リップル(Ripple)ネットワークの導入とニュース

仮想通貨の基礎知識

リップル(Ripple)についての2016年以降に発表されたニュース。

仮想通貨については、新しい技術ということもあり、さまざまな新しいニュースが出てくるので、時系列を追ってまとめて把握しておく必要がある。

リップル(Ripple)については、銀行がその技術を導入して、国際送金に役立てるというニュースがあるので、利用する銀行を選ぶ上でも情報は知っておくと良い。

SBI銀行へのRippleネットワーク導入

2016年1月29日にSBIホールディングスは、Ripple Labs Incへの出資およびアジア地域を対象とした合弁会社設立への覚書締結完了を発表した。

資料はこちら

これまでは、SBIレミットで、国際送金サービスを提供していたけれど、ブロックチェーン技術を活用した新たな国際送金システム基盤を構築するために、合弁会社を設立することとなった。

中継銀行を通さないことで、手数料と取引時間の削減が可能となる。

これまでの国際送金

送金元→中央銀行→コルレス銀行→コルレス銀行→中央銀行→受取

コルレスは、コレスポンデンス(correspondence)の略で、代理を意味していて、コルレス銀行は、銀行間で代金の受け払いを代行し合う契約を締結した相手方の銀行のこと。

送金指示を出すと、現金が封筒に入れられて、中央銀行に開設している当座預金口座間で、振替・精算している。

国内送金の場合は、
A銀行からB銀行へ送金すると、

A銀行→中央銀行→B銀行

中央銀行内の当座預金口座で、
A銀行=減る、B銀行=増える
といった振替・精算がされる。

国をまたいだ送金の場合は、銀行間で振替・精算できる中央銀行の当座預金口座がないと、他の銀行に代金の受払を依頼することになり、そこに登場するのが、コルレス銀行になる。

A銀行から国外のD銀行へ送金すると、

A銀行→C銀行→中央銀行→D銀行
(*C銀行がコルレス銀行)

コルレス銀行であるC銀行が間に入る形で、C銀行とD銀行間で、振替・精算がされる。国外送金の約67%は、コルレス銀行を通過しているというデータがある。このやり取りに手数料と時間がかかっていた。

リップルでは、決済インフラ「リップルコネクト(Ripple Connect)」を利用することで、

送金指示は、リップルコネクト上で出され、決済は、リップルネットワークを通じて行われるので、

銀行→リップルコネクト→ネットワーク→リップルコネクト→銀行

取引時間と手数料が大幅に削減出来ることになる。

リップルコネクトの特徴とメリット

複数通貨間の取引での問題解決のためのシステムで、リップルのP2P上で動いているRipple Consensus Ledger(RCL)を利用することで、ほぼリアルタイムに国際送金処理が可能となる。

RCLは、KYC(Know Your Customer)やコンプライアンスに関する情報も提供する。

実際の処理がどのような行われるか?

1)送金銀行から、受取銀行に手数料などの見積りを依頼

2)両替レートをRCLで確認して、送金者が依頼するか判断する

3)依頼を決断した後、送金銀行は、口座から資金を引き出して、RCL経由で、受取銀行へ送金。

4)送金銀行、受取銀行共に、RCLの状況を常に監視できる。

利用者にとっては、

・送金前に全ての手数料、為替レートを確認できる
・全てのコストが明らかになっていて、透明性がある
・RCLで、ほぼリアルタイムに状況確認が可能
・帰り銀行だけでなく、送金人・受取人でも状況確認確認
・送金完了連絡が入る
・セキュリティ保護された環境で取引が可能
・世界中のプロバイダーからアクセス可能
・金融機関は、手数料の設定が可能

といつ特徴、メリットがある。

三菱東京UFJ銀行が、独自の仮想通貨を開発していると報道されるなど、金融機関でも仮想通貨の技術は、これからの時代を生き残っていくために、重要な位置づけとなってきている。

アースサポート(Earthport)という国際決済インフラ

SBIレミットの海外送金手数料に関する画面で、

「送金取り消し際の手数料コルレス先がEarthPortの場合
・送金手数料:返却しません
・組戻手数料:2,000円」

という記述があったので、アースサポート(Earthport)について調べてみた。

Earthport Plc、1997年設立で、国際決済インフラを提供している会社で、イギリス・ロンドンを拠点としている。

60カ国以上の国同士で、直接取引ができるようになっており、

顧客として、

銀行では、
・バークレーズ
・バンク・オブ・アメリカ
・メイバンク
・スタンダードバンク

送金業者では、
・Western Union
・Viamericas
・Azimo
・Xoom power

e-コマースプロバイダーでは、
・Payoneer
・hyperWALLET

が挙げられる。

名前が表に出てこないのは、ホワイトラベルとして、サービスを提供しているためだ。

既存に持っているサービスを、要望により各企業に提供して、収益を上げている。

法人向けのサービスなので、個人が直接利用することはないのですが、銀行などが、Earthportを利用することで、送金スピードの上昇と手数料の低下につながる。

アースサポート(Earthport)の国外送金手数料は、1件:2ドルから8ドルと言われており、中継銀行手数料などを省くことで、これまでの送金手数料よりもはるかに安い水準となっている。

XRPの販売・管理でビットライセンスを取得

2016年6月13日、Ripple Labs, Inc社は、アメリカ・ニューヨークのビットライセンス(BitLicense)を取得したことを発表。XRPの販売・管理業務をのライセンスしたことになる。

従来のように、各国通貨で、それぞれの国に当座預金口座を持つよりも、XRPの1つのアカウントを持ち、XRPをブリッジ通貨をして活用することで、国際間の決済のコスト削減が可能。

1つの口座で国際送金の処理をできることから、送金を受ける側の銀行は、手数料を従来の42%から60%カットすることが可能。と公式HPで記述されている

ripple.comの元記事

ビットライセンス(BitLicense)の取得で、XRPをネットワークとして採用する銀行が増えていく可能性がある。

リップル(Ripple)との提携している企業で代表的なのは、資金決済サービスを60カ国以上に提供している「Earthport(アースポート)」で、Bank of America(米国最大のメガバンク)、American Express(日本でもおなじみのアメリカンエクスプレス)、Western Union(世界最大規模の送金サービス会社)を顧客にかかえている。

リップルトレードは2016年3月に運営を停止

XRPの購入などの際に利用していたリップルトレード(Ripple Trade)の運営停止が発表された。

リップルトレードは2016年3月に 運営を停止致します。それまではリップルトレードあるいは 他のウォレットプロバイダーを通じて引き続きリップル上で資産の買い、売り、トレードをご継続いただけます。2016年3月に運営を停止した後はリップルトレードを通じてお客様の資産へアクセスが出来なくなります。

ゲートハブという確立したウォレットプロバイダーへの簡単で安全なマイグレーション方法をご用意させていただきました。下記リンクをご利用ください。

移行先として推奨されているのは、ゲートハブ(Gatehub)というウォレットブロバイダーとなる

リップルトレード(Ripple Trade)のサイトにアクセスすると、「Migrate Wallet to Gatehub」というボタンが表示されるようになっている。

Ripple Trade 2016

クリックすると、SIGN IN画面が表示されるので、メールアドレス、パスワードなどを入力して登録。その後、登録メールアドレスに届く、「Activate」メールの所定欄をクリックすることで、ゲートハブ(Gatehub)への移行手続きを進めることができる

GateHub Identity 2016-0

本人確認書類(身分証明・住所証明など)データのアップロードが必要になるので、事前に準備が必要となる。

GateHubへの移行での詐欺

Ripple Tradeの閉鎖に伴って、ウォレットをGatehubへ移行することになった。

多くのメンバーが、Ripple Tradeの閉鎖に戸惑いながらも、移行していった。。。

しかし・・・困ったことに・・・

Gatehub 移行した後のタイミングを狙って、フィッシングメールが大量に送付されてしまったのだ・・・

どうやら、送付されたメールは、偽のアクティベートボタンの記載があったようで・・・
メール内のリンクをクリックしてしまうことで、Gatehubの情報を全て抜き取られてしまうというもの・・・

実際にメンバーからの問い合わせで、

Gatehub 移行した後、しばらくしてログインしてみると、12日前に何者かによって全て送金されていました。
パスワードは、英語と数字で20文字以上でした。不正送金されたRippleは戻ってくるのでしょうか?

Gate hub自体は、Ripple Tradeに業務委託を受けている会社なのでセキュリティ等は強固になっている。

偽のアクティベートメールで情報を抜き取られてしまうと対応するのは難しいが、予防策としては・・・

・Ripple Tradeから移行する前、アカウントは二段階認証していたか?
・パスワードは、生成アプリを使用して、100文字以上になっていたか?

このあたりをチェックして、設定しておく必要がある。

パスワード生成アプリは、さまざまなものがあるが、おすすめは、「KeypassX」になる。

2017年第1四半期のXRPマーケットレポート


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