「マルタ」という国の名前を聞いて、ヨーロッパだろうけど、どの辺だろうか？と思うメンバーも多いかと思います。「Republic of Malt」イタリア南部、地中海にある島です。EUに加盟しており、1964年のイギリス連邦王国マルタ国としてイギリスから独立して、1974年にはイギリス連邦内のマルタ共和国となりました。2004年にEU加盟国となり、2008年にユーロを導入しています。産業は、製造業と観光業に依存しており、天然資源が乏しいため、輸入に依存しています。そのため、外資獲得を強化するため投資環境の整備を行っています。
▼市民権購入条件
マルタの市民権を獲得することができるプログラム、Malta’s Individual Investor Program IIPプログラムが、2013年後半に提案されました。
申請人は投資をする必要があり、その条件は、
・€650,000の寄付、
その内70%は、国際開発ファンドの資金となります。
・€350,000の不動産購入 もしくは
家賃が年間€16,000以上の家を5年以上借りる
・€150,000のマルタ社債に5年以上投資する
となっています。
配偶者と未成年の子供がいる場合は、€25,000が追加で必要になり、
成年の子供および親がいる場合には、€50,000が必要となります。
サポート業者さんもいて
申請人一人あたり、 €70,000
配偶者や子供など追加で、それぞれ€10,000から€15,000
で申請サポートをしてくれるようです。
▼申請のための居住要件
申請人は、自分の経歴調査費用は、自分で支払う必要があります。IIP申請から取得まで約3ヶ月必要ですが、マルタへの居住要件はありませんでした。しかし、EU各国からの厳しい目を受けて、マルタでの市民権認証までには、約1年間マルタで過ごす必要があると言われています。
マルタ首相のJoseph Muscatによると、
「365日マルタにいなければならないということではないが、それは、同時にマルタに滞在しなくてもよいという意味ではない」と説明しています。
このあたりは、まだ制度が始まったばかりなので、正確な情報はつかめない状況になります。
▼市民権を取得すると
EU内を自由に移動でき、さらに査証免除プログラムにも参加しているので、渡航前にビザを大使館で取得することなくアメリカなど160カ国に渡航することが可能です。またイギリスの支援金給付（claim benefits）を受ける権利とイギリスに居住する権利も得ることができます。
ロシアや中国のスーパーリッチにとっては、EU域内で自由に生活するための権利を得ることができるので、人気が高くなりそうです。
その一方で規制が入り、EU国内を自由に行き来できなくなったり、査証免除プログラムに規制が入る可能性もあるので、取得する際には、そのリスクも考慮しておかなければなりません。
