一般家庭の金融資産保有額と老後に必要な資金額

サラリーマンのキャッシュフローと資産分散

公的年金の受給年齢の引き上げや、将来における支給額の減額などが報道されると、僕たちの老後を取り巻く環境が厳しくなることはあらかじめ予想がつく状態となっている。

そのため、国に頼らない形で、自分と家族の老後資金を確保するため考えていく必要がある。

例えば、「キャッシュフロー」が把握できたとして。毎月3万円を貯金していったとすると・・・

年間で36万円貯まることになる。それを30年続けたとして、1,080万円になる。果たしてこの金額、多いと思っただろうか?

お金の価値に関係なく、3万円としているので、もしインフレなどで物価が上昇した場合には、今の1,080万円と30年後の1,080万円が全く同じ価値であるとは限らない。そのため、貯金をするだけではなく、安定した老後生活を送るために、長期のスタンスでの投資を考えていく必要がある。

日本の一般家庭の平均年収と貯蓄額は?

金融広報中央委員会により実施された

2014年度「家計の金融行動に関する世論調査」

手取り収入と金融資産保有額について、

単身世帯の場合

世帯主の手取り収入(税引き後)

20代:平均183万円、中央値200万円
30代:平均304万円、中央値300万円
40代:平均311万円、中央値260万円
50代:平均466万円、中央値270万円
60代:平均229万円、中央値200万円

金融資産保有額(金融資産保有世帯)

20代:平均279万円、 中央値112万円
30代:平均795万円、 中央値400万円
40代:平均1,069万円、中央値560万円
50代:平均2,020万円、中央値1,050万円
60代:平均2,311万円、中央値1,410万円

二人以上世帯の場合

世帯主の手取り収入(税引き後)

20代:平均403万円、中央値400万円
30代:平均449万円、中央値400万円
40代:平均543万円、中央値500万円
50代:平均631万円、中央値560万円
60代:平均444万円、中央値360万円

金融資産保有額(金融資産保有世帯)

20代:平均346万円、 中央値220万円
30代:平均656万円、 中央値450万円
40代:平均913万円、 中央値650万円
50代:平均1,643万円、中央値1,000万円
60代:平均2,515万円、中央値1,502万円

といったアンケート結果が発表されている。

不動産などの資産はカウントされておらず、預貯金、生命保険、株式、投資信託、財形などの金融商品の合計の数字になる。

あくまで平均なので、それぞれの家庭環境により異なるが、現役サラリーマンとして、日々勤務し、生活すると、1,000万円単位の金融資産を保有するのは、難しいことが分かる。

「年収600万円以上でも、バイトしないと生活できない。ー破綻している家計の実態ー」

日刊SPAに2015年10月6日に掲載されていた記事のタイトルだ。

先日、国税庁が、2014年度の民間給与は、平均415万円と発表したので、

年収600万円以上だと、平均よりも約200万円も多いけれど、それでも実情は厳しいとのこと・・・。

このお話は、現役サラリーマンのメンバーなら誰にでも当てはまるだろう。

今の収入ベースでローンを組むと・・・

年収600万円以上のSさんは、40代で、家族は、奥さん、子供3人。

40歳の時に、35年ローンで、5,000万円のマンションを購入。

購入当時は、今よりも給料が高かったので、ローン、管理費などを含め、毎月20万円の支払いは、らくらくだった。

けれども、リーマン・ショックによって、勤務先の業績が悪化し、給料が下がってしまい、結果として、マンションのローンの支払いが家計に重くのしかかり赤字になってしまった。

そこで、平日の深夜・早朝、休日にアルバイトをして、睡眠時間が、1日3から4時間と体力的にかなりきつい状態で、赤字分を補填しているのだという。

今後は、子供の教育費もかかるので、今まで以上に働かないといけないようだ。

(日刊SPA 2015/10/6 記事より)

同じ企業に定年まで勤務できるか?

家族との明るい未来をイメージしながら、ワクワクした気持ちで、マイホームの購入手続きをする時に、ベースとして考えるのは、今の収入になるし、住宅ローン審査も、勤務先・勤務年数・年収などをベースに判断されることになる。

自分が勤務している会社の業績が、今後どのようになるのか?と真剣に考えることはないだろう。

年収600万円以上のSさんのように、現役サラリーマンとしての状況が、いつ変わるかは、予測できないから、誰にでも訪れる可能性がある。

購入した不動産を手放し、年収600万円あれば、十分住宅ローンと生活費をまかなえる物件に引っ越しするという手段はある。

けれども、生活の拠点を決めているので、子供の学校のことや勤務先のことなどすぐには動けない事情もある。

投資を決断した以上、状況が変わったとしても、すぐに辞めた!と投げ出すことは難しい。

そこで、投資する際の判断基準として、生涯収入5億円倶楽部メンバーが、知っておかなければならないのが、「企業生存率」になる。

日本の一般企業は、

5年のうち、10社中9社が倒産、
さらに、5年のうちに、10社中9社が倒産、

10年で、100社中99社が倒産し、わずか1社=1%しか存続しないという現実がある。

東証一部上場企業の倒産は、そうそう耳にしないが、一般企業のほとんどは、10年持たずに倒産すると統計に基づいた数字が出てしまっている。

つまり、今、勤務している会社の業績が、いつまでも安定しているとは限らず、悪化して、給料が減るかもしれないし、定年まで勤めることが、難しくなってきたことを意味している。

さらに、「これからの20年で、アメリカの現在の雇用の半分は、コンピューターにとって代わられる可能性がある」というレポートが、オックスフォード大学によって、2013年9月17日付けで発表された。

702の具体的な職業が、コンピューターによる代替の可能性にもとづいてランキングされているもので、

代替される可能性が高いのは、

職種として、

・電話営業
・試験官・調査員
・裁縫師
・数学技術者
・保険引受人

の順となっており、

業種として、

サービス業、セールス業、オフィス・管理業、製造業、輸送業

とされている。

受付、レジ、組み立てラインスタッフ、データ入力、積荷スタッフなども当てはまっている。

単純作業がメインの業務は、ことごとくコンピューターにより自動化されて代替されていくが明確になっている。

これからの時代は、いくら真面目に勤務をしていても、職種によっては、その職自体が消滅してしまう可能性がある。

僕たちが生きている世界に存在する資本主義、民主主義というルール。

全ては、平等であるというイメージがあるかもしれないが、本当のところは、残酷なゼロサムゲームである。

仮に僕たちが勝とうとしなくても誰かが僕たちから勝ちを奪い取って行ってしまう。何もしないでいると、職を奪い取られてしまいかねないということだ。

負けたくないのなら、勝つしか無い。

職を失いたくなければ、自分で行動して新たな道を探すしかない。

「資本」という共通のルールの中で、奪われ奪う過酷なゼロサムゲーム。

それが、世界の真実なのだ。

だから、僕たちは情報と知識で武装して、戦って、勝っていかなければならない。

僕たちが生き残れるかどうか?それは良くも悪くも全て「自分次第」「自己責任」なのだと。。。

こんな環境に置かれている僕たちは、これからどのように自分自身や、家族を自分自身の力で守って行けばよいのか?

この大きなテーマについて、もっともっと真剣に考えなければならない。

こんな時代の中。

僕たち「生涯収入5億円倶楽部」のメンバーとして、自分自身と家族を守る対策は既に開始しているだろうか?

何度も僕たち自身に問いただす必要がある。

老後には一体どれだけの資金が必要になるか?

2015年1月18日の日本経済新聞の記事によると、

「2013年の日本人の平均寿命は、男性が80.21歳と、初めて80歳を超え、女性は86.61歳で2年連続で世界一となっている。

60歳時点で、平均してあと何年生きるか?という年数を表す「平均余命」は、男性23.14年、女性28.47年となっている。

「平均余命」からすると、男性は83歳、女性は88歳まで生きると想定することになる。

総務省の家計調査よると、

高齢夫婦の無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)で月の生活費は、約27万円。

60歳の夫と58歳の妻の場合、必要なお金を試算してみると、

夫が83歳までの23年間で約7,450万円

その後妻が1人で7年生きるとして、生活費をそれまでの7割として、約1,600万円、合わせて約9,050万円になる。

公的年金を受給できたとしても、それが、厚生年金の場合で、約6,000万円になる。」(要旨抜粋)

とされている。

これらの数字は、生活費という面だけで見た試算であり、リタイアメント生活を謳歌するための旅行費用や、病気などになった際の費用は、含まれていない。

ある程度まとまったお金を自分で確保できなければ、悠々とリタイアメント生活を送ることは難しいということがよくわかる。

リタイアメント生活を始めるまでに、十分に金融資産を構築しておくか、それとも、必要なお金は、コツコツ毎日働いて稼いでいくか。

どちらかの道しかないのである。

果たして、どちらに自分はなりたいと考えるだろうか。

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