BCCI(Bank of Credit and Commerce International)
1972年にルクセンブルクを拠点として、パキスタンの銀行家、ハッサン・アベディにより設立された銀行です。
約20年の内に、世界78カ国に400以上の支店を展開、1986年には東京にも進出し、世界的に有名な銀行となりました。
BCCIは、単に各国展開をして有名になっただけではなく、アメリカの中央諜報局CIA(The Central Intelligence Agency)と関係を持っており、テロ組織への資金提供や、CIA支援先国家独裁者の資金隠蔽を手伝っていたため、テロを支援していた銀行としても有名となりました。
1991年7月に、営業拠点を置いていたイギリスで粉飾決算などを理由に営業停止および資産凍結処分を受け、経営破綻しました。
後の調査で、100億ドルにもおよび使途不明金もあったとのことで、「史上最悪の銀行」とも呼ばれていました。
BCCIは、営業の本拠地は、イギリスでしたが、ルクセンブルクを拠点としていました。
ルクセンブルクの特徴
ルクセンブルクは、ドイツ、ベルギー、フランスに囲まれた国で、一人あたりのGDPは世界一、失業率は4%で推移など世界最高水準の豊かさを誇る国です。
ユーロ圏のプライベートバンキングの中心地で、優遇税制がある国としても有名です。
IT関連企業のAppleのiTunes、eBay、Skypeなどが、日本企業では、帝人、ファナック、楽天などが
ルクセンブルクに本社機能を移転したり、欧州本社を置いたしています。
法人税(法定実効税率)は、29.22%と決して低くはないですが、アメリカの39.13%、フランスの34.43%(*世界の法人税(法定実効税率)ランキングより)
よりは低く、また親会社ー子会社の関係における、法人所得税・地方事業税、源泉徴収税などの免除規定があります。
<また納税手続きが6時間で簡潔するなど、(Paying Taxes 2010より)
法人を運営していく上で環境が整っているので、多くの企業がルクセンブルクに法人を設立し、活用しています。
「ルクセンブルク経済通商省」の日本語サイトがあり、ルクセンブルクでの事業開始手続きが解説され、提出必要資料の雛形もダウンロードできるようになっており、いかに開かれた環境であるかというのを知ることができます。
ルクセンブルク法人として、現地に渡航する必要なしく開設することができる銀行口座や、
Paypalなどオンライン決済会社でアカウント認証のためのクレジットカード発行場所登録することができる銀行口座が明確であれば、活用を考えるのもよいかもしれません。
ゆうちょ銀行からの送金サービスが一部終了
2013年12月30日:ルクセンブルクの住所宛て送金終了2014年4月4日:ルクセンブルクの郵便振替口座宛て送金終了
となっています。国際送金業務の相手機関における業務見直しによる決定です。
銀行口座への送金は、引き続き可能です。
住所宛ての送金
受け取り人の住所宛に為替証書の送付ができるもので、到着するまでに20から30営業日かかります。為替証書の有効期限は、発行日の翌月末日までで、一度の上限は、50,000USD。(為替証書1枚あたり上限5,000USD×10枚)
郵便振替口座
送金と決済に特化した口座で、料金を徴収したり、配当金などを渡す時に利用すると、効率的に行えるようになっています。特徴としては、利子がつきませんが、日本の場合は、預金保険法に定める決済性預金に該当するため、預かり金全額が保護されることです。
ルクセンブルクの場合は、P&T Luxembourgの口座となっていました。仲介手数料としては、送金金額が100ユーロ以上の場合、5ユーロと別途口座登録料がかかるケースがありました。
郵便振替口座への送金サービスを中止したのは、サービス利用の頻度が低い、もしくは送金が捕捉されにくいなど表とは別の理由があるのでしょうか。
ルクセンブルクへの送金条件
ルクセンブルクの銀行口座への送金は引き続き可能で、表示通貨はユーロ、送金目安は、4から6営業日IBANが必要となります。ユーロ圏の銀行へ送金をする場合には、IBANが必要となりますので、送金手続き前に確認しておかなければなりません。
*IBANInternational Bank Account Numberヨーロッパを中心に40カ国以上で採用されているもので、国際送金のスムーズにする目的で使用されています。最大34文字の数字とアルファベットから構成され、国名コード、銀行コード、口座番号の情報が含まれています。
**郵便振替口座宛に送金分は、ENTREPRISE DES P ET T銀行口座宛で可能となっています。
日本に居住して海外口座を活用する場合は、海外送金サービスのりようが必須となりますので、口座を開設する前に、送金ルートが確保されているのか、またどの程度手数料がかかるのかというのを確認しておく必要があります。
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