フランスの石油大手トタル(Total SA)は、タックスヘイブンにある子会社を、2016年までに閉鎖し、業務をヨーロッパに移すと発表しました。
石油スーパーメジャー6社の内の1社
トタルは、フランス・パリを拠点としている民間の総合石油エネルギー企業で、時価総額では、民間エネルギー会社では世界4位です。
国際石油資本であり、スーパーメジャーと呼ばれる、6社の内の1社で、世界130カ国以上で展開しています。
他のスーパーメジャーは、エクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェル、ビーピー、シェブロン、コノコフィリップス。
ヨーロッパ各国での、タックスヘイブン地域の法人を活用した課税逃れへの厳しい指摘を受けて、
2014年12月31日現在の903すべての子会社のリストを公表し、
2016年度に、タックスヘイブンにある19の子会社
・バミューダ14社
・ルクセンブルク3社
・ケイマン2社
その内9社を閉鎖する方向になりました。
企業の体制の誤解を解くために、今回の措置に踏み切ったとのことです。残りの10社については、業務の関連で存続することになります。
2009年には、フランス・パリの検察当局が、トタルが、リヒテンシュタインで、脱税目的で口座を使用したという疑いから、全口座の取引内容を詳しく調査し、証拠資料を裁判所に提出していました。
トタルの他に、タイヤ大手のミシュラン、スポール用品大手のアディダスもフランス・パリの検察当局の捜査対象となっていました。
ルクセンブルクで脱税の疑い
ルクセンブルク法人は、Amazon、Apple、スターバックスなどが節税スキームの中の一部として活用し、話題になっていましたが、
マクドナルドも、ルクセンブルク法人を活用し、2009年から2013年の間に、10億ユーロの納税を逃れていたと2014年にフランス財務省から指摘が入っています。
マクドナルドは、フランスで、2014年1月時点で、1258店舗があり、その内、80%がフランチャイズでの展開です。
ライセンス料などロイヤリティーが、加盟店から本部へ支払われるのですが、その一部が、フランスのマクドナルドではなく、スイスにあるヨーロッパ本部やルクセンブルク法人へ付け替えられていた疑いがあったのです。
税収の落ち込みや慢性的な財政赤字に悩む中、現状打開し、税収をアップさせるために、多国籍展開している大手企業の納税状況は、細かいチェック対象となっています。
オフショア法人を活用した節税スキーム関する国家による追求は今後もまだまだ広がりそうです。