オフショア信託とカストディアン

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信託(trust)は、
自分の財産を信頼できる他人に委託し、
運用・管理することで得られる利益を、
指定した第三者に譲渡してもらうこと。

委託者(settlor, trustor)
受託者(trustee)
受益者(beneficiary)

という関係になります。

オフショア信託の場合は、登記を求められないケースが多く、

また登記を求められても、

公的に登録されないので、秘密が保たれる。
信託証書には、委託者名が記載されない。

などの性質から、資産家を中心に1920年代からチャネル諸島やスイスで利用されてきました。現在オフショアと呼ばれるほとんどの地域では、信託法が整備されており、活用されています。

信託を利用するケースは大きく分けて2つ。

1つめ:スムーズは資産継承のため
2つめ:資産保全のため

自分の資産を合法的に移動して、さらに税負担を軽くした形で、他人へ移動することが多くの場合の目的となります。

    ある推計によると2004年には、オフショア信託は、1,000存在しており、資産総額3から8兆ドルをゆうする約35万口座を管理していたとのこと。(書籍「徹底解明 タックスヘイブン」より引用)

多くの資金が信託という形で管理されていることがわかります。

オフショア地域だけではなく、日本国内でも信託というのは利用されています。

例えば、日本マスタートラスト信託銀行。三菱UFJ信託銀行、日本生命保険、明治安田生命保険、農中信託銀行の共同出資によって設立された、資産管理のプロフェッショナル。預かり資産残高は国内最大規模となる約348兆円を誇る。

カストディアンと呼ばれる金融機関になり、投資家に代わり、有価証券の保管・管理を行っています。

カストディアンには、

複数国の有価証券の保管・管理をするグローバル・カストディアン
自国のみの有価証券の保管・管理をするサブ・カストディアン

があり、グローバル・カストディアンとして有名なのは、JBモルガン、シティグループ、バンクオブニューヨークなどになります。

有価証券の保管・管理の他には、元利金・配当金の代理受領、預り運用資産の受渡し決済、運用成績の管理、議決権の行使なども行っています。

機関投資家などは、自国のみではなく、外国へも投資をしているケースが多いため、カストディアンに有価証券の保管・管理をまとめて委託しています。

投資家は、上記サービスの他に、

・自己名義での購入を避けたい
・資産総額、内訳を伏せたい

という理由から利用をしているようです。

日本マスタートラスト信託銀行の場合は、電通、日揮、中部電力など日本の大企業の主要株主となっています。

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