国外に送金をする際に、銀行窓口でもインターネットバンキングどちらを利用するにも、受取先銀行情報が必要となりますが、銀行名、銀行住所、相手先口座番号だけではなく、SWIFTコードが要求されます。銀行店頭で担当者に調べてもらうようにリスクエストしてもよいですが、より正確に送金処理するために、受取先に事前に確認しておくことが重要になります。
SWIFTコード
国際銀行間通信協会が、(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)銀行やその他の金融機関の間の通信を取り扱うネットワークを運営する組織が設定したコードで、銀行間取引の際に必要となるものです。
コードは、8桁もしくは11桁の英数字からなり、
8桁の場合は、
4:銀行の略号
2:国コード
2:ロケーションコード
11桁の場合は、末尾3桁に支店コードが入ります。
BICコード(Bank Identifier Code)は、SWIFTと同義になります。
取引のある銀行のSWIFTコード
主な取引銀行としては、
- HSBC香港:HSBCHKHHHKH
HSBCマレーシア:HBMBMYKLXXX
BDOフィリピン:BNORPHMMXXX
ICBCマカオ:ICBKMOMX
CIMBマレーシア:CTBBMYKL
CIMBマレーシアの場合は、口座種別によりSWIFTコードが異なっており、
コンベンショナル口座:CIBBMYKL、イスラミック口座:CTBBMYKL となっています。
開設した口座が、イスラミックなのか、コンベンショナルなのかは、小切手などを確認すればわかります。
また、送金する際の通貨によっては、中継銀行情報が必要となるケースがあります。
例えば、ICBCマカオからCIMBマレーシアへ送金する際、アメリカドルの送金は、中継銀行の情報は不要ですが、香港ドルの送金は、中継銀行の情報が必要となります。
ICBCマカオ側では、中継銀行の情報を確認することができないので、CIMBマレーシア側に確認することとなります。
CIMBマレーシア担当者に問い合わせしてみましたが、中継銀行の情報を知らなかったため、ICBCマカオ側で送金エラーとして処理し、手数料を除いた送金金額を口座に戻してもらい香港ドルをアメリカドルに両替し、再び送金することとなりました。
中継銀行情報については、受取人が知っているかを送金前に確認しておくほうがより確実に送金依頼を出すことができます。
ヨーロッパ、アメリカの銀行に送金する際必要となるコード
SWIFTコードの他に、銀行送金時に必要となる可能性があるコードとしては、
IBANコード
ヨーロッパの銀行につけられた、最大で34桁の英数字からなります。
ABAコード
アメリカ国内の銀行につけられた9桁の数字からなります。
アメリカ国内の銀行同士の送金時には利用されるケースが多いです。
ヨーロッパのコソボにある銀行に送金する際、指定された送金ルートは4種類で、ドイツの銀行2つ、オーストリアの銀行1つ、アルバニアの銀行1つ
SWIFTコードもしくはIBANコードが必要となっていました。
1)
Deutsche Bank AG-Frankfurt-Gjermani
Theodor-Heuss-Allee 70
60486 Frankfurt
Germany
SWIFT: DEUTDEFF
Deutsche Bank AG – New York – SHBA
60 Wall Street
New York, NY 10005
USA
SWIFT: BKTR US 33
2)
RZB Raiffeisen Zentralbank Oesterreich, Vienna – Austria
SWIFT Code: RZBAATWW
IBAN:AT053100000055058507
3)
LHB Internationale Handelsbank, Frankfurt – Germany
SWIFT Code: LHBIDEFF
IBAN:DE35500308000009918004
4)
ABA American Bank of Albania, Tirane – Albania
SWIFT Code: USALALTR Llogaritë ( EUR, USD)
BANKEKKO43502 EUR
BANKEKKO43501 USD
The beneficiary account: The account number in Banka Ekonomike
決済代行会社の場合
SWIFTやIBANコードを保有していないケースがあり、送金・着金時に他の銀行口座を経由し、時間がかかる場合もあります。
例えば、ニュージーランドの決済代行会社のOCEAN TRUSTの口座へ入金する際は、HSBCニュージーラードのOCEAN TRUST口座へ送金し、その数字が後日、自分のOCEAN TRUST口座へ反映されていました。
同じく決済代行会社のOrwell Union Ltdの場合は、
ヨーロッパでの送金の場合
BARCLAYS BANK
(BIC/SWIFT: BARCGB22)
ヨーロッパ圏外での送金の場合
WESTPAC NEW ZELAND LTD
(BIC/SWIFT: WPACNZ2W)
と指定されていました。
海外の口座で取引をする際には、SWIFTもしくはIBANコードだけではなく、中継銀行情報の有無を確認後、送金指示を出すほうがエラーに遭遇する確率が減少します。また、オフショア法人名義で、オフショア地域の決済代行会社を利用する場合には、入金経路や各種手数料は、事前に確認しておく必要があります。決済代行会社の場合は、着金・送金に、通常の銀行よりも高い手数料が徴収されるケースが多いですので、各種手数料を比較した上で、手間がかかりすぎるようであれば、香港法人の活用を検討したほうが良いと思います。
ユーロ圏での単一決済圏構想
ユーロ圏では、Single Euro Payment Area(SEPA)単一ユーロ決済圏の構想が進められています。
目的は、ユーロ圏でのユーロ建て決済について、国内外の区別なく小口決済が行えることで、2002年に結成されたEuropean Payments Council(EPC)が主導で行っています。
決済圏に参加しているのは、
欧州連合(EU)加盟国27ヶ国と、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、 モナコ、リトアニアなど33ヶ国
各国独自のユーロ建送金フォーマットは、2014年2⽉1⽇で、SEPAへ完全移行となっています。
SEPAには、
1)送金・口座振込(SCT:SEPA Credit Transfer)
2)自動引落し(SDD:SEPA Direct Debit)
3)カード決済(SEPA Card Payments)
があり、規格が統一されることで、金融機関での処理スピードが上がり、資金移動が効率的に行うことができるようになります。