセンス・許可手数料:19,500ドルの
GRT:797,000ドル
Southwest Planning LLCの試算では、
ロッジ税:毎年210万ドル
関連する印紙税など:524,893ドルから25万ドル
となっています。
市は、Airbnbと交渉して、貸主からロッジ税などを徴収する方向となっており、市議会で議題として取り上げられることが期待されています。
一方で、Airbnbは、アイルランドで、長期の賃貸契約で運営した場合には、12,000ユーロの免税枠があるので、これを適用してもらうように政府に働きかけています。
日本でも「民泊」として、さまざまな問題が出てきていますが、世界でも同じ状態になっています。
今後、各国で法律や制度が整備される可能性が高いので、Airbnbを利用する場合には、予期せぬペナルティを受けないように、事前に確認しておく必要がありそうです。