日本に比べて、海外の国の物価水準はどの程度なのか?
1つの目安になるのが、ビックマック指数The Big Mac indexです。
ビッグマック指数は、1986年にエコノミスト紙(The Economist)によって、通貨が「正しい」水準にあるかどうかの指針として発明されました。
購買力平価(PPP:Purchasing-power parity)の理論に基づいています。
購買力平価は、為替レートが通貨が購入できる商品の価値によって決定されることを意味します。
ビッグ・マックの現地価格の違いは、為替レートがどうあるべきかを示唆することで、1つの通貨が、他の通貨に対してどれだけ過小評価されているか?推定できるのです。
長期的には、為替レートは、商品とサービスの同じバスケット(この場合はハンバーガー)の価格を均等化するレートに移行すべきであるというものになります。
ビッグマック指数は、現在では、経済教科書や学術研究の対象として、世界標準となっています。
ビッグマック指数の対象は、48カ国+ユーロ圏になります。
ビックマックの価格は、アメリカで、5.51米ドルで、日本で、390円で販売されています。
1米ドル=110円だとすると・・・
アメリカで、606円、日本で、3.54米ドルで販売されていることになり、大きな価格差があります。
では、日本をベースとした場合、どれくらいの価格差があるのか?
オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、香港、シンガポール、マレーシア、台湾、タイ、フィリピン、ベトナムのビックマック価格を見てみると・・・・
アメリカ:+57.2%
カナダ:+44.5%
オーストラリア:+28.8%
シンガポール:+22%
ニュージーランド:+20.8%
タイ:2.3%
ベトナム:-19.5%
フィリピン:-25.3%
香港:-27.3%
台湾:-35.2%
マレーシア:-40.1%
アジア圏では、シンガポールでの価格が高く、タイはほぼ同じ、そのほかは大幅に安いということになります。
理論としては、長期的には、日本円とその他の通貨での価格が、均等化するレートに移行すべきという内容になります。
ビックマックの価格が基準なので、全ての物価ではありませんが、1つの目安になります。
やはり、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールに生活の拠点を移そうと思うと、それなりの覚悟が必要であることが分かります。