クレジットカードのまとめ役「Coin」

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先日、フィリピンでジプニーに乗っている時、かばんの外ポケットを切られて、サムソンの携帯電話を盗まれました。3人組で全員白いキャップを被っていました。組織だっているようで怖いですね。海外では、常に気をつけないといけない。と改めて思いました。幸いなことに、外ポケットに入れていたカード類などは盗まれずに済んだのですが、これが盗まれていたら、どれだけ面倒なことになっただろうか。と考えると今でも「ヒヤッ」とします。

部屋に戻ってから、現在所持しているカード類をカメラで撮影して、各連絡先を調べて一覧にしました。ATMカード、クレジットカード、運転免許証、ICカード、全部で17枚あり、結構かさばります。

そんな時にみつけたのが、「Coin」でした。

 

8枚のカードが

「Coin」は、磁気ストリップ(カード裏の読み取り部分の黒い帯)を切り替えることができるカード端末で、1つの端末に8枚分のカード情報が登録・保存可能です。

サイズは、通常のクレジットカードなどと同じで、クレジットカードだけではなく、デビットカード、ギフトカード、メンバーズカードなどの登録もできてしまいます。

「Coin」へカード情報を登録するには、

    1)
    iPhoneなどの携帯端末に専用アプリをダウンロード。

    2)
    「Coin」と一緒に送付されてくる専用の磁気カードリーダー端末をiPhoneになどの携帯端末のヘッドフォンジャックに装着し、カードを読み取る。

    3)
    カードの表裏を撮影して、読み取り、保存されたデータが、カード情報と一致するかの確認をする。

あとは、「Coin」に搭載されているボタンで、利用したいカード情報を選択し、利用するだけ。専用アプリに、無制限でカード情報を保存可能ですが、「Coin」と同期し、利用することができるのが、最大で8枚分となります。公式サイトで公開されている登録や利用方法の動画を見てみると簡単で便利そうです。

 

PayPal出身のエンジニア

カニシ・パラシャー氏が創業した、アメリカ・サンフランシスコのベンチャー企業が、開発を行っています。「SmartMarket」というモバイル支払いサービスを提供しており、アプリのダウンロードは多かったものの、利用回数が少なかったので、電子クレジットカード端末「Coin」を考えついたようです。

2013年11月に「Coin」を発表し、わずか40分で、5万ドルを調達してしまいました。

現在Coinのオフィシャルサイトに、「PRE-ORDER NOW」のボタンが設置されており、価格は、50USD+配送手数料5USD=55USDに設定されています。(*アメリカ国内、海外とも今なら55USDのようです。)資金集めのための価格設定となり、資金調達が完了すれば、通常発行の100USDになります。「Coin」の発送は、2014年の夏を予定で、発送先の住所は、後日確認があるとのこと。

クレジットカードなどは、それ自体に価格が設定されていないので、「Coin」が50USDもしくは100USDとなると割高に感じてしまうかもしれませんが、私の場合には、カードをなくした時の手間の方が大きく感じるので、早速決済してみました!2014/1/24、2014/3/10、2014/3/25に購入者向けの案内メールが届き、進捗状況のシェアがあります。

 

気になるのは

アメリカ市場向けに開発されているため、EMV決済に対応していないことです。

EMVとは、EuroPay、Matercard、Visaの間で合意したICカードを用いたカード取引のための統一規格で、取引時に、ICカードに登録している暗証番号の入力が必要となるものです。日本では、EMV決済が普及していて、デパートやホテルのクレジットカード決済時に暗証番号の入力を求められました。

日本クレジットカードの場合は、発行申請の時にクレジットカードの暗証番号も合わせて申請するので覚えておくのが楽ですが、海外のクレジットカードの場合には、発行手続き完了後、暗証番号が封書で送付されてくるケースがあります。

多くの場合6桁だったりもするので、カードの暗証番号を覚えていなくて、カードを使いたいけど、「あれ?暗証番号あれで合ってたかな・・・」と、暗証番号の入力が必要だったらどうしよう。とドキドキする時があります。

香港、シンガポール、フィリピン、マレーシア、タイの飲食店などでの少額決済の時は、磁気ストライプでの決済になり、暗証番号の入力を求められることはありませんでしたが、フィリピンで洋服を購入した時には、EMV決済で、端末に暗証番号の入力が必要になりました。

 

香港とシンガポールのATMカード

HSBC香港や、シンガポールのDBS銀行、シティバンクのATMカードが、ICカードチップ搭載のものに変更されて、EMV決済に対応できるようになってきています。

世界的な流れとしては、磁気ストライプでの決済ではなく、EMV決済が標準となっていく可能性が高いので、「Coin」がEMV決済に対応していないとなるとちょっと考えさせられてしまいますね。次期の端末では対応予定のようですが、液晶部分のバッテリー(寿命約2年)がきれたら、新端末を購入しないといけないとQ&Aに記載されているところをみるとEMV決済対応の次期端末が販売されても無料での切り替えはしてくれなさそうです。

 

セキュリティ面はどうなっているか?

「Bluetooth Low Energy」を利用して携帯端末と「Coin」の接続管理をしており、接続が切れると、携帯端末にお知らせが届くようになっています。また、一定時間携帯端末とBluetoothによる通信ができない場合は、無効化されて、再接続しないと使えなくなります。万が一盗難にあった場合、電話での解除手続きなど必要ないのが良いですね。

EMV決済に対応していないといっても、「Coin」に複数のカード情報を登録しておいて、EMV決済時に利用するカード本体を1枚持っておけば良いのですし、盗難時の手続きの手間と煩雑さを考えると、持っておくメリットのほうが大きいそうです。

Coinのサイトとコンセプト動画は、こちら

 

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