現役サラリーマンを取り巻く環境は、昭和居の高度成長期真っ只中の時期に、第一線の社会人として活躍していた僕たちの両親たちの世代とでは、全く様子が異なってしまっている。
かつてのように、終身雇用と年金制度が保証されていた、サラリーマンの世界はない。国も会社も・・・自分の将来を誰も保証してくれない。将来のリスクは、自分で軽減しなければいけない時代に突入している。
そんな中でも、日本人の大多数は、日本に住んで、日本円で収入を得て、家族のため、自分の老後のために、資産を形成していく。
日本滞在するリスク
地球上のどこの国に滞在しても、そこにはリスクが存在する。日本の滞在する大きなリスク。
それは・・・近隣国家と自然災害になるだろう。
近隣国家は、国際的な協力で、その脅威が沈静化する可能性はある。一方で、自然災害の中でも地震は、世界でもトップクラスに多い。そのため、自分の努力では、ほとんどどうしようもない。
あくまでリスクなので、実際に何も起こらなければ、平穏に、快適に暮らせる。ただ、1度発生してしまうと、どれくらいの被害になるのか?
が全く分からない。最悪の場合は、自宅や職を失ってしまう可能性さえある。
さらに・・・これから人口がどんどんと減少していく中で、人工知能やロボットにより、日本国内労働人口の約50%に当たる職業が、奪われる可能性があるとされている。
日本に住んで、日本で仕事をしている以上、これらのリスクを承知の上で、日本での滞在を決めていることを認識する必要がある。
自分と家族を守る第一歩として
投資の世界の格言で、「卵は一つのカゴに盛るな」というものがある。
複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、1つのカゴを落とし、卵が割れても、他のカゴの卵は割れずに済むことから、投資では、特定の商品だけに投資せず、複数の商品に投資を行い、リスクを分散すべきという訓え。
この訓えは・・・投資商品だけではなく、ライフスタイル全般に当てはまる。
自分の時間・労力と資産を日本に一極集中させている状態。日本国内で、銀行で定期預金を組んだり、生命保険を加入したり、・・・と資産を分散投資していたとしても、全ては日本円ベースのもので、日本の動きと連動してしまうものばかり。
ここからリスクを回避するためには、「通貨の分散」と「場所の分散」を考える必要がある。
日本円のは「安全な逃避先通貨」
アメリカの大手銀行ゴールドマン・サックス・グループのアナリストによると・・・
・2007年から2011年
・2012年から2016年を対象に、先進国と新興市場の28のグローバル変動通貨について、毎日・毎月の動きを比較したところ、
・グローバル株式
・アメリカ原油価格
・アメリカ10年国債利回りとの負の相関関係を、最もしっかり示したのは日本円で、「円は「安全な逃避先」通貨の中で最も「安全な逃避先」であり、スイス・フランと米ドルが2番目を争っている。」とされている。
(*ブルームバーグより抜粋「Goldman Analysis Has YenTopping Swiss Franc as Safest of Havens」)
日本円を持っていると、世界経済に大きな変動があった場合でも、他国通貨に比べて、資産価値を守ることができる。日本円を持つことは、世界的に見ても、リスク回避のための優れた1つの方法となる。
けれども・・・米ドルと日本円の相場が、2012年から今日現在にかけて、1米ドル=80円から114円に、大きく変化をしたことで。
海外から見た時に、日本円の価値は、約30%減少し、銀行口座の中に、120万円の貯金があったとしたら、何も使い込んでいないのに、勝手に約84万円に減ってしまっている。
日本で毎月の給料が、30万円のサラリーマンだとしたら、月収21万円に落ちてしまっている。
日本円で貯金し、日本円ベースで投資だけしていると、円安の流れに巻き込まれて、資産を大きく減らしてしまいかねない。
日本円の価値が下がると、価値が上がるのが米ドルなので、資産を守る上では、預貯金や保険など日本円の資産の何割かを米ドルにしておくと、日本円の価値の変動の影響が、少なくなる。
もちろん、日本円の価値が上がるタイミングでは、日本円のみを持っていたほうが良いのだが、未来のことは誰にも分からない。
リスクを減らすという視点からすると、「通貨の分散」として、日本円を米ドルへ両替しておくことが、賢い選択肢ということは分かるだろう。
日本だけに資産を置かない選択
日本円を米ドルなどに、替えただけでは不十分になる。何かのタイミングで、日本のリスクが顕在化した場合。自分と家族の生活は、自分自身で守らなければならない。いくら日本国による支援があるものの、最終的には自分での対応が必要になる。
リスクが顕在化したタイミングに、慌てないために・・・「場所の分散」を考えておく必要がある。
「場所の分散」先の候補としては・・・30日間「億万長者」養成集中メール講座の中で登場したHSBC香港。
*HSBC香港とは・・・香港における最大手の銀行。もともと資金移動の自由度が高い香港という地域にあるうえに、資本力があるのでオンラインシステムが非常に充実しているのが最大の特徴になる。
海外で銀行口座を持つ際の登竜門とも言える銀行で、海外居住者の多くが活用している。日本居住者は、1997年まで海外の金融機関に口座が持てなかったので、HSBC香港の存在を知らない日本人が多く、利用している日本人は少ない。
HSBC香港に銀行口座を持つには、香港に渡航して、支店窓口を訪れ、担当者と英語もしくは中国語でのやりとりが必要になるので、語学に苦手意識があると、口座開設のハードルが高いと感じてしまうのも、利用者が少ない原因になる。
「通貨の分散」と同じで、「場所の分散」を考えて行く上で。日本人が、日本以外の場所を選ぶとすると・・・
・格付け機関からの評価が高い
・口座開設のハードルが低い
・日本からのアクセスが良い
・インターネットバンキングが使いやすい
・海外送金がスムーズにできる
・投資先の選択肢が広がる
といった利点を持つ、HSBC香港が、第一候補になってくる。
ちなみに香港では、普通預金・定期預金だけではなく、外貨預金も保護の対象となる預金保護制度があり、保護される金額は、50万香港ドル。今の日本円にすると、約725万円になる。(1香港ドル=約14.5円)
現時点では、預金保護金額が日本より少ないが・・・1香港ドル=約20円になると、1,000万円になり、同程度の基準になってくる。
市場の大きさ、お金の動かしやすさ、全ての面から見た時に、香港に勝るものは見つからない。銀行口座の開設などは現地に行かないとできないが、それ以外の投資の契約、お金の移動は、香港現地に行かなくても、インターネットバンキング上でできてしまうものが多い。
香港と並び、金融都市として有名なシンガポール。以前は、シンガポール非居住者でも、簡単に口座開設できたが、現在は、シンガポール現地の滞在許可証や労働許可証などがなければ、口座開設ができなくなるなど、環境は厳しくなっている。