2014年のフィリピンの銀行ランキングがPhilpad 調べで発表されています。
資産部門 1位:BDO 2位:Metoro 3位:BPI
資本部門 1位:BDO 2位:Metoro 3位:BPI
預金部門 1位:BDO 2位:BPI 3位:Metoro
融資部門 1位:BDO 2位:BPI 3位:Metoro
BDOが4部門全てで1位になっています。
BDOは、BDO Unibank, Inc
シューマート(SM)グループ傘下です。シューマート(SM)グループは、不動産・モール開発、小売、鉱業、娯楽など多岐に事業を展開しています。
BDOは、営業日・時間が場所にもよりますが、SMモール内の場合フィリピンの祝日を除く、全曜日 モールオープンから19時まで営業ATMが多数設置されているなどなど利便性が高いです。
BPIは、Bank of the Philippines Islands
フィリピンで最初に設立された銀行で、アヤラ(Ayala)グループ傘下です。アヤラ(Ayala)グループは、不動産開発、通信、食品、農業、水道など多岐に事業を展開しています。不動産開発部門で、現在のマニラ中心部であるマカティを一から作り上げたということでも有名です。
Metoroは、Metropolitan Bank and Trust Company
トヨタ自動車・飲料会社・水道会社、病院の役員を務めるS.K. Tyが筆頭株主の銀行になります。
BDOとBPIは、デベロップ事業を営む企業が直接のグループ会社としてあるので、不動産への融資部門でも新規顧客の獲得がしやすく、利益を上げやすい体制になっています。
また、BDO、Metoroと、それぞれ国際開発協力銀行が、2013年に「日本の地域金融機関を通じた中堅・中小企業のフィリピンへの進出支援体制の整備に係る覚書」を締結し、そこに参加する形で、日本の地域金融機関7行がBDOと、33行がMetoroと提携しています。
外資参入規制の撤廃
1994年にフィリピンで制定・施行されている外資系銀行の国内参入に関する規定によって、
外資系金融機関は、
・新たに設立される銀行の60%(上限)の株式取得
・既存銀行の60%(上限)の株式取得
・制約のない銀行免許取得による支店開設
のいずれかによってフィリピンへの参入が可能でしたが、「新規に参入する外資系金融機関数は10行」との規定により、10行に到達した1999年以降は、実質的に参入が不可能という状態になっていました。
2014年になり、外国銀行の国内市場参入制限を撤廃する法案が正式に成立し、
- ・100%外国法人出資の現地法人の設立
・既存銀行の全株を取得する形での参入
が可能となりました。今後、銀行ランキングの変動が予想されます。フィリピンでは、銀行が倒産した場合のペイオフ制度は、50万フィリピンペソ(130万円程度)になるので、取引する銀行は事前に状況を確認しておく必要があります。
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